米国・イスラエルがイラン攻撃、株価波乱は続くのか?

投資情報部 鈴木 英之

2026/03/02

米国・イスラエルがイラン攻撃、株価波乱は続くのか?

2月28日(土)、米国とイスラエルはイランに対して大規模な軍事攻撃を実施しました。その結果、イランの最高指導者であるハメネイ師が死亡したことが確認されました。

ここもとイランでは反政府運動が激化して国内政治が動揺しており、米国・イスラエルはイランに打撃を与えるチャンスを伺っていた可能性があります。国際社会としては短期の紛争収束を望んでいますが、米国・イスラエルとイランの問題は複雑で、以下のように混乱が長期化するリスクもはらんでいます。

・イランは、1979年の「イラン・イスラム革命」により成立し、反米・反イスラエルが「国是」
・イランはイスラム教(おもにシーア派)、イスラエルはユダヤ教で、一神教であり、異なる宗教
・もともとイランはヒズボラ(レバノン)、ハマス(パレスチナ)等を背後で支援し、イスラエルと代理戦争状態にあった
・最高指導者殺害で、イランの米国・イスラエルへの恨みは深化している可能性
・イスラエルはイラン核施設を攻撃したものの、ウラン濃縮施設が活動を継続中(2/27・国際原子力機関の報告)とみられる

紛争が長期化した場合、イランがホルムズ海峡を封鎖する可能性があります。すでに同海峡は実質的に封鎖されているとの報道もあります。同海峡は世界の原油輸送の約2割を占めているとみられ、原油価格の高騰が予想されます。こうしたリスクを警戒してか、WTI原油先物相場は足元上昇基調で、1バレル70ドルが意識される展開です。

仮に米国・イスラエル対イランの対立が長引いた場合、世界的に株式市場下落が長期化し、金やドル、円、スイスフラン、米国債等が「安全資産」として逃避資金の逃げ場になる可能性がありそうです。国内株では防衛関連銘柄や資源株が資金の逃避先になりそうです。

しかし、今回の対立への過度の懸念は不要かもしれません。そもそも、米国は日本の同盟国、イスラエルとイランは「親日国」とみられており、日本へ直接危害が及ぶ可能性は限定的とみられます。日本は年間消費量の半年分を超える石油備蓄量を有しており、海運会社はホルムズ海峡を当面回避することで対応するとみられます。

何よりも、ベネズエラ同様、米国の圧倒的な軍事力が示されたこと、イランは国内の政治不安を抱えていること等を背景に、イランにとっても紛争長期化は望ましくない可能性があります。紛争が長期化せず、リスクオフの場面が短期に収束する可能性もあります。

なお、3月は多くの上場企業において配当や株主優待の権利確定月に当たります。通常は、3月決算銘柄は権利取りの動きを背景に株価が上昇しやすい月でもあります。しかし、地政学的リスクから株価が押し目を形成した場合、配当や株主優待を重視する中長期スタンスの投資家によっては、買いチャンスになる可能性もありそうです。

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