レーザーテックに続け!?好業績期待の中小型半導体関連銘柄10選

レーザーテックに続け!?好業績期待の中小型半導体関連銘柄10選

投資情報部 鈴木 英之 栗本奈緒実

2023/12/13

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レーザーテックに続け!?好業績期待の中小型半導体関連銘柄10選

12月相場が始まりました。一時に比べ米長期金利の水準が下がったことや、植田総裁発言等を背景に、円高・ドル安が進み、日経平均株価が下げる日の多い展開になりました。東証グロース市場指数も足元は下落基調です。円高で輸出株を含むグロース株が買われにくくなった影響を受けました。

今後はどうなるのでしょうか。米国経済の余熱が次第に弱まり、グローバル経済が曲がり角を迎える中、欧米では金利低下が進む可能性が大きそうです。物色的には、金利上昇に弱く、金利低下に強いとされるグロース銘柄が相対的に買われやすくなると予想されます。したがって、東証グロース市場も、2023年に比べ2024年の方が、上昇しやすい投資環境になると想定されます。

こうした投資環境も考慮し、今回の「新興株ウィークリー」では、中小型の半導体関連銘柄を特集します。東証プライム市場では、半導体関連銘柄であるレーザーテック(6920)が、売買代金のトップ近辺を走り続ける展開で、しかも12月に入り年初来高値を取りに来ています。ボリューム面はともかく、パフォーマンス面で同社に続く中小型株の登場を期待したいところです。

半導体関連銘柄はグロース銘柄の一角と意識されており、金利低下局面は追い風になるとみられます。世界の半導体関連銘柄の指標的存在であるフィラデルフィア半導体(SOX指数)は12/12(火)時点で52週高値の水準にあります。そして何よりも、WSTS(世界半導体統計)から発表される世界半導体出荷が9月・10月と前年同月比でプラスに転じてきています。昨年の今頃は前年同月比で6割前後減っていたDRAMやNAND等のメモリでさえも、プラスに転じてきました。在庫調整が進捗し、半導体市場は底入れした可能性が大きそうです。

今回のスクリーニング条件は以下の通りです。

(1)SBI証券の銘柄検索ウィンドウに「半導体」と入力し、出力される銘柄

(2)事業内容に半導体に関連したビジネスを確認できる銘柄

(3)東証スタンダード市場、または東証グロース市場に上場

(4)12/11(月)まで20営業日の1営業日当たり平均出来高が2万株以上

(5)以下のいずれかの条件を満たし、業績の底入れ・拡大が期待できること

 ・10月以降に、通期または上半期の業績予想修正を公表。または当初予想を上振れ

 ・直近四半期の営業利益が前期比・前年同期比でも増益

図表の銘柄は、上記の条件をすべて満たしています。掲載はコード番号順です。

【参考】 日経平均株価と東証グロース市場指数の推移

【参考】 12/5(火)~12(火)で株価上昇が大きかった東証グロース市場指数構成銘柄

■図表 レーザーテックに続け!?好業績期待の中小型半導体関連銘柄10選

取引 チャート ポートフォリオ コード 銘柄名  株価
(12/11・終値)
半導体関連事業および業績に関する概要
1966 1966 1966 1966 高田工業所 1,397 半導体ウエハー洗浄装置。通期予想営業利益を上方修正(16億円→21.8億円)
3321 3321 3321 3321 ミタチ産業 1,078 エレクトロニクス商社で各種半導体を取り扱う。中間の予想営業利益を上方修正(5億円→8.5億円)
3652 3652 3652 3652 ディジタルメディアプロフェッショナル 2,544 ファブレス半導ベンダー。遊戯機向け好調。通期予想営業利益を上方修正(1.5億円→2.4億円)
3878 3878 3878 3878 巴川製紙所 895 リードフレーム固定用テープで高シェア。2Q営業利益が当初予想を上振れ
6614 6614 6614 6614 シキノハイテック 2,340 アナログ・デジタル双方のLSIを設計・開発。2Q営業利益が前Q比・前年比ともに増益
6627 6627 6627 6627 テラプローブ 5,650 半導体ウエハテスト、ファイナルテストの受託事業を展開。3Q営業利益が前Q比・前年比ともに増益
6668 6668 6668 6668 アドテックプラズマテクノロジー 1,524 半導体製造に不可欠な「プラズマ用高周波電源」を開発・製造。23.8期営業利益は事前予想を上振れ
6862 6862 6862 6862 ミナトホールディングス 1,456 メモリーモジュール事業が主力。通期予想営業利益を上方修正(9億円→11.7億円)
6882 6882 6882 6882 三社電機製作所 1,234 パワー半導体をもつ電源機器専門メーカー。通期予想営業利益を上方修正(20億円→25億円)
6927 6927 6927 6927 ヘリオステクノホールディングス 504 半導体・機械製造の会社を子会社化。通期予想営業利益を上方修正(7億円→11.3億円)
  • ※Bloombergデータ、会社公表データをもとにSBI証券が作成。
  • ※業績予想上方修正については、修正理由が必ずしも半導体事業によるものとは限りませんので、ご注意ください。
  • ※「ウェハ」「ウエハー」の表記については、掲載企業の使用している表記を用いています。

一部掲載銘柄を詳細に解説!

