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地方に富裕層が多い理由とは?

富裕層とは、金融純資産を1億円以上保有する世帯と定義されていますが、そのうちの約4割は、首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)に住んでいます。

中でも富裕層の人口比がいちばん高いのは、神奈川県です。東京都でないことに、違和感を覚える方も多いかと思いますが、トータル人口で見てみると東京都に住む富裕層の数は、10万人以上も神奈川県より多くなっています。

しかし、これが1世帯あたりの預貯金額のランキングとなると地方の県が上位に挙がってきます。このように日本の地方都市には、どうやら富裕層がたくさん住んでいるようです。その背景を探ってみました。

預貯金額ランキング上位の常連県は?

2014年9月の統計資料をまとめた日本経済新聞の記事によると、1世帯当たりの預貯金額ランキングの1位は、1,700万円で東京都でした。ちなみに神奈川県は、全国平均である1,215万円を下回り、29位1,141万円という結果です。

ランキングトップ10に入った大都市は東京都のみです。

2位 香川県 1,613万円
3位 徳島県 1,595万円
4位 富山県 1,568万円
5位 奈良県 1,504万円
6位 福井県 1,494万円

ちなみに2008年当時の同じランキングを見てみると、次のような結果でした。

1位 香川県 1,656万円
2位 福井県 1,649万円
3位 富山県 1,629万円
4位 徳島県 1,628万円
5位 奈良県 1,542万円
6位 東京都 1,541万円

市況や景気に左右されることなく、香川や徳島の四国勢と富山や福井の北陸勢が預貯金ランキングの上位に来ることは、揺るがない事実のようです。

地方ならではの明確な貯蓄の理由がある

この四国と北陸の預貯金額が多い背景には、3つの共通した理由が考えられます。

まずは、生活費が安いということです。生活費の大きな割合を占める家賃の額が低い、またはゼロとあれば、貯蓄する余裕もでてきます。香川県などは、「ムダ金を使わないうどん県」と呼ばれていて、毎日のように1杯200~300円のうどんが昼食です。すると自然にそれが基準となり、「うどんより、高いか安いか」というシビアな金銭感覚が育まれ、お金を使わないで生活する気質になるのです。

また日照りの被害が大きかった香川県には、江戸時代からため池が数多く作られ、日頃から貯水をして備える習慣があります。これが堅実に貯蓄をする県民性につながっているとみる向きもあります。

次に、お金を使う目的がはっきりとしています。福井県では華やかな結婚式が盛んで、そのために貯蓄します。さらに富山県では、結婚したら一戸建てを持つことが多いようです。結婚して持ち家を建て、車を買うために貯蓄します。このように使う時には使うという目的がはっきりしているので、貯蓄のモチベーションも上がるのでしょう。

地方にも金融スペシャリストが存在する

最後に、いずれの県にも大きい製造業や物流の拠点があるため、有効求人倍率が高い傾向にあります。派手な支出は好まずに堅実に働く様子がうかがえます。そもそも浪費や散財をする場所もチャンスも少ないのが現実ですが、平均収入が低くてもお金をあまり使わずに暮らせるのです。
地方の企業オーナーや開業医なども、同じように堅実な生活を営む人が多く、そんな地方の富裕層が相談相手として頼りにしてきたのが地方銀行です。しかし、マイナス金利政策の影響を受け、地方銀行は地域の金融の悩みに十分にこたえられていないという声もあります。

そこで頼りになるのが、地方に住み、地場の顧客を大事にしながら活動しているIFAです。IFAは、それまでの経験と人脈と独自の情報網で、地方に居ながらも金融や世界情勢の豊富な知識を持ち、貯蓄や投資のアドバイスをしてくれます。

IFAは特定の金融機関に属さずに、顧客目線で長いスパンの運用相談にのってくれます。さながら、地域の人が安心して頼れる金融の「かかりつけ医」のような存在なのです。

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