円安に備える資産配分の考え方

円安に備える資産配分の考え方

投資情報部 植田 雄也

2026/06/25

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円安に備える資産配分の考え方

ニュースなどで「ドル円160円台」という言葉を耳にする機会が増えています。「円安が続くなら、何か対策をした方がいいのかな?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、長期・積立投資を前提とした資産形成で大切なのは、円安・円高を予想することではありません。一つの国や通貨だけに依存しない資産配分を考えることです。今回は、その考え方を分かりやすく解説していきます。


■円安が気になる方へ|チェックポイント

まずは次の2つを確認してみましょう。

□ 将来使う目的や時期を踏まえ(目的・資金使途・リスク許容度に対して)、円建て資産だけに偏っていないか

□ 将来の為替予想に頼りすぎていないか

長期・積立投資は、為替や相場を当てるためのものではありません。

自身が実現したい豊かな人生やライフプランに備えるための手段の一つです。

将来の為替を含む相場変動を正確に予想することは難しい以上、一つの国や通貨だけに依存しない資産配分を考えることが大切です。


■お金には3つの役割がある

私たちは毎日、当たり前のように日本円を使っています。

お金には大きく3つの役割があります。


1.価値を測る役割(価値尺度)

「この商品は100円」「あのサービスは1,000円」のように、モノやサービスの価値を比較する基準になります。


2.モノやサービスと交換する役割(交換手段)

スーパーなどで買い物ができるのは、お金が交換の手段として機能しているからです。


3.価値を保存する役割(価値の保蔵手段)

得たお金を現金や預貯金として保有し、将来に使うことができます。
私たちが日本円を保有しているのは、こうした役割があるからです。


■円は生活に必要。ただ、資産形成では「お金の価値」にも目を向けたい

日本で暮らす以上、日本円は欠かせません。生活費や急な出費に備えるための預貯金は大切です。

一方で、資産形成では預貯金の金額だけではなく、「将来も今と同じような価値で使えるお金か」という視点にも目を向けてみましょう。


なぜなら円安が進むと、

・海外旅行費用の上昇

・ガソリン価格の上昇

・海外の商品やサービス価格の上昇

などにつながる可能性があります。


その結果、預貯金の金額は変わらなくても、以前と同じお金では買えないモノが増える可能性があります。


※物価の上昇は日本円に限らず、米ドルなど他の通貨でも起こります。そのため、購買力の変化は、円安だけでなく各国のインフレ率の影響も受けます。
為替の影響を見る際は、ドル円などの名目為替レートだけでなく、各国の物価上昇率の違いを踏まえた実質的な購買力の変化にも注意が必要です。例えば、為替レートがインフレ率の差を十分に調整する方向に動かない場合、海外旅行や輸入品などを通じて、円の相対的な購買力の低下を感じることがあります。
こうした通貨の実質的な強さを見る指標の一つに、各国との貿易量や物価の違いを考慮した「実質実効為替レート」があります。
本稿では、一般的な物価上昇と、為替変動による円の相対的な購買力の変化の両面を踏まえ、一つの国や通貨だけに依存しすぎない資産配分を考えることの重要性を説明しています。


■考えたいのは「円を持つか」ではなく「円だけを持つか」

ここで誤解してほしくないのは、「円の預貯金をやめましょう」という話ではないことです

しかし、資産の大半が日本円だけの場合、日本円の価値が変動した際にその影響を大きく受けることになります。


そこで大切なのが、

「円を持つかどうか」ではなく、
「円だけに偏っていないかどうか」

という視点です。

為替を含む相場変動に資産配分で備える

円だけに依存しない資産配分を考える方法はいくつかあります。


例えば、


・投資信託

日本だけではなく、海外にも投資する投資信託も選択肢の一つです。NISAで人気のオール・カントリー(※1)やS&P500(※2)などがその一例です。この2つに限らず、先進国や新興国、各国の代表的な株価指数に連動する投資成果をめざす投資信託などもあります。


・金(ゴールド)

世界共通の価値を持つ資産として利用されています。


・外国株式

海外企業へ投資することで、結果として様々な国や通貨の影響を受ける資産を保有することにつながります。


方法は一つではありません。他には、外貨建て債券や外貨預金などもあります。ただし、商品によって価格変動リスクや為替リスク、手数料などは異なります。投資を検討する際は、それぞれの特徴を理解したうえで判断することが大切です。

NISA植田道場では、オール・カントリーやS&P500、金(ゴールド)にどのように投資していくのか、考え方や投資判断軸をご紹介しています。本レポートと併せて、ページ上部の関連記事のリンクからぜひチェックしてみてください。


■注意点

本稿は「円安になるから海外資産を増やしましょう」という内容ではありません。

日本円には、生活費や緊急予備資金として重要な役割があります。


■大切なのは為替の変動を当てることではない

ここまで見てきたように、長期・積立投資を前提とした資産形成で大切なのは、円安・円高を予想することではありません。

将来の為替を含む相場変動を正確に予想することは難しい以上、一つの国や通貨だけに依存しない資産配分を考えることが大切ではないでしょうか。


※1.オール・カントリー:本稿では世界の株式に投資をする投資信託の総称をオール・カントリーと記載する。

※2.S&P500:米国経済を代表する約500社の株価指数。本稿ではS&P500に連動する投資成果をめざす投資信託の総称をS&P500と記載する。

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