【マーケットフラッシュ】5万円のその先へ──日本株が向かう?本物の成長

投資情報部 鈴木 英之

2025/10/27

5万円のその先へ──日本株が向かう?本物の成長

■日経平均株価「5万円大台乗せ」の理由

10/27(月)の日経平均株価(午前終値)は史上初めて5万円の大台に乗せました。

今後はどうなるでしょうか。

それを考える前に「大台乗せの理由」を整理しておきたいと思います。

◎高市政権の発足と政策期待

・初の女性首相としての期待感

・積極財政(ガソリン税廃止、年収の壁撤廃など)への支持

・自民党と日本維新の会の連立による政策安定化への期待

・高市政権の支持率が70%超と高水準(日経・読売の世論調査)

◎ 米国が金融緩和方向

・FOMCで0.25%の利下げがほぼ確実視(10/27時点)

 (10/29発表予定分・Fed Watchで96.7%の確率)

・12月にも追加利下げの可能性(12/10発表予定分では98%)

・米中関係改善(「対中関税100%」実施見送り、10/30に首脳会談予定)

◎日銀の追加利上げ見送りか?

・10月会合では利上げ見送りとの見方が多い

・高市政権との協調重視で緩和的政策継続との見方も

・「利上げ見送り」は円安要因(対ドル・ユーロ)か

◎為替市場の円安・ドル高

・日米金利差のある程度大きい状態が継続

・高市政権の金融緩和志向

◎米国企業の好決算(7~9月期)

・一部例外除きS&P500企業の多くで純利益が予想超え

・情報技術・金融・通信などが好調

・AI投資と消費の底堅さが収益を支える

◎日本企業の業績改善期待

・日経平均の予想EPSが約2,600円と過去最高水準(10/24時点)

・日銀短観でも売上・利益計画の上方修正が目立つ

・10月下旬から11月中旬の決算発表で見通し上方修正が増える可能性が拡大

◎通商環境の改善

・すでに米国が日本製自動車への関税を27.5%→15%に引き下げ

・中国がレアアース輸出規制を見送り

・米中貿易摩擦の緩和がサプライチェーン安定に寄与

■「日経平均5万円乗せ」で問われる“成長の質”へ

◎「EPSの裏付け」から「持続可能な利益成長」へ

・予想EPSが過去最高水準(約2,600円)に達し、株価水準の正当性が議論される段階へ

・今後は、一過性の円安効果ではなく、構造的な利益成長が求められる公算大

・日経平均株価は、予想EPS2,600円×PER20倍から計算される52,000円が重要な節目か?

◎「政策期待」から「政策実行力」へ

・高市政権の積極財政や規制改革に対する期待が株価を押し上げたが、次は実行フェーズに

例:年収の壁撤廃、ガソリン税廃止、企業減税などの具体的な立法・予算措置が焦点。

◎「金融相場」から「業績相場」へ

・これまでは、米利下げ・日銀利上げ見送りによる「金融相場」だった可能性

・今後は、企業決算の好調さを背景にした業績主導の相場へ移行する?

・特に、輸出企業・AI関連・内需回復セクターが牽引役に

◎「指数の節目」から「企業価値の再評価」へ

・5万円という節目を超えたことで、次は個別企業のバリュエーション再評価が進む?

・成長性・収益性・株主還元などを軸に、銘柄選別の時代へ。

■ 想定される市場の投資テーマ

・「日本企業の再国際化」:関税緩和・円安を背景に海外展開が加速

・「政策連動型投資」:維新・国民民主の政策実現によるセクター選別(例・大阪副首都構想)

・「AI・半導体・防衛産業の再評価」:米国との技術協力強化

■まとめ

・「日経平均株価5万円」はゴールではないとみられます

・日本株は今、“中身”が問われるステージに入ったとみられます
・政策、業績、地政学、そして企業価値、すべてが試される新たなフェーズが始まると思われます

  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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