【マーケット・フラッシュ】日経平均は一時41,000円台に迫る勢い。今後の注目点は?

投資情報部 淺井一郎

2024/03/21

3/21(木)の日経平均は一時41,000円台に迫る40,000円台後半へ上昇しました。今週の日経平均は3/18(月)に1,032円高と大幅上昇し、翌19日には終値で40,000円台を回復。そして春分の日明けとなる21日も朝方から買い先行の展開となっています。

今週の日本株上昇の手掛かりとなっているのは、日銀金融政策決定会合と米国のFOMC(連邦公開市場委員会)という重要イベントを無難に通過したことが大きいと考えられます。

3/18・19開催の日銀金融政策決定会合では、政策金利(日銀当座預金の一部に適用される預金金利)のマイナス金利が解除され、更に無担保コール翌日物(かつての政策金利)を0-0.10%へ設定することが発表されました。日銀としては実に17年ぶりの政策金利引き上げとなりました。しかし、取引終了の記者会見で植田日銀総裁は、今後の金融引き締めについては緩やかになるとの見通しを示したことが、株式市場の安心感につながったと考えられます。

また、3/19・20開催のFOMCでは、昨年12月FOMCの政策メンバーによる政策金利見通し(ドットチャート)で示されていた、年内3回(0.25%×3回)の利下げシナリオが維持されたこと、FOMC会合後のパウエル議長記者会見において毎月最大950億ドルのペースで行われている、バランスシートの縮小(QT:量的金融引き締め)政策について、縮小ペースの減速が近く行われる可能性が高いとの見通しが示されるなど、全体としてハト派的な印象が強かったことが株式市場で好感された模様です。

東京株式市場は朝方から買い先行の展開となったものの、その後はやや伸び悩んでいます。そもそも、日本株が大きく上昇した背景には、世界的なAI(人工知能)や半導体関連株物色の動きと、円安進展による輸出株物色がありました。今週の日銀金融政策決定会合では、会合前からマイナス金利の解除を織り込んで、既に国内金利上昇の動きが一服して円安が進みました。

一方、米FOMCは、会合後に米国株の上昇に拍車がかかり、それが本日の日本株上昇にも影響してはいるものの、FRBがハト派的な見解を示して米国金利が低下しているため、円安の動きが一服しました。株式市場で買いが一巡した後に伸び悩む展開となっているのも、そのためだと思われます。

今後の日本株を観る上でも円相場の動きには要注目となります。ただし、足元で円相場が1ドル=150円台を突破してきたことで昨年11月以来となる為替介入(円買い、ドル売り)への警戒感が強まっており、円安基調が弱まる可能性には注意が必要でしょう。また、日経平均は短期的に急上昇したことで、やはり過熱感も再び意識されやすい水準と考えられます。中長期的な国内景況感の改善を手掛かりとする株価上昇の見方に変化はないものの、目先はスピード調整に入ることも念頭に入れる必要がありそうです。

  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

おすすめ記事

免責事項・注意事項

・本資料は投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたもので、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。万一、本資料に基づいてお客さまが損害を被ったとしても当社及び情報発信元は一切その責任を負うものではありません。本資料は著作権によって保護されており、無断で転用、複製又は販売等を行うことは固く禁じます。

【手数料及びリスク情報等】

SBI証券で取り扱っている商品等へのご投資には、各商品毎に所定の手数料や必要経費等をご負担いただく場合があります。また、各商品等は価格の変動等により損失が生じるおそれがあります(信用取引、先物・オプション取引、商品先物取引、外国為替保証金取引、取引所CFD(くりっく株365)では差し入れた保証金・証拠金(元本)を上回る損失が生じるおそれがあります)。各商品等への投資に際してご負担いただく手数料等及びリスクは商品毎に異なりますので、詳細につきましては、SBI証券WEBサイトの当該商品等のページ、金融商品取引法等に係る表示又は契約締結前交付書面等をご確認ください。