リンクスというのはどういう会社ですか?
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リンクス株式会社 代表取締役社長 臼倉 孝純 「次世代を見据えて資産形成・運用を長期サポート」
ネット証券などで簡単に資産運用が始められるこの時代、ネットをフルに使いこなす彼らにとって、投資を始めることは簡単なのかもしれません。しかし、若いがゆえに投資資金が十分に用意できず、始めたくても始められない人たちが少なからずいるのも事実です。
そこで今回は、大手証券会社から、20代でIFA(独立系金融アドバイザー)の世界に飛び込んだリンクス株式会社代表の臼倉孝純さんに、IFAビジネスを始めたきっかけや今後のビジョンについてお話を伺いました。
お子様やお孫様といった次世代のためにも資産運用をしていきたいという方や、投資に興味のある若い世代の人たちは必見です。 (取材:IFAオンライン編集部)
IFAは欧米よりも日本に合う
設立は2014年10月です。大和証券の同期4人で作りました。
金融商品仲介業者としてSBI証券と業務提携し、資産コンサルティングをご提供させて頂いております。また、併せて保険サービスも展開しており、生保8社、損保1社の代理店でもあります。新しく保険業界の出身者が1名入りましたので、現在は5名で活動しています。顧客層としては男性女性を問わず20代〜70代と幅広いですが、弊社がIFAとして特徴的なのはお客様の半数を20代〜40代が占めているということです。
どうしてIFAビジネスを?
私は証券会社退職後に、すぐこの会社を作ったわけではありません。数年間は独立系FP会社で、一般の方から富裕層の方まで幅広い層の方々へ資産コンサルティングをご提供していました。正直、証券会社にいた頃には、IFAなどまったく知りませんでした。
証券会社ではリテール営業に従事しました。その頃の一番の悩みは、会社の方針で一律にお客様にご提供する金融商品が決まってしまって、お客様お一人お一人に合わせた金融商品をご提案することができなかったことでした。
お客様に真に適していると思えるモノを、お客様にしっかりと真正面からご提案できるようになりたい。いろいろ調べていくうちに、「金融商品仲介業」という仕組みを使えば、理想的な金融ビジネスができるということが分かりました。だからIFAビジネスを始めることにしたのです。
独立系FP会社にいた時には保険と不動産を活用した資産運用コンサルティングに従事しましたので、弊社の証券・保険・不動産のワンストップ・サービスのベースにすることができました。IFAビジネスに本格的に取り組んだのは2015年の後半からです。正直に言うと、保険や不動産と違って、大手証券会社の肩書が無いと証券ビジネスは難しいかなと思っていましたが、SBI証券さんと業務提携をさせて頂くことができ、現在は「出来る」という手応えを感じています。
IFAで急成長したアメリカのエドワード・ジョーンズやチャールズシュワブの事も調べました。街の中にある「お金の相談所」のような、“わかりやすい”金融サービスは、欧米よりもむしろ日本の風土の方が合っているのではないかと私は思っています。
併売ではなく、クロスセル(Cross-selling)
具体的なサービスを教えて下さい
私たちがご提供するサービスのコンセプトは家電量販店をイメージしてもらうと分かりやすいかもしれません。家電量販店に行けば、お客様は大手の家電メーカーの商品を、ご自身の趣味や嗜好に合わせていろいろと比較しながら購入できますよね。私たちは金融業界で同じことをご提供したいと思っています。証券・保険・不動産ローン相談等をワンストップでご提供できる資産コンサルティングを可能にすれば、お客様の利便性は飛躍的に向上すると思います。ただし、ここで大事なことは、ワンストップ・サービスが「併売」ではなく、「クロスセル」でなければならないということです。
クロスセルとはどういうことでしょうか?
クロスセルをご説明する前に、「併売」とは何かをご説明させて頂きます。
「証券も保険も両方ご提供できますよ」というのはいわゆる「併売」です。
例えば、お客様から3,000万円の運用についてご相談を受けたとします。証券会社の営業では、「お客様、テーマ型の投資信託よりも絶対収益型の投信のほうがオススメですよ」といった、商品の良し悪しを説明し、3,000万円で投信を買ってもらいます。
一方、保険会社の営業では、3,000万円で年利回り実績が10%を超えるような優良な投資性の年金保険を買ってもらうでしょう。実際にこのような利回り実績がある保険商品はあります。運用商品としてみても、かなり優秀な良い商品です。投資ニーズの高いお客様へはこのような年金保険をご提案する保険代理店も事実たくさんあります。
そして、「証券と保険を両方扱っていますので、上記の両方のご提案ができますよ」という状態を、「商品が置いてあるだけの併売」と私たちは呼んでいます。一見すると、証券・保険の中から実績のある商品を提案してくれるなら便利だと思ってしまいがちなのですが。
どこがダメなのですか?
