【深掘り】こどもNISAだけじゃない? S株で始める金融教育

【深掘り】こどもNISAだけじゃない? S株で始める金融教育

未成年口座は「こどもNISA」だけの入れ物ではない

■こどもNISAは2027年から

令和8年度税制改正により、2027年(令和9年)から0~17歳にもつみたて投資枠が設けられます(以下「こどもNISA」といいます)。年間投資枠は60万円、非課税保有限度額は600万円、非課税保有期間は無期限です。

■未成年口座は今から開設できる

こどもNISAの取引を行うためには、まず未成年口座(SBI証券では「こども口座」といいます)を開設する必要があります※。こども口座の開設は今からでもできます。また、こども口座では、2027年からのこどもNISA(つみたて投資枠)だけでなく、課税口座で国内株(IPO、S株などを含む)、外国株、投資信託、債券など幅広い商品を取引することができます。ただし、こども口座では、信用取引、先物・オプション取引、FX取引などのレバレッジ取引はできません。

※金融機関によっては異なる手続きとなる可能性があります。

なお、通常の取引では特定口座を利用し、「源泉徴収あり」としておくと、多くの場合、保有や取引に伴う税金関連の手続きを簡略化することができます。

こどもNISAは「長期・積立・分散投資」に徹する

■こどもNISAの投資対象はつみたて投資枠と同じで、インデックス投信が基本線

こどもNISAの対象商品は、現行NISAの「つみたて投資枠」に準じ、長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託に限られる方向で示されています。つみたて投資枠なので、個別株や短期売買向けの商品は対象外となります。このため、こどもNISAでの投資対象は、MSCIオール・カントリー・ワールド指数(ACWI)、S&P 500、日経平均株価、TOPIXといった株価指数に連動した成果を目指す投資信託(インデックス投信)を選ぶ方が多くなると思われます。さらに価格変動を許容して長期的な資産形成を目指すのであれば、つみたて投資枠の対象となっているNASDAQ100、FANG+などへの連動を目指す投資信託やアクティブ運用の投資信託も候補になり得ます。

■なぜ個別株ではなくインデックス投信なのか?

つみたて投資枠をこども口座で利用可能とするという建て付けから、こどもNISAでは国内外の個別株は投資対象とはなりません。前述の税制大綱では、こどもNISAの目的として「大学進学等、成人後のライフイベントに伴う必要資金を備えられるよう」とあります。

将来のある時期に利用する予定があるなら、いざ資金が必要なときに相場が大きく下落していると、投資目的に合致していない可能性があります。幅広い銘柄に投資対象が分散されるインデックス投信であれば、その懸念は減ると考えられます。

さらに、インデックス投信の場合は売買判断の負担が少なく、投資に使う時間が短くて済みます

一方で、手間や時間をかけない分、投資を通じて金融知識を学ぶ効果はあまり期待できません。この点は、家庭内での対話や定期的な運用状況の確認など、別の形で補っていく工夫が求められます。

こども口座を「教材」として使う—S株で企業を学ぶ

■1株から買えるS株を使って実践的な金融教育

こどもNISAを始める際には、こども口座がすでに開設済みということになります。そうなると、こども口座をこどもNISAだけに使うのはもったいないともいえます。中でもこども口座との相性が良いのが単元未満株式(SBI証券のサービス名称は「S株」)です。1株単位で株式を購入できるので、3,000円の株価なら3,000円から購入できます。

お子さまの年齢に合わせて、ゲーム機やゲームソフトの会社、携帯電話会社、鉄道会社、外食チェーン、コンビニエンスストア、スーパー、ネット販売業者、百貨店、自動車メーカー、建設機械メーカーなど、身の回りにある上場企業を選べば、お子さま自身が「知っている会社」に投資する体験ができます。

■値動きの理由を考える習慣が将来につながる

やり方は簡単で、以下の3ステップです。

1.まず、お小遣いや誕生日にもらった資金で、お子さまと一緒に銘柄を選び、必要に応じて親権者がS株で取引を行います。

2.機会ごとに異なる銘柄を購入して5~10銘柄程度のお子さまポートフォリオを作っていきます。

3.少なくとも数ヵ月ごとに保有株の値上がり・値下がりの理由を親子で考えてみます。

企業の決算やニュースと株価の動きを結びつけて考える経験を重ねることで、お金や経済の仕組みを自分ごととしてとらえるきっかけになります。この「自分ごと」というのが大きなポイントで、自分の財布に直結する投資行動となれば、そうそう興味をなくすことはないと思われます。また、複数銘柄を保有することによって、ある出来事がある会社にはメリットになり、他の会社ではデメリットになるといった大局的な視点を養うきっかけとすることが期待できます。

こどもNISAでのインデックス投信への投資が「長期でコツコツ資産を形成するコアな運用」だとすれば、こども口座を利用したS株投資は「なぜ値段が動くのかを考える教材」となります。教材としてのS株投資は、投資金額に占める割合が小さくても、子どもの成長にはより大きな役割を果たしてくれる可能性があります(図表1)。

■まとめ

・こどもNISAは2027年開始予定だが、こども口座は今すぐに開設可能

こどもNISAはインデックス投信で長期・積立・分散投資を考えるコアな運用

S株を「教材」として使えば、個別企業への関心を金融教育につなげられる

値動きの理由を親子で考える習慣が、お金や経済を考えるきっかけになる

図表1 こども口座で、こどもNISA+S株投資

図表2 こどもNISA+S株で金融教育

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