「iDeCo女子が語る投資の知恵」株式会社フィスコ 高井ひろえ【後編】

投資支援サービスを提供する株式会社フィスコで、マーケットレポーターを務める高井ひろえさん。「将来に向けて時間がある若い世代は、長期投資のチャンスに目を向けて」と指摘する高井さんに、長期投資と個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」の魅力を聞きました。

──同世代の20代の中で、iDeCo(イデコ)の認知度はどうですか?

高井氏:正直なところ、自分よりももう少し上の、家族を持っている世代のほうが、関心が高いですね。家族の中でお金の配分を考えていかなければならないために、将来への備えということでiDeCoを検討する人が周りでは多いように思います。

──高井さんご本人は、どうやってiDeCo(イデコ)を知ったのでしょう?

高井氏:フィスコの先輩であるマーケットレポーターの三井智映子さんが、とても良い制度だという風に話しているのを聞いたのがきっかけです。私も「口コミで始めた」、ということになりますね。

──お仕事柄、プライベートでも投資について質問されることが多いと思います。iDeCo(イデコ)について聞かれたら、どんな切り口で説明するのでしょう?

高井氏:私は、税金の優遇はもちろんなのですが、若い世代に向けてなら、長期投資、複利の効果といったところで説明すると思います。

私も最初は、iDeCoとはとても複雑な制度なのではないかと思っていました。でも実際に始めてみると、シンプルで、「継続は力なり」という言葉がぴったり合う、すごい制度だと思います。60歳まで引き出せないという、結構厳しいルールがあるわけですが、それによって私たちは、嫌でも長期投資をすることになります。

しかも拠出金は非課税で、運用益も非課税で再び運用に再投資できる複利の効果もあります。税金が引かれないまま、雪だるま式に資産が増えていくことが期待できます。さらに、受け取る際にも税の優遇があります。

──若い世代ほど、注目したほうがいいということでしょうか。

高井氏:早く始めて長く運用するほど、長期での複利効果が得られることになります。投資期間が長いことで一時的な下落があったとしても、その後の回復を待つ時間があることは有利なことだと思います。

過去の例になりますが、例えば米国株に長期投資をしていたとします。一時的にリーマンショックのような下げはあったとしても、代表的な株価指数であるNYダウは基本的には右肩上がりですよね。

──若い20代だと、なかなか「40年後の自分」は想像しづらいと思いますが。

高井氏:私自身、そんな未来のことはなかなか考えづらいのですが、iDeCoを始めることで必然的に、シニア世代になった自分を想像することになりますよね。これは大きなことではないでしょうか。

私たちの世代は、働き方についても多様化していますし、周囲には「起業したい」「家族の時間を大事にしたい」「フリーとして働きたい」という人もいます。どんな道に進むにせよ、 今から将来のことを考えておかないと、そのときになってからでは遅いということもあると思います。

「老後破産」と言われてもピンとこなかったりするのですが、今から準備しておくことでそうした危険性は、少しは軽減できるのかもしれません。

──冒頭(前編)で、「仮想通貨のセミナーの参加者が若い世代」というお話がありました。もしかして若い世代は、仮想通貨が投資の入口という人もいるのでしょうか?

高井氏:多いと思います。私には大学生の弟がいるのですが、銀行に預けていてもお金がほとんど増えないのに、仮想通貨取引所で取引を始めたら資産総額があっという間に上がって「お姉ちゃん、投資ってすごいんだね」と。いや、それはちょっと違うかも、と思ったのですが(笑)。

──仮想通貨に興味を持つことで、投資に対する視野は広がってくるのでしょうか?

高井氏:仮想通貨も含めて投資を始めた人は、ニュースに敏感になるなど、行動が変わってくる、ということがあると思います。「日経平均」という言葉も、今までは全く自分と関係のない話だったのが、投資によってその話の輪の中に自分も入っている状態になるのではないでしょうか。

さらに、自分に合った投資スタイルが徐々に明確になってくると思います。短期投資で「利ざやを稼ぐ」となると、相場を頻繁にチェックするなど、ライフスタイルによっては投資がしづらくなる場合もあると思います。そう考えると、iDeCoで行うような長期投資は、多様なライフスタイルに合わせやすい投資だと気が付く人もいるのではないでしょうか。また、仮想通貨から入ったとしても、興味を持って調べれば、値動きが大きい市場だけでなく、もっと緩やかな市場もあるというような気付きがあると思います。

──短期投資に疲れた人が、最後に長期投資に戻って来るパターンもありそうですね

高井氏:さまざまな投資スタイルがあっていいと思うのですが、私は投資を始めた初期で、iDeCoの存在を知ることができて、よかったと思います。

──最後に、高井さんの今後の目標について教えてください。

高井氏:情報を発信する立場にいますので、投資家の皆様に、引き続きたくさんのことを知っていただくために、一緒にがんばりたいですね。

そして、私のように、たとえ大学で経済を勉強しなくても、投資の勉強をし、投資を始めることで人生が豊かになるということを、自分自身をもって証明できればと思っています。いずれは、自分なりの相場観をちゃんと語れるようになっていきたいです。

──もし将来、お子さんを持ったら、投資教育はされますか?

高井氏:投資については、早く知っておくのに越したことはないなと思っています。もし子どもを持つことになったら、一緒に勉強していきたいですね。結婚したら、パートナーとも日常の生活を楽しみながら、資産を増やしていけるようなライフスタイルが送れたらいいなと思っています。

「おばあちゃんの知恵」ではないですけれど、「投資の知恵」みたいなものを、広めていきたいですね。

高井 ひろえ
首都大学東京法学系卒業。2014年にミス首都大学東京グランプリ、ミスコン全国大会でスポンサー賞を受賞。大手化粧品メーカーのPR大使としてTVなどで1年間活動。外資系投資銀行やファンドなどで、インターンとして、M&Aアシスタント業務やアナリストとしての業務経験を持つ。在学中に証券外務員1種を取得。学生時代の2016年からフィスコで活動開始。同時期に証券会社の専属レポーターとしても活動。2017年にフィスコ入社。金融主要メディアや機関投資家への情報配信を行うかたわら、株式投資や仮想通貨についてのセミナーにも講師や司会として多数登壇中。また、各種投資教育講座のアシスタントも務める。

>>イデコについてもっと詳しく知りたい方はこちら

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