アナリストが高評価の中小型好業績銘柄は?

アナリストが高評価の中小型好業績銘柄は?

投資情報部 鈴木 英之 栗本奈緒実

2022/12/14

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重要日程控えて小動き

12/6(火)~12/13(火)の東証マザーズ指数は1.5%上昇しました。同期間における日経平均株価のパフォーマンスは+0.2%、TOPIXは+0.8%であり、それらを上回りました。

同じ期間内に発表された米経済指標は、米国経済に強さが残り、インフレ圧力がくすぶり続けていることを示していました。12/5(月)に発表のISM非製造業指数は予想を上回り、その中の雇用指数なども回復しました。また12/9(金)に発表された11月PPI(生産者物価指数)も市場予想を上回りました。

ただ、12/13(火)に米CPI(消費者物価指数)の発表を、12/14(水)にはFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果発表を控え、基本的には様子見気分が強い状況でした。冒頭の期間、東証マザーズ指数は確かに、日経平均株価やTOPIXのパフォーマンスを上回りましたが、前回はアンダーパフォームしていたので、その反動に過ぎない面が強かったとみられます。

テクニカル的には、東証マザーズ指数は25日移動平均線を12/8(木)に1日だけ割り込んだ(終値)ものの、その後は維持しており、強気トレンドが維持されている形です。

図表2の銘柄の中では、会員制転職サイトを展開するビジョナル(4194)が堅調に推移しました。特に目立った材料が出た訳ではないですが、2023/7期・第1四半期の決算発表を12/14(水)に控え、期待が集まった可能性がありそうです。医薬品開発を手掛けるそーせいグループ(4565)も上昇しました。12/13(火)の取引開始前に「マイルストン*を1千万ドル受領し、10~12月期の売上高に計上する」と発表したことが好感されました。

図表3の銘柄の中では、治療用アプリの開発等を手掛けるサスメド(4263)の上昇が目立ちました。厚生労働省が5日、薬事・食品衛生審議会(12/8)において、サスメドの不眠症治療アプリの製造販売承認の可否を審議すると発表し、承認を期待した買いが入り、12/6(火)~12/12(月)に5営業日続伸しました。

*新規医薬品の開発、承認等の進展に伴って支払われる一時金。

図表1 日経平均株価と東証マザーズ指数の推移

図表2 主な東証マザーズ指数構成銘柄の値動き

図表3 12/6(火)~12/13(火)で株価上昇が大きかった東証マザーズ指数構成銘柄

アナリストが高評価の中小型好業績銘柄は?

前回ご説明した通り、近年、12月の東証マザーズ指数は冴えない傾向にあります。その要因のひとつとしては、この月にIPO(新規上場)が多いことが考えられます。昨年は東証に123社がIPO(テクニカル上場、TOKYO PRO Marketを除く)しましたが、うち32社が12月にIPOしました。本年は昨年ほどではないですが、24社が12月にIPOを予定しており、年間では88社になる見込みです。IPOが多いと、投資資金が新しい銘柄に流れやすくなり、既存の銘柄が注目されず、安値で放置されるケースが増えてくるとみられます。

ただ、逆にいえば、12月は既存の中小型株に投資するチャンスかもしれません。現在であれば、2023年以降までも見据えた中長期のスタンスに立ち、成長が期待できる銘柄に投資するチャンスかもしれません。そこで、今回の「新興株ウィークリー」では、中長期スタンスでの投資に適していると考えられる中小型銘柄をご紹介したいと思います。紹介銘柄の条件は以下の通りで、SBI証券企業調査部が投資判断を「買い」としている銘柄に絞りました。

(1)東証グロース、またはスタンダード市場に上場

(2)SBI証券企業調査部アナリストの調査対象銘柄

(3)今期、来期、再来期にアナリストが営業増益を予想

(4)レポート作成月日が11/15(火)~12/9(金)

