専業主婦は「働いていない」「働いていても扶養控除内のため所得税を支払っていない」「支払ってもごくわずかな金額」というケースが一般的です。そのため、節税効果が期待できる個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」が話題になっていても、自分には関係ないと考えてしまう傾向にあるでしょう。
しかし、iDeCoを利用しておくことで離婚後に有利となる場合もあります。ここでは、万が一離婚した場合に、その後役に立つiDeCoの準備について伝えていきます。
他人と家族になる結婚、価値観が異なることもある
結婚する時は、運命の人と巡り会えたとロマンティックに感じる人が多いものです。しかし年を経ていくにつれて「あの考えは間違っていた」「幻想だった」と結婚を後悔する人もいるでしょう。そもそも、結婚とは一緒に住んでいなかった他人同士が家族になる仕組みです。育ってきた環境や価値観が異なることで、一緒に生活していくことが困難になる場合があります。また、双方の実家との折り合いが悪いことが理由で結婚を継続していくことが難しくなる場合もあるようです。
日本の離婚率、実はかなり高い?
厚生労働省による「平成 28 年(2016) 人口動態統計の年間推計」によれば、2016年に離婚した夫婦は21万7,000組に上ります。約2分半に1組は離婚している計算になります。一昔前の日本では「子どもがいるから」などの理由で離婚したくてもしないという夫婦が多い傾向で、家庭内別居の状態の夫婦もかなりいたと考えられます。
しかし、近年では、離婚をせずに片方もしくは双方が耐えていくという考えを持つ人は減ってきており、離婚を選択する人が多くなってきているようです。
何の準備もなく離婚をしてはいけない
「現在のパートナーと結婚生活を続けていくことができない」と考えたとき、一刻も早く離婚をしたいと考える女性が多いのではないでしょうか。なるべく早く離婚をしたいと考えがちですが、経済的に弱い立場であることが多い主婦や女性の立場からすると得策ではないと考えられます。もし離婚を考えるようなことがあれば、それまでにしっかり準備をしておく必要があります。
例えばiDeCoは最たるものです。iDeCoは原則、年金を受け取ることのできる年齢に達するまでは引き出すことができない仕組みになっていて、離婚しても財産分与の対象にならない資産となります。
拠出を行っていたのがパートナーだったとしても、あなた名義のiDeCoはあなたの大事な資産です。パートナーがそのことを離婚時に証明したとしても、拠出金額は財産分与の対象にはならないのです。(法律の解釈は今後変化していく可能性はあります)
専業主婦は、最大で毎月2万3,000円拠出することが可能です。例えば、子どもが小さいから離婚できないという場合は、大きくなった時に備えてコツコツ拠出していくことが大切です。最大拠出金額を積み立てていった場合、運用による損益などを考慮しなければ年間27万6,000円、10年間ならば276万円、15年間ならば414万円となります。iDeCoは主婦にとって万が一離婚した場合においても、老後資金のための貯蓄になるという見方もできるのです。
iDeCo(イデコ)で老後資金を準備してから、新たな道を選ぼう
iDeCoで老後資金の準備をすることが可能です。これはもし離婚してしまった場合も同様です。専業主婦の場合、離婚によってパートナーの公的年金を受け取ることは一定の条件がないと難しくなりますが、個人型確定拠出年金iDeCoの場合は、基本的には自分のものになります。
すぐに離婚しなければならないような理由がない限りは、iDeCoで老後資金を準備してから新たな道を探していくことも考えてみましょう。
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