暴落で積立投資を止めるとどうなる?2年後の差を検証

暴落で積立投資を止めるとどうなる?2年後の差を検証

投資情報部 植田 雄也

2026/08/13

暴落で積立投資を止めるとどうなる?2年後の差を検証

2年前の2024年8月5日、日経平均株価は1日で4,451円28銭下げ、31,458円42銭で取引を終えました(前営業日比-12.40%)。下げ幅は過去最大、下落率は過去2番目という記録的な急落で、「令和のブラックマンデー」とも呼ばれました。

そして2年後。7月の荒れた相場から一転、足元は比較的落ち着いた値動きとなっています(2026年8月3日終値時点)。

NISA植田道場ではこれまで、相場が下がったとき、急変したとき、そして上がったときも、一貫して「積立を続けること」をお伝えしてきました。今回は、その答え合わせです。主役は、暴落の日に「売らなかったけれど、積立を止めてしまった」Bさん売らなかったのに、なぜ差がついたのか。実際のデータで検証します。

図表1 日経平均株価の推移

【結論】カギは「売らないこと」より、「止めないこと」でした

急落時に差を生むのは、怖くなって売ってしまう「狼狽(ろうばい)売り」だけではありません。試算では、保有分を売らずに積立だけを止めた場合、2年後の運用益に約30万円の差が生まれていました(図表2)

【理由】急落の直後に「急反発」が来ることもある

底値がどこかは、プロでも当てられません。実際、暴落の翌日にあたる2024年8月6日、日経平均株価は一転して3,217円04銭高の34,675円46銭(前営業日比+10.22%)。当時としては過去最大の上げ幅でした。

「一番下がった日」と「一番上がった日」が隣り合わせで訪れたことが、過去にはあったのです。

その後の2年間も、トランプ関税ショック(2025年4月)や中東情勢の緊迫(2026年3月)など、急落は何度も訪れました。それでも長い目で見れば、日経平均株価は右肩上がりの推移をたどっています(図表1)。


【検証】売らなかった2人に、なぜ30万円の運用益の差がついたのか

2024年1月から、毎月3万円ずつ日経平均株価に連動する投資成果をめざす投資信託を積み立てていた3人がいたとします(※)。迎えた8月5日の大暴落で、3人の評価額は、元本24万円に対してそろって約20万円に目減りしました。ここで、3人は別々の道を選びます。

怖くて全部売ったAさん:-4万円の損失を確定させました
積立を止めたBさん:保有分は持ち続けましたが、新たな買付をやめました
淡々と続けたCさん:翌月以降も毎月3万円の積立を続けました

その後、日経平均株価は暴落当日の31,458円42銭(終値)から、2026年8月3日には63,754円90銭(終値)へ。約2年で2倍の水準になりました。その結果、3人の資産評価額はこうなりました(図表2)。


※毎月第1営業日に、日経平均株価に完全に連動する投資信託を買付できたと仮定した試算。分配金、税金、取引手数料、管理コスト等は考慮せず。

図表2 積立を「止めた人」と「続けた人」の資産評価額の推移

Cさんは積立を続けた分、投資した元本も96万円と多くなっています。そのため、ここでは元本を差し引いた「運用益」で比較しています。また、同額を積み立て続ける場合、投資対象には長期的な成長が期待できる資産を選ぶことが大切です。なお、同額を積立続けた場合でも、相場や投資対象によっては元本を下回る場合があるため、損失防止策ではないことに注意が必要です。

BさんはAさんより良い結果となりました。売らずに持ち続けた判断は、報われたといえます。一方で、BさんとCさんの運用益の差は約30万円でした。

この差の正体は、Bさんが買い逃した「24回の買付」(図表2の▲印です。とくに暴落後の11回は、日経平均株価が4万円を下回っていた時期でした。同じ積立額3万円でも、価格が安いときほど多くの口数を買えます。Cさんはこの時期に口数を積み増し、Bさんはすべて見送りました

積立を止めれば、たしかに目先の値動きからは距離を置けます。一方で、価格が下がった局面での買付を見送ることにもなります。結果論ではありますが、2年分のデータが示したのはこの点でした。


【行動】(例)積立を止めない仕組みは「見るのは月1回まで、点検は年1回」

・値動きを見るのは、月1回程度
買付日と積立金額を一度設定したら、あとは自動。値動きを見る回数が増えるほど、Bさんのように「止めたくなる瞬間」も増えます。

▶投資の「怖さ」との向き合い方については、以下の記事でやさしく解説しています!

投資が怖いのはなぜ?リスクの意味と、感情に振り回されない積立の考え方 関連記事 投資が怖いのはなぜ?リスクの意味と、感情に振り回されない積立の考え方

・中身の点検は、最低年1回
「ほったらかし」は「完全な放置」とは異なります。

・積立額は家計に合っているか

・資産配分に偏りはないか

・ライフイベントの変化はないか

などを点検しましょう。点検日も、誕生日など忘れない日に決めておくのがコツです。

なお、急落時に冷静でいるための前提として、一般的な目安とされる生活費の半年分程度の「緊急予備資金」を、投資とは別に確保しておくことも忘れないようにしましょう。

▶相場下落時の考え方については、以下の記事でやさしく解説しています!

【初心者向け】相場下落時、積立投資は続けるべき?NISAで失敗しない対処法 関連記事 【初心者向け】相場下落時、積立投資は続けるべき?NISAで失敗しない対処法


まとめ

・急落時に積立を止めるか否かも、最終的な運用益の差に影響

・売らなかった2人の差は約30万円。正体は「買い逃した24回」

・積立を止めない仕組みの一例として「自動積立」×「見るのは月1回程度」×「点検は最低年1回」

・相場の急落は避けられない。でも、「積立を止めない仕組み」は今日つくれる

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