日経平均が遂にバブル崩壊後高値を更新!今後の展開は?

投資情報部 淺井一郎

2023/05/19

5/19(金)の東京株式市場は大幅続伸で取引を開始、日経平均は21年9月の3万670円を上回り、バブル崩壊後の1990年7月以来、約33年ぶりの高値水準に到達しました。本日の株高の背景には、前日の米国株式市場において、債務上限問題に対する警戒感が緩和し、ナスダック総合指数主導で堅調に推移したことが挙げられます。

もっとも、日本株は今年春頃から上昇基調が続いています。4月、著名投資家のウォーレン・バフェット氏が、日本経済新聞とのインタビューにおいて、日本株の買い増しを検討している、と報じられたことが株式市場の大きな話題となりました。しかし、同氏に留まらず、最近は多くの外国人投資家が日本株への投資に関心を寄せている模様です。実際、日本取引所グループ(JPX)が発表する投資部門別売買動向によると、外国人投資家は、4月第1週から直近の5月第2週まで6週連続で日本株を買い越しています。外国人投資家による旺盛な日本株買いが相場を支えている様がうかがえます。

さて、3万円の大台を突破した日経平均ですが、今後はどういった展開が想定できるのでしょうか?
日経平均は昨日時点で6連騰となり、上昇幅は1500円近くに達しています。また、騰落レシオ(東証プライム、25日平均)は138%と一般的に買われ過ぎとされる120%を大きく上回っており、短期的な過熱感は指摘されるところです。

その一方で日本株を取り巻く環境が好転してきていることも確かなことだと思われます。
昨年、新型コロナの水際対策が緩和され、外国人旅行者が回復し始めたことによるインバウンド消費や、国内の賃金上昇期待などを手掛かりに内需の回復期待が強まっています。一方、外需についても米国経済の不透明感は根強いものの、中国や欧州の経済が緩やかな回復に転じるなど最悪期を脱し始めたことや、円相場が1ドル=138円台と今年の円の最安値水準にあることなどが追い風となってきています。また、日本株の上昇に欠かすことができない半導体関連などのハイテク株への物色意欲も強まっています。こちらは、米テクノロジー企業の業績底打ち期待などでナスダック総合指数が堅調に推移していることが手掛かりになっています。

外国人投資家は、こうした日本株の投資環境の好転にいち早く気づいて注目している可能性があり、そうであれば日本株に対し息の長い買いが続くことも期待されるでしょう。

短期的には、米国の債務上限問題の行方が気になるところです。一部の報道では来週にも共和党と民主党が、債務上限の引き上げで合意する、との報道があります。ただ、債務上限の引き上げに失敗し、米国債がデフォルト(債務不履行)するとなれば、それこそ前代未聞のことであり、その影響は測り知ることができません。このイベントを確実にクリアすれば、日経平均は更なる上値を目指す展開が想定できるでしょう。

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