
長期投資で豊かな
人生を送ろう!
- 農林中金バリューインベストメンツ株式会社
常務取締役 兼 最高投資責任者 CIO - 奥野 一成 氏

構造的に強靭な企業に投資する「おおぶね」、
企業オーナーになる楽しみを共有
農林中金全共連アセットマネジメントが設定・運用する「農中<パートナーズ>長期厳選投資おおぶね」の助言者として、実質的に運用している農林中金バリューインベストメンツ常務取締役の奥野一成氏に、同ファンドの運用について聞いた。
「おおぶね」の運用のポイントは?
哲学として「売らなくていい会社」しか買いません。本当にいい会社、本当に強い会社は、圧倒的な競争優位性を持っていて、持続的に企業価値を増大することができるので、タイムラグはありますが、結果として株価も上がっていきます。そういう会社を見つけたら、売買する必要はありません。その会社のオーナーになればいいのです。私どもは、それを「構造的に強靭な企業®」といっています。構造的に強靭な企業®のみを選択して、受益者の方々にその会社のオーナーになっていただくというのが、このファンドのコンセプトです。
投資銘柄は25から30銘柄ぐらいです。本当に強い企業を、アメリカの株式市場の中から選択しています。投資する銘柄数が少ないからといって、リスクが大きいということではありません。米国のS&P500指数は、500銘柄に投資していますが、「おおぶね」は25社~30社にしか投資していないにもかかわらず、リスクはS&P500よりも抑えた運用を実現しています。「おおぶね」の運用哲学と手法は、このようにリスクを抑えながら長期的にリターンを実現してきたことによって、プロの機関投資家から長年にわたって評価されてきたことを強調したいです。
本当にいい会社に投資していると、特に何かをする必要もありません。たとえば、ディズニーの株式に投資して保有すると、ミッキーマウスが世界中で踊りまくって稼いできてくれるのです。オーナーになるということは、そういうことです。イタリアンレストランのオーナーは、決して自分でスパゲッティを茹でたりはしません。雇ったシェフがおいしい料理を作って稼いでくれます。同じように、世界の有力企業のオーナーになって、その企業が稼いでくれる力を手に入れるのです。
構造的に強靭な企業®は、時間の経過とともに複利的に企業価値が上がっていくわけですから、同じ船に乗った気持ちで投資先の企業の成長を一緒に楽しんでいただきたいと思います。「おおぶね」は、投資をしたら、生涯持ち続けてもいいような、安定的な収益を長期にわたってご提供できるファンドだと思います。

他の運用会社に負けないことは?
長期的に安心して持っていることができるような企業を見極めて、そのオーナーとして長く投資を続けるというコンセプトを実現するため、「企業を見極める」という点については誰よりも汗をかいて努力しています。投資先企業は言うまでもないですが、競合企業にまで実際に現地まで足を運んで企業の強靭さを見極めます。そして、それと同等か、それ以上に重視しているのは、そうやって「足と頭で」見極めた企業の調査結果について、受益者の方々にキチンとお伝えすることです。
例えば、ファンドでディズニーを保有していると、最終的なオーナーである受益者の方々は、「コロナ禍でディズニーランドが閉まっているのに、大丈夫だろうか」と心配になると思います。しかし、ディズニーの本当の強さは、ディズニーランドではありません。ミッキーマウスとか、アナと雪の女王とか、スターウォーズなど、コンテンツそのものを使い回しすることができる極めて卓越したステータスにあります。それの一つの表れが、ディズニーランドであり、プリントTシャツなのです。最近流行の「ディズニープラス」もコンテンツがあるからこそできることなのです。
そして、このコンテンツは、もう今更似たようなキャラクターを作り出して、ディズニーの向こうを張って世界中に流布することは事実上不可能な話になっています。ミッキーマウスは唯一無二のキャラクターなのです。私どもが「構造的に強靭」と言っているのは、ディズニーにおけるキャラクターの存在のようなものをいいます。この儲けの泉がある限り、たとえディズニーランドが閉まっていても、ディズニーの強さは全く失われていません。
こういうことを、受益者の人にキチンと伝えることに非常に力を入れています。月次レポートは、5ページもの長さになってしまうのですが、その他、毎月次で開催するZOOMカンファレンスを通じて徹底的に、運用の内容と、組入企業を評価しているポイントについて詳しく伝えるようにしています。長期投資にとっては、納得感というか、企業についての手触り感を持っていただくことが非常に大事だと思っているからです。納得できないものをなんとなく持っているのは、企業のオーナーとしては不安ですよね?少し株価が下がってしまうと、慌てて解約してしまうようなことになりかねません。長期投資をする上では、パフォーマンスが重要であることは言うまでもないですが、実は運用の対象になっている企業の中身を理解してもらうことも非常に大事なことだと思っています。

