IFAコラム

 
IFAとは

独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)になる為の基本知識

日本で独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)という職業が生まれた時代

日本国内でIFAという職業が生まれたのは、「金融ビックバン(自由化)」がきっかけです。この金融ビックバンで様々な金融商品が誕生しました。また、株式の委託手数料が自由化されたほか、様々な業種の企業が、金融分野に参入しました。銀行の窓口で、証券会社の投資信託が販売されるようになり、ネット証券も誕生しました。

日本は規制緩和による金融市場の自由化で、「貯蓄から資産形成へ」と、社会の舵を大きく切ったのです。そうした中で登場したIFAは、まさに時代の要請を受けていたといえます。

IFAは会社ではなく、個人のために

IFAが注目されるようになったのは、2007年の金融商品取引法改正が大きかったといえるでしょう。証券仲介業が金融商品仲介業と改められ、金融商品の販売チャネル増やすこと、顧客サイドに立った金融商品の販売体制がより一層求められることになりました。その中心となったのが、組織から独立した立場で金融商品売買の媒介ができるIFAです。

以前は、金融商品の販売、投資の勧誘は、銀行や証券会社など営業を通じて行われていました。当然ですが、自社の金融商品だけを販売し、課せられたノルマ達成のために、手数料目的の回転売買が行われることも少なくありませんでした。資産運用を会社の利益のためではなく、個人の利益のために変えたのがIFAなのです。

独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)になるための要件

IFAになるために医師免許のような国家試験を受ける必要はありません。しかし、金融商品仲介業者としての登録を受ける必要があります。金融機関と業務契約を結び、金融商品仲介業者としての登録に必要な書類を用意します。そして、管轄の財務局に提出し、内閣総理大臣に登録します。最後に、日本証券業協会で外務員資格を取り、提携している金融機関の証券外務員としての登録を行います。金融商品仲介業者としての登録には最長で6ヵ月ぐらいはかかります。この期間は金融商品取引業者としてのビジネスができませんので注意してください。

また、すでに金融商品仲介業者として登録している組織(法人)と契約する場合は、ご本人が外務員登録するだけで、1ヵ月ほど待てばビジネスがスタートできます。

2018/5/31現在、法人、個人を含めると866の金融商品仲介業者が内閣総理大臣に登録されています。金融商品の仲介業者の役職員となり、有価証券の売買や勧誘を行うためには、金融商品取引法で以下のような要件を満たしている必要があります。個人でも法人でも構いません。

1. 金融機関に勤めていない(以外の)者
2. 過去5年以内に行政処分歴や犯罪歴などが無い者
3. 金融商品仲介業を行うための十分な知識と経験を持つ者
4. 内閣総理大臣の登録を受ける

IFAになるには法人のほうがいい?個人のほうがいい?

IFAは個人・法人のいずれでも内閣総理大臣の登録を受ければ開業が可能です。ただし、証券会社によっては、法人での業務委託契約が登録要件となっている場合もあります。これは、他の証券会社と金融商品仲介業の登録を受けている場合でも同様です。

法人としての金融商品仲介業の契約を進めるためには、下記のことを尋ねられます(金融機関によって異なります)。

・証券外務員資格保有者数
・内部管理責任者資格保有者数
・一緒に業務を始めるメンバー(以下、仲介業従事者)の人数
・仲介業従事者の金融機関勤務経験の有無

特に法人として金融商品仲介業者契約を行うには、2名以上の二種証券外務員資格保有者が必要になるほか、契約中でも上記の要件は変わりません。何らかの事情で証券外務員資格保有者が1名になることがあれば、契約が存続しなくなる恐れもあるので、注意が必要です。

上記以外にも、金融商品仲介業を始める動機やお客さまの主たる属性、営業範囲や金融商品仲介業以外の兼業の業種(保険業、不動産業など他の業務)などが聞かれるようです。もちろん、各個人の高いコンプライアンス知識や意識が求められます。

こんな人が独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)になる

IFAとなっている人の前職や兼業内容を見てみると、証券会社の営業、生命保険・損害保険の代理店、FP(ファイナンシャルプランナー)、税理士、会計士、不動産コンサルタント、ビジネスコンサルタントと多種多様ですが、やはり金融や不動産関係の出身者やビジネスを行っている人が多いようです。彼らはそれまでの会社のやり方や方針が嫌になったというよりも、お客さまのマネーパートナーとして独立したいという前向きな意志を持つ人が多く、働き方や収入も金融機関に勤めていたときとは異なるようです。

資産運用をするためには、法律、会計、不動産、保険、株式、FX、相続など、複合的な知識が必要です。IFAになることで対応できる幅が広がります。そもそも兼業が可能で、複数の金融機関と業務提携できる点も大きな特長といえます。