お客様のための真の資産コンサルティングをご提供するためには、商品の説明から入る提案主体ではなく、例えば、現在「損失繰越」があるかどうかをまずはお客様に尋ねるべきだと私たちは考えます。
年金保険の利益は一時所得になります。いくら利益が出たとしても、一時所得は他の所得と「損益通算」ができません。運用実績のある投資性の年金保険は良い金融商品だと思いますが、お客様がその他の証券投資で損失を抱えてらっしゃるのであれば、年金保険の利益は損益通算ができないことを商品の説明だけではなくするべきです。
一方で、株式や投信や債券は損益通算ができます。
もし仮にご相談を頂いた時点で600万円の損失繰越があったならば、3,000万円のうちの2,000万分は年利10%程度の実績のある投資信託を購入し、3年間運用して600万円の利益が出たら、損益通算を活用して600万円をそのまま手元に戻しましょうというご提案をします。
残りの1000万円に関しては、お客様の情報、特に家族構成をヒアリングさせて頂いて、仮にご本人様と配偶者とお子様が一人という3人家族なのであれば、相続税法12条の生命保険の「法定相続人一人につき500万円の非課税枠」を活用するために投資性の年金保険を選択します。
理由は、年金保険という金融商品は、仮に運用が失敗して損失が出てしまったとしても、万が一の際には最初に投資した元金が死亡保険金として保証されるタイプのものが多いからです。
運用がうまくいった場合には、一時所得として利益を受け取ります。もしも運用が失敗してしまった場合には、「次世代」のことまでを考慮に入れて「一家の財産を減らさないようにする」ために、最終的には元金がそっくりそのまま残せるという年金保険の特徴を活かし、「一家の資産運用」という観点で投資の損失リスクを下げた状態で資産運用をすることをご提案します。
併売は「証券と保険の双方に詳しく、単純に『良い商品』をご提案できる状態」です。Cross-sellingは証券と保険の双方に詳しいことは前提であり、「お客様の状況に合わせて、双方の特徴を活かして柔軟かつ横断的な『使い方』をご提案できる状態」のことを指します。
これが私たちの言うクロスセルなのです。
ファンドの収益性とか、株式のパフォーマンスとかの良い金融商品が知りたいなら証券会社のアナリストに聞けば良いと思います。でも、私たちは現場にいて、お客様の状態を知り、金融商品の「使い方」や投資すべき最適な「分量」までをお客様にご提案する。「金融商品はお薬と同じ」であると私たちは考えています。「用法」と「用量」を正しくお使い頂けるところまでをサポートする。それこそがIFAの仕事です。
次世代のための資産形成をサポートする
ネットでの情報展開も積極的ですね
私たちは将来的には金融リテラシーの向上のために金融教育も手掛けていきたいと考えています。その第一段階として、金融と経済の情報を発信するために「資産形成.com」というサイトを運営しています。月間のユニークユーザー数は現在2万人です。PVは10万回です。そこにアクセスしてくれる方たちの中からご希望頂いた方を対象に、20人~30人のセミナーも実施しています。
このサイトの利用者は20代~40代が中心です。その中の多くの人たちは、資産運用のためのストックがまだ足りません。そこで、お金を積み立てる方法や節約術といったところから情報発信をしています。
お客様の反応は?
若い世代の方が多いので、具体的にはNISAを使った投資等をご紹介しています。毎月3万円から5万円程度を積み立てる方法です。5年から10年以上の中・長期スパンで資産形成し、その後運用の段階に入るというイメージですね。おかげさまで、多くの方に興味を示して頂いております。
最後にリンクスの今後について聞かせて下さい
私たちの会社の社是は「次世代コンサルティングを通じて、豊かな暮らしと確かな未来を創出する」というものです。
ワンストップ・サービスを掲げる金融機関は多いですが、私たちの「ワンストップ」には、時間軸も入っています。証券、保険、不動産という金融商品の種類だけではなく、親子3代に渡る資産コンサルティングサービスです。日本は世界的に見ても長寿の国。今後、日本で一番必要とされるのは次世代のことも考慮する資産運用、「次世代コンサルティング」であると、私たちは確信しています。