シングルマザーがiDeCo(イデコ)で運用するメリットとデメリット

子育てをするうえで一番大きなお金と言えば、教育資金があげられます。かわいい我が子には色々な習い事をさせたい、良い教育を受けさせたいなど、親として思う気持ちはたくさんあるのではないでしょうか。

一方、シングルマザーの場合は子どものことを優先し、将来の自分のことを考える余裕がない人もいるかもしれません。しかし、誰もがいずれはリタイアして老後を過ごすことになります。そこで、シングルマザーが個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」で運用するメリットやデメリットについて考えてみましょう。

シングルマザーが置かれている状況

厚生労働省の「平成28年度 全国ひとり親世帯等調査の結果」によると、母子家庭の世帯数は全国で約123万2,000世帯。子育てをするために児童扶養手当を受給している世帯は約100万世帯あります。しかし、この手当は所得に応じて受給できる額が変わります。限度額を少しでも超えると受給額が減りますし、受給できなくなる場合もありますが、そのために所得を減らすわけにはいきません。

収入は下げずに所得を下げることで児童扶養手当を受けられないか、と考える人もいるかもしれません。これについては、年末調整でどれだけ控除ができるかによります。そこで利用したいのが、節税効果があるiDeCoなのです。

シングルマザーがiDeCo(イデコ)を始めるメリットは児童扶養手当と関係?

東京都の例で見ると、シングルマザーが児童扶養手当を受ける場合、全額支給(所得制限額未満)月額4万2,500円、一部支給(所得に応じて)月額4万2,490円〜1万30円までとなっています。そのため、所得が少ないほうが児童扶養手当を多く支給されることが分かります。

iDeCoで拠出したお金は老後に受け取れるお金です。人によって掛金の上限は違うものの、掛金が全額控除の対象になるというメリットがあります。

例えば、所得税が10%(所得によって税率が違います)の人が、月2万円iDeCoに拠出した場合、年末調整で2万4,000円(24万円×税率10%)の所得税が戻ってきます。30歳から始めた場合、30年間で72万円もの税金が戻ってくることになります。翌年の住民税も2万4,000円(住民税は一律10%)安くなります。

そういった理由からiDeCoを始めることで所得控除を受け、結果として児童扶養手当が受けやすくなる可能性も生じてくるというわけです。

iDeCo(イデコ)を活用するデメリットとは

一方、iDeCoにはデメリットもあります。例えば、拠出したお金を60歳まで引き出すことができないことです。節税効果があるからといって、無理をして限度額いっぱいにまでお金を拠出し、結果的に現状の生活費に支障が出ては元も子もなくなります。

iDeCoは年に一度、掛金を変更することも可能ですから、初めから無理をしなくても大丈夫です。掛金は月5,000円から1,000円単位で上限まで選べます。

それからもう一つ。iDeCoには手数料がかかります。
1. 加入時に国民年金基金連合会に2,777円
2. 国民年金基金連合会に月額103円と金融機関に事務委託手数料として64円
3. 運営管理機関に月額0円〜600円程度
これらは掛金からまとめて差し引かれます。

1と2はどこの運営管理機関でもかかりますが、3は運営管理機関によって異なりますので加入する際には調べてみることが大切です。

また、運用商品を投資信託にする場合には、信託報酬などもかかるので、商品を選ぶ際には十分に検討しましょう。大事なのは、拠出額を我が子と自分の生活に無理のない範囲に設定することです。

シングルマザーは本当にiDeCo(イデコ)を始めた方がいいの?

ここまで見てきましたが、ではシングルマザーはiDeCoを始めるのがよいのでしょうか。確認してみましょう。

まず、iDeCoを始める前にはご自身の収支のプランを考えます。毎月いくらまでなら掛金を拠出できるのか。児童扶養手当や目先の節税だけではなく、ライフプラン全体をよく検討することが大切です。

子どもが大きくなるにつれ教育費もかかりますし、遅かれ早かれ、いずれは子どもも結婚し、独立する日が来ます。それから自分の今後のことを考えたとしても、リタイア時期が迫っていて準備すべき老後資金が用意できていないということになりかねません。早めに考えることが大切です。

シングルマザーのiDeCo(イデコ)は自分にあったペースで

シングルマザーとiDeCoについてここまで考えてきました。iDeCoにはメリットもデメリットもありますが、シングルマザーにとっては節税以外のメリットも考えられるということがわかったのではないでしょうか。

そうはいうものの、毎月の収入は決まっています。シングルマザーの場合は特に無理のない範囲でコツコツとスタートするのが肝心です。自分と子どもの将来のことをよく検討し、一番良い道を選びましょう。

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