コール付き債が増加?2026年7月の米ドル建既発債人気ランキング

コール付き債が増加?2026年7月の米ドル建既発債人気ランキング

投資情報部 土居 雅紹

2026/08/13

2026年7月の米ドル建債券(既発債)の人気ランキング

■市場環境

2026年7月は、中東情勢の急激な悪化と、月末にかけての為替・金融政策イベントが重なる展開となりました。月初にイランがホルムズ海峡で商船を攻撃し、米軍が報復攻撃を実施したことで、6月に合意した戦闘終結覚書は事実上失効したともいえます。以降、海峡の商業通航はほぼ停止する状況が続き、原油価格(WTI原油先物直近限月つなぎ※)は6月30日終値の1バレル69.50ドルから、7月23日には高値93.50ドルまで急伸しました。月末にかけては水面下の交渉進展への思惑もあり、原油価格はいったん80ドル台に落ち着きました。

※Bloombergデータより引用

金融政策面では、7月28~29日に開催されたFOMCで政策金利は3.50~3.75%で据え置きとなった一方、3名の地区連銀総裁が利上げを主張する反対票を投じ、タカ派色の強さが意識されました。日銀も7月30~31日の金融政策決定会合で政策金利を1.0%に据え置きましたが、中東情勢や原油高を理由に利上げ路線は維持する姿勢を示しました。同30日夜には、1ドル=163円台まで円安が進んだ局面で、政府・日銀が約3ヵ月ぶりとみられる円買い介入を行い、翌31日にかけては日米協調介入も行われたとされ、米ドル/円相場は157円台の円高となりました(さらに8月3日には一時155円21銭まで円高が進行)。ただし、中東を巡るドル買い需要は根強く、介入効果の持続性には見方が分かれます。

▶いま買われている米ドル建債券(既発債)

■米国国債(既発債)の人気ランキング

6月の米国国債(既発債)人気ランキングは、1位「米国国債4.125% 2027/9/30満期」(残存約1年3ヵ月、利回り3.919%)をはじめ残存期間が短めの銘柄が入る一方、2位に「米国国債5.000% 2046/5/15満期」(残存約19年10ヵ月、利回り4.688%)も入る構成でした。7月はこの構図が変化し、1位に「米国国債5.000% 2046/5/15満期」が浮上、利回りも6月の4.688%から5.030%まで上昇しました(図表1)※。また、新たに「米国国債5.000% 2056/5/15満期」(残存約29年10ヵ月、利回り5.022%)が4位にランクインし、6月に1位だった「米国国債4.125% 2027/9/30満期」は上位5銘柄から外れました。ランキングの変化だけから個々のお客さまの投資行動を特定することはできませんが、7月は金利上昇に伴い長期債の利回りを確保したいという投資家の関心が強まった可能性があります。

※7月の人気ランキングの利回りと残存期間は2026/7/31時点。

一方、残存約9ヵ月の「米国国債(ストリップス債) 2027/5/15満期」(2位、利回り3.755%)や残存約2年3ヵ月の「米国国債4.875% 2028/10/31満期」(3位、利回り4.078%)も引き続き上位に残り、残存約8年9ヵ月の「米国国債(ストリップス債) 2035/5/15満期」(5位、利回り4.444%)も継続してランクインしており、短期での運用ニーズと長期での値上がり狙いのニーズが併存していたとみられます。

■米ドル建社債(既発債)の人気ランキング

6月の米ドル建社債(既発債)人気ランキングは、1位「日本たばこ産業5.850% 2035/6/15満期」(コール条項※付き、初回コール日までの残存約8年8ヵ月、利回り4.710%)を筆頭に、三井住友信託銀行の3銘柄、丸紅(コール条項付き)が上位5銘柄を占め、いずれも残存期間2年8ヵ月~8年8ヵ月の中期・長期債でした。

※発行体が一定条件のもとで期限前償還できる権利を有する条項

7月も1位は引き続き「日本たばこ産業5.850% 2035/6/15満期(コール条項付き)」で利回りが6月の4.710%から4.980%まで上昇した一方、6月にランクインしていた三井住友信託銀行3銘柄と丸紅はいずれも上位5銘柄から外れました(図表2)※。新たに2位「中国電力5.742% 2035/1/14満期(コール条項付き)」、3位「NTTファイナンス5.110% 2029/7/2満期(コール条項付き)」、4位「武田薬品工業5.650% 2044/7/5満期(コール条項付き)」、5位「メタ・プラットフォームズ5.750% 2063/5/15満期(コール条項付き)」がランクインしました。

