【マーケット・フラッシュ】「日経平均が一時過去最高値を更新」で考えたいこと

投資情報部 鈴木 英之

2024/02/22

日経平均株価のこれまでの過去最高値は、取引時間中ベースでは、89年12月29日の38,957円44銭、終値ベースでは同じ日の終値(大納会終値)である38,915円87銭でした。2/22(木)午前の東京株式市場では、10時16分に38,924円88銭まで上昇し、終値ベースの過去最高値を一時上回りました。(2/22午前取引終了時点では38,913円84銭)

2/22(木)の東京株式市場は、朝方から買いが先行する展開でした。注目されていた米半導体大手エヌビディアの決算発表(2/21)で、収益が市場予想を大きく上回ったことが大きな理由です。ここ数日、エヌビディアの決算が市場予想を下回った場合に備えリスク回避の利益確定売りが広がっていたこともあり、改めて買い安心感が広がりました。

この日の東京株式市場では、エヌビディアの好決算を受け、レーザーテック(6920)、アドバンテスト(6857)、東京エレクトロン(8035)等半導体関連株が取引開始直後から買い気配となる展開となりました。その他、ソフトバンクグループ(9984)やファーストリテイリング(9983)等の日経平均高寄与度銘柄も買われる展開になりました。

短期的には、日経平均株価が「平成バブル相場」で付けた過去最高値水準に上昇してきたことで、目標達成感が強まり、利益確定売りを急ぐ投資家も増えそうです。RSI(相対力指数)が「過熱」を示す70%を超えてきた(2/21)ことも、テクニカル的には注意すべき点でしょう。

ただ筆者は、バブル高値も40,000円も、日経平均株価の通過点に過ぎなくなると予想しています。

株価は、1株利益という「現実」とPERという「夢(期待)」の掛け算という側面をもっています。そういう意味で、東証1部(当時)の銘柄が平均的に予想PER60~70倍まで買われた「平成バブル相場」は夢が作った大型相場でした。しかし、現在の相場は、予想EPS(1株利益)が2/15(木)に2,375円の過去最高水準を記録(2/21時点では2,354円)しており、企業業績が過去最高(予想)という、「現実」がしっかりと背景にある相場と考えてよいでしょう。

市場予想(Bloomberg)では、日経平均の来期純利益は、今期会社予想(会社予想のない銘柄は市場予想を代用)比で12%増となっています。来期予想増益率で10%程度を予想することは、それほど無理な予想ではないと考えられます。仮に「夢」が今以上に膨らまず、予想PERが16倍で横ばいとなっても、1年後に予想EPSが2,589円(上記2,354円の1割増し)まで上昇した場合、日経平均株価は41,424円(2,589円×16)を付ける可能性が出てくることになります。

仮に「夢」が少し膨らみ、予想PERが18倍程度まで許容されれば、46,602円(2,589円×18)というラインも浮上してきます。

日経平均株価の上昇基調は続くと予想します。ただ、株価水準が上がってくることで、乱高下する場面が出てくる可能性には注意したいところです。

  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

おすすめ記事

免責事項・注意事項

・本資料は投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたもので、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。万一、本資料に基づいてお客さまが損害を被ったとしても当社及び情報発信元は一切その責任を負うものではありません。本資料は著作権によって保護されており、無断で転用、複製又は販売等を行うことは固く禁じます。

【手数料及びリスク情報等】

SBI証券で取り扱っている商品等へのご投資には、各商品毎に所定の手数料や必要経費等をご負担いただく場合があります。また、各商品等は価格の変動等により損失が生じるおそれがあります(信用取引、先物・オプション取引、商品先物取引、外国為替保証金取引、取引所CFD(くりっく株365)では差し入れた保証金・証拠金(元本)を上回る損失が生じるおそれがあります)。各商品等への投資に際してご負担いただく手数料等及びリスクは商品毎に異なりますので、詳細につきましては、SBI証券WEBサイトの当該商品等のページ、金融商品取引法等に係る表示又は契約締結前交付書面等をご確認ください。