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時を積み重ねる。

キャピタル・インターナショナル株式会社
運用開発部 インベストメント・ディレクター
雨宮 弘明 氏

「キャピタル世界株式ファンド」と同一の運用戦略、ニューパースペクティブ運用は運用開始から48年で73倍に、運用を支えるキャピタル・システムとは

 キャピタル・インターナショナルが設定・運用する「キャピタル世界株式ファンド」の運用について、運用開発部のインベストメント・ディレクターである雨宮弘明氏に聞いた。

「キャピタル世界株式ファンド」の特徴は?

 全世界の株式を投資対象にし、マルチナショナル企業(多国籍企業)に着目し、世界で活躍する企業にのみに投資をするところが大きな特徴になっています。また、ニューパースペクティブ運用を開始した1973年から2020年年末まで、マーケットの時価総額は約21倍ですが、当運用は73倍になりました。キャピタル・グループの運用力をフルに使って、長期にわたって市場を上回る成績を収めてきたというところも特徴と考えます。

 市場インデックスを大きく上回る成績を残せた理由として一番大きいのは、やはりリサーチだと思っています。キャピタル・グループは、1931年という、ちょうど世界恐慌の最中に創業しています。当時は、多くの個人投資家の皆さんが資金を失っていく時期でしたので、しっかりと地に足のついた企業情報に基づいて、投資する価値のある株式で運用する商品を提供する必要があるという想いが強く、それ以来、企業のファンダメンタルズ・リサーチを徹底してやってきています。

 現在、400名超の運用担当者がいて、グローバルで個別企業を幅広くカバーするリサーチ体制があり、これが運用力の源と考えています。同様の規模のリサーチグループを持っている会社もありますが、当社の特徴は、リサーチをするアナリストも運用に参画しています。調べるのが上手なだけでは駄目で、運用が上手いアナリストでないと当社では仕事を続けられません。1年、3年、5年、8年という期間で運用成績を評価しています。勝てる運用者を揃えることが運用のベースになっていると考えています。

 グローバルに活躍するマルチナショナル企業というと、大型株中心のポートフォリオとイメージされがちですが、ポートフォリオに組み入れている企業の規模は、一般的な株式インデックスに対してほぼ中立です。例えば、ネスレやP&Gといったグローバル企業も組み入れていますが、これからマルチナショナルになっていく企業も組み入れています。結果として、大型から中型企業まで組み入れるポートフォリオになっています。

これだけは他社に負けないポイントは?

 20年、30年というような非常に長期の運用を考えると、1人のポートフォリオ・マネジャーで、運用をずっと継続することが難しくなります。いかにそのファンドの運用を再現性があり、継続性のあるものにするかということが大きなポイントになります。

 この「キャピタル世界株式ファンド」は、1つのファンドを複数のポートフォリオ・マネジャーに運用資金を分割して担当させています。運用手法が異なる運用者がチームとして運用しています。世代も分散されています。従って、運用チームの世代交代は、運用を担当する期間を少しずつ重複させながら少しずつ行っています。私どもは、これを「キャピタル・システム」と呼んでいますが、非常に長い期間にわたってこの方法を作ってきました。このファンドを運用するシステム自体に運用の再現性、継続性の仕組みが備わっていることが大きなポイントです。その結果として45年以上にわたる優れたトラックレコードがあります。しっかりしたリターンで、その有効性を証明できていることも、他のファンドと大きく異なる独自性だと考えています。

 「キャピタル・システム」は、ケーキやピザをピースに切り分けるイメージを持っていただいて、その一つ一つのピースを、各ポートフォリオ・マネジャーが担当しています。各ピースに、ほぼ均等に資金を配分して運用しています。

 一人ひとりのポートフォリオ・マネジャーには、運用に特色があります。グロース、バリュー、大型株式中心、中小型株式中心など、いろんなタイプがいて、それらに均等に資金を配分します。そして、各ピースにおいてポートフォリオ・マネジャーに引退が見えてくる年代になってくると、若いポートフォリオ・マネジャーを加えて、少しずつ運用の割合をシフトしていきながら、徐々に運用を交代します。

 ファンドの運用は、ひとりのポートフォリオ・マネジャーでやった方が、その人の特徴やポートフォリオの特徴もしっかり出せるという考え方もあるでしょうし、30銘柄程度の集中型ポートフォリオの方が高い超過収益が出せる場合もあると思います。「キャピタル・システム」は、担当するマネジャーの数が多いので、持っている銘柄数も増えてしまいます。結果的に運用実績がインデックスに近くなるのではないかという批判を受けることもありますが、実際の運用実績はインデックスを大幅に上回っています。

 複数のポートフォリオ・マネジャーがいることで、一人ひとりのポートフォリオ・マネジャーは、自分のアイディアに集中できるというメリットがあるようです。マネジャー一人ひとりは自分の買いたい銘柄だけ買っていても、ポートフォリオ全体として分散が効くということになり、それが長期に優れたパフォーマンスにつながっていると思います。

運用を通じて世の中をどうしていきたいか?

 アメリカは、ごく一般的な勤労者が、長期の積立投資をすることによって、資産を積み上げて豊かな老後を迎えることができています。キャピタル・グループは1931年の創業以来、ずっと「運用を通じて、人々の人生をより豊かにする」ということをミッションと考えてきました。運用規模は200兆円を超えていますが、7割が積立投資のお客様です。

 アメリカの皆さんにそうして貢献できたことは非常に誇りに思っていますし、それが同時に私どものキャピタル・グループの存在意義だというふうに考えています。日本の場合は投資が根付いていないというか、投資を通して人生が豊かになったというような成功事例がなかなかないと思います。私共がアメリカで経験したことを日本に持ってきて、1人でも多くの人たちが、長期積立投資で豊かな老後生活になった、豊かな人生になったということを作れたらいいなと考えています。

 実際にお客様にお話をされるアドバイザーの皆さんに、私どもの持っているノウハウや情報を共有させていただく勉強会を継続しています。オリンピック選手でもコーチが必要なように、長期投資ですので、いい時ばかりではないですから、伴走者が必要です。キャピタルの考え方を共有できるアドバイザーを増やして、それを最終投資家の皆さんにお伝えしていくことが大事だと考えています。

キャピタル世界株式ファンド

キャピタル・インターナショナル株式会社
カテゴリ:全世界株式

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