今後の活躍に期待!1~3月期に大幅営業増益の中小型株

今後の活躍に期待!1~3月期に大幅営業増益の中小型株

投資情報部 鈴木 英之 栗本奈緒実

2023/05/10

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堅調な大型株にツレ高も、好決算銘柄への買いが目立つ

4/25(火)~5/9(火)の東京株式市場では、日経平均株価が2.2%、東証グロース市場指数が1.4%それぞれ上昇しました。なお、大型連休の期間となり、5/3(水)~5/5(金)の東京株式市場は休場となりました。

米国市場では、5/1(月)にファースト・リパブリック銀行の破綻、5/3(水)にFOMC(米連邦公開市場委員会)後の議長会見でパウエル議長がタカ派的姿勢の堅持を示唆する発言があり、5/1(月)~5/4(木)のNYダウは4営業日続落となりました。しかし、5/5(金)の雇用統計発表で重要日程一巡となり、5/5(金)のNYダウは、買い戻しもあり、大幅反発となりました。結局、4/24(月)~5/8(月)のNYダウは0.8%の下落となりました。

インフレやグローバル景気への不透明感から「厳しい業績予想が増える」と懸念された国内上場企業の決算発表ですが、日経平均の予想EPS(1株利益)は4/25(火)の2,102円から5/8(月)の2,114円まで、ほぼ横ばいとなりました。インバウンド景気が盛り上がりを見せていることもあり、海外市場と比べても東京市場は堅調な値動きとなりました。決算発表が本格化し、それを織り込む個別銘柄の動きが中心となりました。ただ、インバウンド需要の回復や値上げの寄与等があり、内需系企業が物色の中心となりました。引き続き、グロース系銘柄は物色の中心ではなく、その分、東証グロース市場指数のパフォーマンスは日経平均株価に対しアンダーパフォームとなりました。

東証グロース市場の時価総額上位銘柄の中では、VTuberプロダクションを運営するカバー(5253)の上昇が目立ちました。4/27(木)の取引終了後に業績予想の上方修正を発表し、23/3期の予想営業利益は21億円→34億円(前期比83%増)と増額されました。3月開催の大型イベントでチケットやライセンス商品の販売が伸び、3月単月の売上高が予想を大幅に上回ったことが理由のようです。5/12(金)に予定される決算発表では、24/3期の業績見通しが焦点になりそうです。

時価総額100億円以上の東証グロース市場銘柄の中では、好決算銘柄の株価上昇が目立ちました。サイバートラスト(4498)は4/26(水)の決算発表で、今期予想営業増益率が33%になると発表し、結局4/25(火)から5/9(火)まで8営業日続伸(そのうち4/27はストップ高)となりました。また、ギックス(9219)は4/28(金)の第3四半期決算発表で、通期(23/6期)の予想営業利益を2.0億円→3.2億円(前期比227%増)に上方修正し、5/1(月)・5/2(火)に34%超の上昇となりました。

図表1 日経平均株価と東証グロース市場指数の推移

図表2 主な東証グロース市場指数構成銘柄の値動き

図表3 4/25(火)~5/9(火)で株価上昇が大きかった東証グロース市場指数構成銘柄

今後の活躍に期待!1~3月期に大幅営業増益の中小型株

東京株式市場では、決算発表が本格化しています。発表社数的には、5/11(木)に491社、5/12(金)に1,145社、5/15(月)に598社の予定で、このあたりがピークとなっています。東証スタンダード市場や同グロース市場に上場する中小型株の多くは、アナリストの調査対象となっていないため、市場コンセンサスと比較できるケースは少なくなっています。

即ち、決算発表では実績数字(特に利益)が会社予想を上回ったのか否か、業績予想が修正されるのか否か、また新たに発表される業績予想が増益になるのか否か等が重要になります。アナリストの調査対象になっていないことが多い分、決算発表で一気にファンダメンタルズの変化が織り込まれることが多く、投資家に決算発表はリスクの大きいイベントであると考えられます。

今回の「新興株ウィークリー」では、決算速報的な情報提供の意味合いも兼ねて、営業利益を基準とし、好決算を発表した銘柄を抽出すべくスクリーニングを行ないました。スクリーニング条件は以下の通りです。