(5)レポート作成時点での投資判断が「買い」評価の銘柄

図表4の銘柄は上記の条件をすべて満たしています。掲載は、アナリストレポート作成の新しい順となっています。次項では、掲載銘柄について、ポイントをご説明します。

図表4 アナリストが高評価の中小型好業績株

取引 チャート ポートフォリオ コード 銘柄名  直近値(12/13) レポート日付 目標株価
4816 4816 4816 4816 東映アニメーション 14,250 12月6日 17,780
4970 4970 4970 4970 東洋合成工業 8,690 12月5日 19,000
7320 7320 7320 7320 日本リビング保証 2,372 12月2日 3,350
4071 4071 4071 4071 プラスアルファ・コンサルティング 2,801 11月25日 5,200
4475 4475 4475 4475 HENNGE 1,227 11月22日 3,200
  • ※Bloombergデータ、SBI証券企業調査部アナリストレポートをもとに、SBI証券投資情報部が作成。
  • ※投資判断、および目標株価はレポート作成時点のもので、今後予告なく変更される可能性があります。
  • ※HENNGE(4475)は12/14(水)時点で「貸株注意喚起」銘柄に指定されていますので、ご注意ください。

以下、掲載銘柄について、ポイントをご紹介します。

■東映アニメーション(4816)

当社はアニメーションを製作し、その映像を各種メディアに販売し、また同時にその著作権をもとに、版権事業や関連事業をおこなっています。売上構成比(2022/4~9期)は「映像製作・販売事業」が46.8%、「版権事業」が48.1%ですが、営業利益の68%は後者から稼ぎ出されています。

自社でアニメ製作スタジオを有し、約74年アニメ映像作品を製作し続け、ほぼ全世代向けの作品を網羅しています。劇場作品258本、テレビ作品231本、総話数13,300話にのぼり、国内最大、世界でも有数のコンテンツ数(22/3末)を有していることが当社の強みとみられます。これらを定期的にリバイバルすることで収益をあげています。クールジャパンの追い風等もあって、世界各国で当社のコンテンツが配信され、スマートデバイスやゲーム等、伝達手段も多様化しています。海外売上構成比は12/3期8.9%から22/3期は62.6%まで上昇し、当社に成長をもたらしています。

10/27(木)に発表の2022/4~9期決算では、売上高が前年同期比42.7%増、営業利益が同27.4%増となりました。2023/3期(通期)の会社予想営業利益は235億円(前期比29.8%増)です。SBI証券(12/6付レポート)では240.55億円(同32.8%増)と予想し、その後も24/3期243億円超、25/3期262億円超を予想しています。目標株価を前回15,670円から17,780円に引き上げ、投資判断は買いを継続しています。

2022年12月6日付「世界中で日本アニメが人気、同社収益に追い風が続く」では

投資判断:買い(継続)    目標株価:17,780円(15,670円から引き上げ) となっています

■東洋合成工業(4970)

当社の売上高構成比(2022/4~9期)は「感光性材料事業」が約60%、「化成品事業」が約40%ですが、営業利益の構成比(同)では前者が67%、後者が33%となっています。このうち、「感光性材料事業」では、半導体製造工程において、シリコンウェアにフォトマスクから転写された回路を成型する時に使われるフォトレジストという薬品向けに感光材を供給しており、この分野では世界シェアトップを占めています。なお、当社製品はパネルメーカー向けにも提供されています。

2022/4~9期の売上高は175.5億円(前年同期比11.7%増)、営業利益28.5億円(同20.4%増)となりました。「感光性材料事業」および「化成品事業」とも伸長しました。ただ、PC、スマホ、フラットパネル等に向けた感光材が低調で、その影響が続くとみられることから、2023/3期の会社予想売上高は下方修正されました。それでも利益率の高い先端品の伸びが想定され、会社予想営業利益は修正なしの51.5億円(前期比11.4%増)が予想されています。ただ、SBI証券企業調査部による予想営業利益はやや引き下げられました。

SBI証券企業調査部は上半期の決算発表に対し、ポジティブな印象をもったとのことです。微細加工分野で独占的なEUV(極端紫外線)向けPAG(光酸発生材)の競争力が高そうなことを理由に挙げています。12/5付レポートでは、SBI証券の予想利益引き下げを反映し、目標株価を20,000→19,000円に引き下げましたが、感光性材料の成長期待に変化はなく、投資判断は「買い」が継続されました。