運用を通じて、何を実現したいと考えていますか?
大上段な言い方をすると、「日本人を豊かにしたい」と思っています。「おおぶね」の運用哲学を通じて、金銭的にもそうなのですが、精神的にも豊かになってもらう手助けをしたいと思っています。
そもそも「株式投資が企業のオーナーになることだ」ということを、声を大にして言っているのは、私くらいです。株式投資というと、普通は株券の売買だと思っています。本当は株主になって、その企業のオーナーになることです。企業のオーナーになって、その企業に働いてもらうという発想が必要だと思います。たとえば、Amazonの株式を買ったら、あのジェフ・ベゾスさんを雇っているという発想です。
この発想は、日本人は今まであまり教えられていません。日本人は、いい高校、いい大学に入って、いい企業で働きましょうという「労働者マインドセット(思考パターン)」しか教わっていません。本来資本主義の中では、基本的には「オーナー」、「労働者」、「労働者、かつ、オーナー」の3つしか社会に参画する方法はないのです。ところが、日本人は「労働者」になることしか教わっていません。もちろん、働くことが尊いことではあることは絶対の真理ですが、自分が働いて得るお金と、事業にお金を預けて働いてもらって得るお金、両方があった方が安定します。金銭的にも精神的にも余裕が持てるのです。
例えばジェフ・ベゾスさんは自分の部下であると考え、雇い主である自分のために「世の中をどんどん便利にしながら大きく儲けてくれているのだ」というふうに思うと痛快ですよね。そういう何か精神的な自由さというのを、本当は投資をすることで持てるはずなのです。ただ株券に投資をして毎日毎日、株価の値段を見て一喜一憂していては、マーケットの奴隷になっているのであって、労働者が会社の奴隷になっているということとほぼ同じことだと思います。
自分が主体的に豊かな人生を送るには、会社の奴隷になってはいけません。誰かに自分のために働いてもらうという発想も当然持たなければいけないと思います。そういう投資を通じて、本当の意味での「オーナーシップ」という考え方を広めていきたいと思っています。


- 【投資信託に関するご注意事項】
- ・投資信託は、主に国内外の株式や債券等を投資対象としています。投資信託の基準価額は、組み入れた株式や債券等の値動き、為替相場の変動等により上下しますので、これにより投資元本を割り込むおそれがあります。
・投資信託は、個別の投資信託毎にご負担いただく手数料等の費用やリスクの内容や性質が異なります。ファンド・オブ・ファンズの場合は、他のファンドを投資対象としており、投資対象ファンドにおける所定の信託報酬を含めてお客様が実質的に負担する信託報酬を算出しております(投資対象ファンドの変更等により、変動することがあります)。
・ご投資にあたっては、商品概要や目論見書(目論見書補完書面)をよくお読みください。
- 【その他のご注意事項】
- ・本ページは、投資一般に関する情報提供を目的としているものであり、投資その他の行動を勧誘したり、推奨したりするものではございません。銘柄の選択などの投資にかかる最終判断は、お客様ご自身の判断でお願いいたします。
・本ページに記載されている情報は各取材時点のものです。
・個別銘柄の紹介にあたっては、当ファンドの過去の組入銘柄の一部および運用担当者による見解を紹介したものであり、当該銘柄について将来の保有を約束するものでも、売買を推奨するものでもありません。また、当ファンドが組入れる銘柄などのパフォーマンスを示唆するものでもありません。