人生100年時代と言われる中、多くの人が自分の将来や次世代を見越してさまざまな不安を持っています。さまざまな資格と幅広い知識を持ち、何よりも親身になって物事を考えられるIFAがお客さまとの信頼関係をより強固なものにできるといえます。

IFAの働き方

IFAはどのような働き方をする人が多いのでしょうか。もちろん、独立したばかりのころは新たなお客さまとの出会いの創出に時間がかかる場合もありますが、IFAは原則転勤がないといわれています。そのため、独立すれば一生涯担当するお客さまと向き合い、パートナーとしてお付き合いしていくことができます。そのため、お客さま1人から始まった輪が、家族や友人の紹介などに広がることもあるといいます。

また、働く時間もIFA法人によってはワーク・ライフ・バランスを意識した働き方できるので、出産・子育て中の女性が活躍している法人もたくさんあります。

IFAの収入

IFAの仕事は自由度が高く、業績が上がれば収入も多くなるようです。個人でIFAをしている人はそのとおりですが、法人のIFA業者の場合は各会社で給与規程を作成し、その上で給与査定を行っています。法人でIFA業者を検討している人は最低給与を加味した実績連動給にするのか、固定給にしてボーナスである程度の実績をプラスにするのかを予め考えておいたほうがよいかもしれません。

証券会社や銀行に勤務していたころよりも、働きやすくやりがいを感じられるという人もいるようです。しかし、これもお客さまを大切にしているからこそできることです。収入はあくまでも、お客さまと真摯に向き合い、本当によい提案をし続けた結果だと考えたほうがよいでしょう。

IFAが業務として行えるものとは?保険、不動産、M&A……

IFAはあくまでも証券会社などの金融機関と業務提携を結んで業務を行う金融商品仲介業者です。そのため、IFAの資格を取得したからといって、金融機関で取り扱えるすべての商品をお客さまに提案できるわけではありません。

たとえば、IFA業者の人たちは有価証券だけではなく、生命保険会社や損害保険会社の代理店業務を行っていますが、これらは証券会社と業務提携をしたとしても取り扱えるものではないということに注意が必要です。

生命保険代理店業と兼業するためには

生命保険代理店業を営むためには、生命保険の募集人資格が必要です。生命保険会社が定める代理店研修を受講し、資格試験に合格した上で、保険会社と代理店委託契約を結ぶことになります。その上で、財務局に登録申請を行い、財務局による審査・登録を経て代理店業を行えます。

損害保険代理店業と兼業するためには

損害保険代理店業を営むためには損害保険の募集人資格が必要になります。大まかな流れは生命保険会社との保険代理店契約を結ぶ場合と同様です。損害保険会社に申請し、募集人資格の取得後に財務局の審査・登録が必要になることは変わりません。

生命保険募集人資格、損害保険募集人資格は過去に募集人活動を行ったことがあり、資格試験に合格したことのある人もいるかもしれません。その際でも新たに募集人資格を取得し直さなければならないケースもあります。保険代理店業務を行う際には確認をしておきましょう。

M&A仲介、税理士、弁護士、行政書士、不動産仲介と兼業するためには

他にもM&Aの仲介や仲介先の紹介業務を行っている会社、税理士や弁護士、行政書士、不動産などの紹介を行っている会社も多くあります。これらは社内でそういった業務を行う別部署がある場合と、自分たちで業務提携先を開拓している場合があります。

もちろん、上記に関する相談をお客さまからいただいた時に業務委託契約を行っている金融機関に相談をすれば何らかのアドバイスを受けることもできます。一方、会社としてすぐに相談できる体制にしておきたいのであれば、自分たちで提携先を探し、業務提携を行っておくのがよいでしょう。

IFA業者を営むためには資産運用の知識だけではなく、経営から契約までの幅広い知識が必要になりますし、さまざまな人脈があるほうがよいといえるかもしれません。さまざまな会社や人の協力を受け、成り立つビジネスですが、そのすべてはお客さまのよりよいマネーライフのためだといえます。

ネット証券は独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)と相性の良いので狙い目

最後にもう一つ大切なことを指摘すると、IFA業者としての業務提携は、金融商品の品揃えが豊富で、口座数の多い証券会社と行うのがよいでしょう。

提供できる金融商品の品揃えが豊富だということは、客観・中立の立場で金融商品仲介を行うIIFAにとっては非常に重要です。IFAはできる限り多い選択肢の中から、顧客にとって最適な金融商品を選んでポートフォリオを作る必要があります。取り扱う金融商品の多い証券会社をパートナーに選びましょう。

中でも取引口座数の多いネット証券は狙い目です。対面で金融商品を販売する営業マンがいないネット証券であれば、あなたのIFAビジネスとライバル関係になる人もいないので、顧客の奪い合いが起きません。また、口座を開設している個人投資家は、潜在顧客でもあります。資産運用に興味がある人たちが多く集まるところでビジネスをスタートすることは、あなたのIFAキャリアに有利に働くでしょう。

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