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資産運用

初めての投資信託 いったいどれが自分むき?

2017年1月からiDeCo(個人型確定拠出年金)の加入対象が拡大されたことをきっかけに、投資信託という金融商品に関心が多く寄せられるようになっています。しかし、世の中にある投資信託の数は13,000本以上(*)もあり、これから始めようと思っている人にとっては、どこから手をつけたらいいのかわかりにくい状態です。
* 一般社団法人投資信託協会 投資信託の全体像直近データ2020年8月分より

どんな投資信託が存在し、ぞれぞれは何がどう違うのか、どのような視点から選べばいいのか、大まかな分類と選ぶポイントを解説します。

そもそも投資信託とは、株式投資と何が違うのか?

投資家からお金を集めて大きな資金を用意し、専門家が株式や債券などに投資運用する商品を「投資信託」と言います。株式投資のように、一つひとつの株式を吟味して投資するのと違い、いくつかの株式がパッケージになっているのでリスクを分散することができます。投資信託のメリットとして以下が挙げられます。

・ 1万円くらいの少額から買える
・ 専門家に運用を委ねられる
・ リスクを分散できる

これらの理由から、「初心者でも始めやすい」といわれています。

投資信託の分類と特徴

投資信託には、運用する資産によって「株式投資信託」と「公社債投資信託」に分けられています。

・ 株式投資信託:株式を中心に運用されます。
・ 公社債投資信託:債券を中心に運用されます。

日本の税法によって、株式が1つでも組み入れ可能なものは株式投信となるため、一見、債券ばかりで構成されていても株式投信に分類されているものがあります。
また、証券会社のサイトなどで公開されている投資信託説明書(目論見書)の表紙を見ると、「追加型/国内/株式」などの表記を確認することができます。このように投資信託の種類にはいくつかの分類方法があります。


(出典)一社)投資信託協会「投資信託を学ぼう」運用対象での分類

● 単位型・追加型
単位型(ユニット型)とは、あらかじめ決まっている募集期間で集められた資金のみを1つのファンドとし、以降のファンド追加ができないタイプを言います。一方、追加型(オープン型)は、募集期間が過ぎても資金を追加できる、言い換えれば「買いたいときにいつでも買える」タイプです。

● 投資対象地域
主な投資収益がどこの国にあるのかを記したものです。日本、北米、欧州、グローバルなどの細かい分類も投資信託説明書(目論見書)の中に記載されています。

● 投資対象資産
主な投資収益がどこから来るかを記したものです。株式、債券、不動産投資(REIT)、その他資産、資産複合に分けられています。

● 独立区分(*)
・ MMF:国内外の公社債、CPやCDなどを中心に運用して、低リスクで安定した収益を得ることを目指す金融商品です。
・ MRF:株式、債券、投資信託などの購入、カード利用代金の引き落とし、給与振込などに使われる証券総合口座用の投資信託です。
・ ETF:日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)などの指標に連動するように運用するインデックスファンドで、証券取引所に上場している投資信託です。株価指数連動型上場投資信託とも呼ばれます。

● 補足分類(*)
さまざまな指標に連動するインデックス型、特殊な仕組みや運用のため投資する人へ注意喚起が必要な特殊型があります。
*「独立区分」と「補足分類」は、該当する場合にのみ記載されます。

初めての投資信託、選ぶポイントは?

投資信託の分類方法について解説してきましたが、実際に初めて投資信託を行うときは、まずは「運用管理費用(信託報酬)の安さ」で選ぶと良いでしょう。いくら魅力的なファンドを見つけて運用しても、毎月の運用管理費用でリターン分が目減りしていくのは本末転倒です。それに、運用実績についてはプロでも先のことは予想できないため、運用し始めたらどうなるか誰もわかりません。過去の成績に左右される要素以外に、資産を手堅く守るためには運用管理費用で節約することが得策といえるのです。

また、同じ考え方から毎月分配型の投資信託も運用管理費用が高めに設定されているため、初めての投資信託ではおすすめしません。投資信託で月々のお小遣いを手に入れるというイメージを抱いている人もいるかもしれませんが、毎月に必要なお金として使うことをあてにせず、いざというときのお金として運用し続けることが、資産形成を上手に進めるコツとなります。

投資信託は、これ以外にも分類の方法があります。より詳しい内容を知りたくなったら、投資信託を扱っている証券会社のサイトやIFAなどのプロに相談してみるのも良いでしょう。

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