【マーケット・フラッシュ】日経平均大幅安。国内は好材料豊富だけに米国が落ち着けば反発を期待!?

投資情報部 淺井 一郎

2023/09/28

9/28(木)の東京株式市場で日経平均は一時31674円(▲697円)と大幅に下落しました。この日は9月末の配当金の権利落ち日のため、日経平均が224円程度(Quick社試算)押し下げられているのですが、その影響を考慮しても日経平均は軟調な展開となりました。

本日の相場下落の背景には、以下に示すように様々な要因が重なっていると見られます。

(1)米国の長期金利上昇

(2)米国の政府機関閉鎖への懸念

(3)9月配当取りが一巡したことによる手仕舞い売り

(4)円安進展で為替介入(円買い)への警戒

まず、(1)と(2)は米国発の要因となります。

米国10年国債利回りは春以降に上昇傾向が続いており、足元では4.6%台と約16年ぶりの水準へ到達しています。長期金利上昇の背景には、米国の金融政策において政策金利(FFレート誘導目標)が5.25-5.50%に到達し、さらにこうした高金利状態が長期化するのでは?との見通しが強まっていることがあります。これに加えて足元では(2)政府機関閉鎖への警戒もまた、長期金利上昇を促していると見られます。米国で新財政年度(2023年10月1日)入りを目前に控えて、予算協議が難航しています。このまま予算(暫定予算を含む)が成立しないまま新年度を迎えると、政府機関が業務を執行できずに閉鎖へ追い込まれてしまい、これが長期化すると経済への影響が次第に大きくなります。これが投資家のリスク回避を強めるとともに、米長期金利上昇(米国債売り)を誘っていると思われます。

また、国内要因と言える(3)、(4)についてですが、前者は一時的な売りフローと言えるでしょう。(4)に関して、円相場は149円台半ばへと円安、ドル高が進行しています。これまでならば、円安=輸出株買いにつながったのですが、現状は円安でありながら、輸出株については逆に敬遠されるような動きとなっています。円相場は、昨年10月に150円台に到達した後に為替介入(円買い)が入り、その後急ピッチで円高へと揺り戻されたため、この水準から円安を手掛かりとした物色に警戒感が強まっていると考えられます。

当面の日経平均をみる上で、まずポイントとなるのは(1)や(2)であり、それは即ち米国長期金利の上昇が一服するか否かでしょう。特に目先は(2)において暫定予算の成立などにより政府機関の閉鎖が一旦、回避されるようであれば、リスク回避が一巡して長期金利の上昇は一服する可能性が考えられます。また、(4)の円安についても、その背景にあるのは米国金利の上昇であるため、これが一服すれば、円安の動きも落ち着きを取り戻すでしょう。

一方、9/26付けの225の『ココがPOINT!』「当面の国内株式市場は材料豊富!?その内容は?」で指摘したように、目先の東京株式市場は好材料に恵まれると考えられるため、米国要因さえ落ち着きを取り戻せば、買い戻しの動きが期待されるでしょう。

日経平均の目先の下値目途は、前回(8/18)に付けたザラ場安値となる31,275円、あるいは26週(130日)移動平均である31,281円あたりと考えられます。

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