※7月の人気ランキングの利回りと残存期間は2026/7/31時点。

ランキングの変化のみから断定はできませんが、短期債から超長期債まで年限が大きく広がっており、長期の高い利回りを確保したい投資家の関心が表れた可能性があります。なお、7月の人気ランキング上位5銘柄は、すべてコール条項付き銘柄であり、期限前償還された場合、想定していた利金を得られない可能性や、再投資条件に影響が生じる可能性があるため、条項の内容を十分に確認する必要があります。

図表1 米国国債(既発債)の人気ランキング(2026年7月)

図表2 米ドル建社債(既発債)の人気ランキング(2026年7月)

今後の見通しと投資アイデア

■米国の金利見通し

米政策金利は、7月のFOMCで3.50~3.75%の据え置き(5会合連続)が決定され、次回のFOMCは9月15~16日の予定であるため、今後30日間は同水準の維持を基本線とします。ただし3人の地区連銀総裁が利上げを主張した経緯があり、原油高が続けばタカ派傾斜が強まる可能性があります。米国10年国債利回りは、中東の最終合意に向けた協議が進展すれば4.4~4.6%、対立再燃なら4.7~4.8%に上昇することが予想されます。米国2年国債利回りは、7月雇用統計の下振れを受けた利下げ観測の強まりで4.0~4.2%程度への低下余地があるものの、インフレの粘着性が意識されれば4.3%前後を維持する可能性もあります。

■米ドル/円相場の見通し

米ドル/円相場は、日米金利差と日本の財政拡張への懸念を背景に、円安地合いが残りやすいとみられます。もっとも、7月末の相場変動を踏まえ、市場では1ドル160円台後半以降で為替介入への警戒感が強まりやすいとみられます。中東情勢が悪化し原油高が進めば貿易赤字懸念も加わり円安方向への進行が考えられ、逆に米国とイランの交渉が進展すれば原油安・米金利低下観測から円高方向への戻りが想定されます。日銀の利上げ路線の継続は円の下支え要因です。以上を踏まえ、覆面介入を含めた為替介入が期間中になければ、想定レンジは155~163円程度になると予想されます。

■投資アイデア

今後も中東情勢の最終的な行方が見通しにくく、米国の金利政策にも不確実性が残ります。一方で、日米ともに債券利回りが上昇し、債券投資を検討しやすい環境だと考えられます。そこで、米国国債では、残存2~3年程度の短中期債で価格変動リスクを抑えつつ再投資余力を確保し、残存20~30年程度の超長期債を一部組み入れて高い利回りを確保する構成が考えられます。また、米ドル建社債では、投資適格の発行体で表面利率5%台の銘柄が、外貨ベースでの利金収入源を求めるニーズに合致しやすいと思われます。ただし、コール条項付き銘柄の場合は、期限前償還時の再投資リスクも検討しておく必要があります。

SBI証券で前月販売件数上位の米ドル建社債(販売中)を探す

ここでは「かんたん検索」を使って、前月販売件数上位の米国国債(販売中)を探してみます。

▶ SBI証券の外貨建 既発債券ページ

  1. SBI証券のトップページにアクセスし、PCの場合は「債券トップ」の左横のメニューから「外貨建」の「+(プラス)」でメニューを広げて、「既発債券」をクリックします(スマホの場合は「債券トップ」から上段メニューの「外貨建」を選び、ページ中央に表示される「既発債券」をクリックします)。
  2. 次に、検索条件の右に表示されている「かんたん検索」(図表3)から「前月販売件数上位 米国国債(販売中)※残存年数順」を選んでクリックします。

→この操作で、対象が6銘柄に絞り込まれました(2026年8月10日時点、図表4参照)。

便利な機能も活用しましょう

・気になる銘柄は「登録」しておくと、いつでもまとめて確認することができます。

・「試算」機能を使えば、外貨建債券の場合には、為替変動の影響を含め、購入後の損益をシミュレーションすることもできます。

SBI証券での債券取引の流れやお役立ち機能については、債券取引ガイドをご覧ください。

最後にひとこと

SBI証券で取り扱っている債券の銘柄や条件は、日々変わります。購入前には、必ず最新情報をWEBサイトで確認してください。

図表3 かんたん検索

図表4 前月販売件数上位 米国国債(販売中)※残存年数順(2026/8/10時点)

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【手数料等及びリスク】

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