2022年12月5日付「半導体微細化で成長期待は不変だが、FPD 用部材の低迷 を考慮し予想を微調整」では

投資判断:買い(継続)    目標株価:19,000円(20,000円から引き下げ) となっています。

■日本リビング保証(7320)

保証サービス事業をメインに活躍する企業です。住宅事業者や住宅オーナー向けに、住宅設備機器の長期保証サービス等を提供しています。近年では、不動産領域以外でも、太陽光発電・蓄電システム等の再生可能エネルギー領域から、小中学校などの教育機関向けのタブレットやノートPCといった教育ICT領域まで保証サービスを展開しています。

11/11(金)に発表された今期(2023/6期)第1四半期決算では、期初計画通りの売上高8.3億円(前年同期比6.8%減)と営業利益1.3億円(同59.6%減)を達成。前年同期比でマイナスとなった要因には、今後の事業拡大のためのシステム投資・人材採用を積極化したことによるコスト増を挙げています。他にも、前年同期(2022/6期)は政策での一環で、小中学校におけるICT機器の一斉導入があったため、反動減となった模様です。

2022年12月2日付 「ExtendTech事業好調が基盤強化投資コストを吸収」 では

投資判断:買い(継続)    目標株価:3,350円(3,850円から引き下げ) となっています。

■プラスアルファ・コンサルティング(4071)

ビッグデータを活用したクラウドサービスを提供しています。現代社会では、あらゆるシーンで情報量のデジタル化が進み、その量も爆発的に増えています(ビッグデータ化)。ビッグデータを実務に役立つ形で可視化する高い技術力が当社の強みです。当社サービスでは、SNSやアンケートに書き込まれたテキストを分析するテキストマイニングサービス「見える化エンジン」等が有名で、企業のマーケティング戦略等に生かされています。他には、あらゆる人材情報を一括で管理できる「タレントパレット」は大手・中堅企業(社員数300人以上)への売上高シェアNo.1を誇っています。事業別売上高構成比では、タレントパレット事業が約60%、見える化エンジン事業は約27%を占めています(2022/9期時点)。

11/14(月)に発表された前期本決算(2022/9期)では、売上高79億円(前期比29.3%増)、営業利益26億円(同26.4%増)と堅調な結果を示しました。企業のデジタル化や業務の自動化・効率化への取り組みが続いたことで、当社サービスのように、それらを支援するソフトウェアについて高い需要が維持されたとしています。今期(2023/9期)に関しても、前期同様の高い需要が維持するとして、売上高106億円(前期比34.0%増)、営業利益34億円(同27.6%増)と順調な業績成長を見込んでいます。

2022年11月25日付「実績及び中計修正内容を踏まえ投資判断「買い」継続 」では

投資判断:買い(継続)  目標株価:5,200円(4,000円から引き上げ) となっています。

■HENNGE(4475)

1つのアカウント(ID・パスワード)で、様々な各クラウドサービスに簡単にログインできる「HENNGE One」を提供する企業です。メールの暗号化や保管、アクセス制限機能等といった情報漏洩対策機能も備えており、昨今話題のサイバーセキュリティ関連株の一角でもあります。同社サービスでは、サブスクリプション・サービス型の料金体系が中心のため収益が安定的です。

11/11(金)に発表された前期(2022/9期)本決算では、売上高56.4億円(前期比16.7%増)、営業利益4.6億円(同8.2%増)となりました。利益は2020/9期に新型コロナの流行による特需で急増した反動で、前々期(2021/9期)は落ち込んでいたのですが、前期に回復を示した形です。今期(2023/9期)見通しは、積極的に人員確保をしつつ、売上高67.2億円(前期比19.1%増)、営業利益5.6億円(同21.3%増)になるとしています。なお、今期利益は2020/9期を超え過去最高となる予想です。

2022年11月22日付「価格改定を実現しその先の期待値を上昇させてほしい」 では

投資判断:買い(継続)    目標株価:3,200円(3,000円から引き上げ) となっています。

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