【マーケット・フラッシュ】日経平均は大幅高でスタート。熱すぎず、寒すぎない米国経済が株価を下支えへ

投資情報部 淺井一郎

2023/11/15

11/15(水)の東京株式市場では朝方から買い先行の展開となりました。日経平均の上げ幅は一時600円を超え、9/20(水)以来となる33,000円台を回復しました(取引開始時点)。

日経平均が大きく上昇した背景には、前日の米国株式市場の大幅上昇が挙げられます。

米国では取引開始前に発表された10月消費者物価において、コアCPI(食品・エネルギーを除く消費者物価)が、前年同月比+4.0%と市場予想(同+4.1%)を下振れ。これを手掛かりに市場では、米国金融政策について、昨年来から続いてきた大幅な利上げ局面が、遂に終了するとの見方が強まり、代表的な長期金利の指標となる10年国債利回りが4.4%前半へ大幅低下しました。

米国株式市場では金利低下を好感し、ハイテク株などのグロース株(成長株)を中心に大きく上昇しました。この動きを受けて、国内株式市場でも、レーザーテック(6920)や東京エレクトロン(8035)が年初来高値を更新するなど、ハイテク株を中心に物色されています。
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また、国内市場では昨日(11/14)で3月期決算企業の中間決算発表シーズンがほぼ終了となりました。詳細は11/14付けの225の『ココがPOINT!』決算・経済指標発表の先にある日本株の行方は?を参照いただきたいのですが、総じてみて良好な決算だったということが出来ます。企業業績に対する不安が小さいことも日本株物色を下支えしていると考えられます。

今後については、日本株の動向を占ううえでも、やはり米国経済や金利動向への注意を怠ることはできないと考えられます。前述のとおり、昨日の米国市場ではインフレへの警戒が緩み、金融政策について来年にも利下げへ転じるとの見方が、株式市場を押し上げることになりました。

米金融政策に関しては、今のところ追加利上げが行われる可能性は低そうではありますが、米国経済に目を向けると、一時期より成長が減速しているものの、依然として力強さは維持していると見られます。堅調な経済成長が続けば、利上げ再開への動きが強まる可能性には注意が必要でしょう。

また、現状は米国金利の低下が、素直に株高につながっていますが、金利低下が急ピッチになるようだと、逆に景気後退リスク(景気のハードランディング)が意識されて株価にとって逆風になる可能性があります。緩やかな景気減速(景気のソフトランディング)ともに、緩やかな金利低下の継続が、現在の株価にとってもっとも良好な環境と言えるでしょう。景気が熱すぎず、寒すぎずのゴルディロックス経済が今後も継続するのか、株式市場の動向を観るうえで注目していく必要があるでしょう。

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