■ディジタルメディアプロフェッショナル(3652)~ファブレス半導体ベンダー。パチンコ機、パチスロ機向けが好業績を牽引

★日足チャート(6ヵ月)

  • ※データは2023/12/13(日足)11:30時点。
  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

★業績推移(百万円)

  • ※当社Webサイトの業績表示ツールをもとに、SBI証券が作成。

■ファブレス(工場を持たない)半導体ベンダー

大学発の研究型ファブレス(自社工場を持たない)半導体ベンダーです。精細な画像を描画するために必要なIPを開発し、半導体メーカーや半導体が組み込まれた最終製品メーカー(ゲーム機器メーカー等)に提供しています。

世界有数のGPU IPベンダーとして業界No.1のコンパクトさ、低消費電力、高性能が実証された最先端のIPを提供。任天堂ゲーム機、デジタルカメラ、プリンターなど幅広い採用実績があります(同社資料より)。

SoC*の開発・提供も行っています。強みであるグラフィック技術を用い、パチンコ機、パチスロ機(アミューズメント市場)向けでは、臨場感あふれる美しい映像を映し出すことを可能にしています。

*SoC ▷ GPUなどを含んだ集積回路

足元では、アミューズメント分野による業績貢献度が向上。2023年はスマートパチスロや6.5号機の導入等の追い風がありました。前期(23.3期)は、アミューズメント分野が、全売上高構成比の84%に達しています。

■アミューズメント分野での業績好調つづく

今期2Q(23.4-9期)累計までの業績は、中間期として過去最高の売上高を更新。また、中間期までは赤字に沈むことが多かった各利益も黒字転換となりました(左図参照)。前述のアミューズメント市場向けの画像処理半導体が牽引したほか、利益率の高いIPコアライセンス事業もGPU関連が好調でした。

堅調な業績推移を受け、通期計画の上方修正を実施。会社予想売上高は26億→29億円(13.5%増)、予想営業利益は1.5億円→2.4億円(60%増)となりました。3Q以降もアミューズメント分野での伸長が見込まれている模様です。修正後、2Q時点での各利益項目の通期計画に対する進捗率は50%超です。

同修正直後、株価は窓を開けての大幅高となり12/12(火)時点では、上昇幅の半分程度下げた状態です。3Q決算発表で再び通期計画の上昇修正があれば、再び3,000円以上に浮上する期待感も持てるでしょう。

■テラプローブ(6627)~半導体「テスト」の受託に特化し、半導体出荷額の回復は追い風か?

日足チャート(6ヵ月)

  • ※データは2023/12/12(日足)11:30時点。
  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

★業績推移(百万円)

  • ※当社Webサイトの業績表示ツールをもとに、SBI証券が作成。

■半導体の「テスト」に特化

半導体製造工程における「ウエハテスト」と「ファイナルテスト」を受託する企業です。

一般的に半導体の製造工程は、ウエハ(※1)上にチップを作り込む「前工程」と、半導体チップを組み立ててパッケージングする「後工程」に分けられます。

「前工程」において、ダイシング(切り離し)前のウエハ状態で、ウエハ上の半導体チップの良品・不良品を判断することを「ウェハテスト」といいます。また、「後工程」において組立て終了後のパッケージ状態で設計通りに機能するか、外観はどうか検査することを「ファイナルテスト」といいます。同社はその双方に対応できる企業です。

2005年の創業後は、エルピーダメモリ、キングストン、および台湾PTI社(Power Technology Inc)等の出資を受け、DRAMのテスト事業からスタートし、一時はエルピーダメモリの連結子会社でした。その後は、テストする半導体の種類を広げ、現在は台湾PTI社のグループ会社になっています。

強みは、(1)国内最大級のテストハウス、最新のテスタラインナップを有している、(2)豊富なテスト装置を有し、各種半導体に対応可能、(3)テストサービス専業として、豊富な経験と技術を有する、となっています。

車載向けに強いルネサスエレクトロニクス(6723)の売上高が全体の35.5%(22.12期)を占めています。

※ウェハ・・・シリコンウェハ。単結晶シリコンの塊(インゴット)から薄く切り出された円盤状のものの表面を研磨した薄い板で、半導体チップを製造するための直接材料

■車載向け比率が高く業績は安定成長の傾向

業績は堅調です。23.12期3Q(7~9月期)の売上高は91億円(前四半期比6%増、前年同期比5%増)、営業利益19億円(同21%増、8%増)となりました。

四半期単位では、19.12期2Qの売上高38億円をボトムに徐々に売上高を増やしてきました。自動車の電装化が進む中で車載向け半導体のテスト比率が増えてきたことが成長の要因とみられます。23.12期3Qも前四半期に落ちていた車載向け(構成比は48%)の回復が業績に寄与しました。

23.12期は売上高350億円(前期比5%増)、営業利益70億円(同2%増)が会社予想。2Q決算発表時点での予想から営業利益は2.7億円上方修正されています。

世界的な半導体出荷額の底入れを背景に、業績は短期的な調整から再び、成長軌道を回復すると期待されます。

株価は25日移動平均を下値支持ラインとして固める展開とみえます。会社予想EPS(1株利益)401.23円に対し、12/12終値5,510円なので予想PERは13.7倍と、東証スタンダード市場の予想PER(12/12・14.3倍)を下回っており、割安感が強いとみられます。

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