(1)東証スタンダード市場または同グロース市場に上場
(2)時価総額100億円超
(3)決算期末が3月、または12月
(4)5/8(月)までに2023.1-3月期の決算発表が終了
(5)2023.1-3期の営業利益が前年同期比で20%超の増益
(6)5/8(月)まで過去20日間の1営業日当たり平均出来高が2万株超

図表4の銘柄は、上記(1)~(6)の条件をすべて満たしており、(5)の営業増益率(前年同期比)が高い順に掲載されています。

今回、23.1-3期の営業増益率でスクリーニングした理由は、この3ヵ月に業績が好転している銘柄も抽出できることを狙ったためです。たとえば、沖縄セルラー(9436)の営業利益を通期単位でみると、23.3期4.7%増益、24.3期2.3%増益見通しと、やや地味な印象です。しかし、23.1-3期の営業利益だけを見ると前年同期比83%増益であり、実は何か大きな変化が起こっているのか、考えるべき、契機になりそうです。

図表4 23.1-3期に大幅営業増益の中小型株

取引 チャート ポートフォリオ コード 銘柄名  株価(5/9) 23.1-3期営業増益率 今期予想営業増益率
5449 5449 5449 5449 大阪製鐵(4/27) 1,344 222.6% 9.5%
9436 9436 9436 9436 沖縄セルラー電話(4/27) 3,015 83.2% 2.3%
4107 4107 4107 4107 伊勢化学工業(12)(4/27) 7,430 70.3% 19.8%
2216 2216 2216 2216 カンロ(12)(4/28) 1,616 69.7% 26.7%
1972 1972 1972 1972 三晃金属工業(4/27) 4,020 28.7% 3.7%
4498 4498 4498 4498 サイバートラスト(4/26) 2,901 28.4% 32.9%
3914 3914 3914 3914 JIG-SAW(12)(5/8) 4,810 28.2% -
3663 3663 3663 3663 セルシス(12)(5/8) 764 20.1% 7.3%
  • ※各社株価データ、会社公表データをもとに、SBI証券が作成。
  • ※銘柄名右横に(12)と記載された銘柄は12月決算企業で、他は3月決算企業です。
  • ※銘柄名右横の月日は決算発表日です。
  • ※JIG-SAW(3914)の今期業績予想(会社予想)は未定です。
  • ※JIG-SAW(3914)は信用注意喚起銘柄に指定されています(5月10日現在)。


以下、図表4に掲載した銘柄について、詳細をコメントします。

■サイバートラスト(4498)~デジタル社会の信頼性を高め、増収・増益が継続中

★週足チャート(2年)

  • ※データは2023/5/10(週足) 13:00時点。
  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

★通期業績推移(百万円)

  • ※当社Webサイトの業績表示ツールをもとに、SBI証券が作成。

■ネット上の認証やセキュリティを提供

ネット上の認証やセキュリティに関連した業務を行う企業で、ソフトバンクの子会社であるSBテクノロジー(4726)が58%の株式を保有(22.9末)しています。

売上構成比(23.3期)で最大は「認証・セキュリティサービス」(57.5%)で、日本初かつ国内最長20年の運用実績を持つ商用電子認証局としてパブリック証明サービスを提供しています。証明書の発行により、Webサイトの実在が証明され、通信の暗号化が実現されるため、ネット社会では欠かせない存在になっています。

この他、「Linux/OSSサービス」(23.3期売上構成比23.5%)では、Linux OSや統合監視ツール等オープンソフトウェアを主軸に事業を展開。また、「IoTサービス」(同9.1%)では、IoT機器について、セキュリティを確保しつつ、迅速な開発を可能とする製品の導入支援等を行っています。

■今期は大幅増収増益へ

当社の業務を一言で要約すれば「トラストサービス事業」と表現できそうです。様々なものがインターネットにつながり、あらゆるプロセスがデジタル化される中、「ヒト」「モノ」「コト」の正当性、完全性、真正性などを証明し、デジタル社会の信頼性を高める業務と言えそうです。

取引形態としては、契約を更新することで、継続的なサービスが受けられる「リカーリングサービス」が売上高の64.9%(23.3期)を占めており、収益が安定的に伸びやすいビジネスモデルとなっています。

テレワークの定着や、脱ハンコ化の流れ、オンライン化、非対面化等、DX推進の流れが強まっています。そうした中で、セキュリティニーズは高まっており、同社事業には追い風が強まっています。

同社の業績は左図の通り、売上・営業利益の両面で拡大を続けてきました。23.3期も売上高61.6億円(前期比7.6%増)、営業利益10.5億円(同21.3%増)と増収・増益を確保。主力の「認証・セキュリティサービス」でリカーリングサービスの提供が伸長しました。

前期は1~3Q累計営利益は6.6億円(前年同期比17%増)でしたが、4Qのみでは3.9億円(同28%増)と、年度末にきて増益率が加速する兆しをみせています。24.3期の会社予想営業利益は14億円(前期比33%増)ですが、各四半期で前4Q並みの営業利益を確保できれば達成できる計算です。

今回の決算発表を受け、株価は昨年5月の高値を抜けてきました。足元は急騰後の反動に要注意とみられますが、上記高値を突破したことで、当面の株価レンジが切り上がった可能性もありそうです。

■カンロ(2216)~『ピュレグミ』や『のど飴』が人気。グミ市場は近年急拡大!

★週足チャート(2年)

  • ※データは2023/5/10(週足) 13:00時点。
  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

★通期業績推移

  • ※当社Webサイトの業績表示ツールをもとに、SBI証券が作成。

■国内トップのキャンディメーカー。グミ市場が急拡大

大正元年(1912年)創業、110年の歴史をもつ国内キャンディメーカーシェアNo1の企業です。

社名と同じロングセラー商品「カンロ飴」、菓子食品分野で初となる「のど飴」を手掛け、事業拡大をとげてきました。

2002年、大ヒット商品「ピュレグミ」を発売。現在に至るまで人気の製品で、2022年グミカテゴリーの年間売上は1位です。グミが同社にとって成長ドライバーです。

キャンディ市場では、飴が縮小傾向の一方、Z世代などを中心にグミが拡大傾向にあります。2022年度と2019年度を比較すると、飴の市場規模が▲8%であるのに対し、グミはは+26%でした。

YouTubeやTikTok等での「ASMR動画*」の流行がグミ人気に寄与しました。Z世代を意識した商品を積極的に手掛けており、「グミッチェル」の公式咀嚼音動画をYouTube公式チャンネルにアップしています。色鮮やかで多様なデザインで製造可能なグミは、このような時代のニーズとの親和性の高さが市場規模拡大の背景にあります。

(*ASMR=映像や音声によって、脳が抱くゾクゾクする感覚。グミなどの食べ物の咀嚼音や映像は代表的な一つ。他には、焚火や耳かき、スライム等を使用した動画が人気。)


■1Qで60%と驚異的な利益進捗率。上場来高値更新

4/28(金)の今期1Q(1-3月期)決算を発表後、株価は急騰。5/9(火)には株価は上場来高値を更新しています。

同決算では売上高75億円(前年同期比25%増)、営業利益11億円(同70%増)となりました。特に、営業利益の1Q時点の進捗率は、当初上半期目標に対し147%と超過、通期目標の60%と非常に好調でした。堅調に成長を続けるグミカテゴリーに加え、猛威を振るった花粉飛散量の増加やオミクロン株の影響でのど飴が大きく伸長しました。

好業績を受け、会社側は通期業績見通しの上方修正と増配を発表。株価は上場来高値(5/9)まで急騰しました。ただ、下期は原価率の上昇で期初予想から減収減益の計画となった点にはご留意ください。

*(ココもポイント)*IR活動が積極的な企業です。2019年より専門部署を設置し、資料の拡充、メディア露出増を図っています。世界最大規模のアニュアルレポートコンペティション「International ARC アワード 2022」では2部門で世界最優秀部門賞を獲得。一連の施策が奏功し、個人株主を中心に株主数は2018年度末▷2022年度末で5.8倍となりました

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