今が買いどき⁈上方修正期待の中小型株

今が買いどき⁈上方修正期待の中小型株

投資情報部 鈴木 英之 栗本奈緒実

2024/05/08

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今が買いどき⁈上方修正期待の中小型株

大型連休が明けました。5/7(火)の日経平均株価終値は前月末比1.1%と反発しました。一時37,000円台を割り込んだ4/19(金)をボトムとする反発局面が続いています。FOMC(米連邦公開市場委員会)後の記者会見(5/1)で、パウエルFRB議長が利上げに否定的な発言を行ったこと、ISM製造業景況指数(5/1)が下振れたこと、米4月雇用統計(5/3)で、雇用者数や賃金上昇率が市場予想を下回ったこと等を背景に、米長期金利の上昇が一服したことが反発につながりました。

こうした中、東証グロース市場指数は5/7(火)時点で前月末比1.3%上昇し、日経平均株価のパフォーマンスを若干上回りました。グロース株にとって逆風だった米長期金利の上昇が一服し、グロース株が買われやすくなりました。年初来の株価騰落率は、日経平均株価の+16.0%に対し、東証グロース市場指数は-5.6%と下げており、東証グロース市場の出遅れ感は引き続き大きくなっています。

今後はどうなるのでしょうか。数少ない経済指標が市場予想を下振れたからといって、米経済のピークアウトを読み込むのは早計かもしれません。ただ、市場が「利上げもあり得る」方向で織り込みを進めるなど、やや引き締め長期化に前のめりだった面も否めません。米10年国債利回りはチャート的に天井感がみられ、米長期金利の上昇圧力は弱まる可能性もありそうです。

少なくとも、好業績期待銘柄に絞って、そろそろ中小型株の投資タイミングを図ってもよい頃かもしれません。そこで今回の「新興株ウィークリー」では、決算発表本格化を控え、好業績が期待される銘柄を抽出すべく、以下のスクリーニングを行ってみました。

(1)東証グロース市場、または同スタンダード市場に上場

(2)6月決算、または9月決算銘柄

(3)5/2(木)までの20営業日で1日当たり平均出来高が2万株以上

(4)決算発表予定日が5/10(金)~5/15(水)

(5)直近四半期累計(6月決算銘柄:23.7~12期、9月決算銘柄23.10~12期)営業利益が以下の条件を満たしている。

   ・営業黒字額が1億円超

   ・前年同期比で黒字転換、または20%超の増益率で同増益率が通期会社予想営業増減率を上回る

   ・通期会社予想営業利益に対する進捗率が6月決算銘柄の場合50%超、9月決算銘柄の場合25%超

   ・上記進捗率が前年同期の進捗率(対前期営業利益)を上回っていること

(6)取引所または日証金による信用規制・注意喚起銘柄を除く

図表の銘柄は、上記(1)~(6)の条件をすべて満たしています。掲載は四半期営業増益が大きい順(黒字転換が最上位)です。なお、上方修正期待の中小型株について、4/24(水)付「新興株ウィークリー」で3月決算銘柄を対象にしたため今回は、同決算月銘柄を分析対象外としました。また、(4)の期間に発表が予定される四半期が第1四半期の12月決算銘柄については、進捗率が計れないためこちらも分析対象外としました。

【参考】 日経平均株価と東証グロース市場指数の推移

【参考】  4/30(火)~5/7(火)で株価上昇が大きかった東証グロース市場指数構成銘柄

■図表 今が買いどき⁈上方修正期待の中小型株

取引 チャート ポートフォリオ コード 銘柄名  株価
(5/7終値)
四半期累計
営業増益率
今期予想
営業増益率
1789 1789 1789 1789 ETSホールディングス 700 黒字転換 21.6%
1431 1431 1431 1431 Lib Work(6) 743 328.5% 97.2%
4475 4475 4475 4475 HENNGE 1,110 309.4% 33.5%
7069 7069 7069 7069 サイバー・バズ 2,620 250.9% 20.1%
6176 6176 6176 6176 ブランジスタ 617 141.7% 32.4%
6327 6327 6327 6327 北川精機(6) 803 129.1% 3.3%
4767 4767 4767 4767 テー・オー・ダブリュー(6) 373 100.8% 51.9%
3856 3856 3856 3856 Abalance(6) 1,984 94.6% 16.5%
7066 7066 7066 7066 ピアズ 1,055 86.4% 17.3%
4051 4051 4051 4051 GMOフィナンシャルゲート 7,870 71.9% 25.9%
6547 6547 6547 6547 グリーンズ(6) 2,323 57.4% 27.1%
7819 7819 7819 7819 粧美堂 580 37.8% 15.0%
  • ※Bloombergデータ、会社公表データをもとにSBI証券が作成
  • ※四半期累計営業増益率は前年同期との比較
  • ※今期予想営業増益率は会社予想

一部掲載銘柄を詳細に解説!

■HENNGE(4475)~クラウド利用時の障害を取り除くサービスを展開。株価下落で「課題」の織り込みが進捗?

★日足チャート(6ヵ月)

  • ※データは2024/5/8 (日足)10:30時点。
  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

★業績推移(百万円)

  • ※当社Webサイトの業績表示ツールをもとに、SBI証券が作成。

■クラウド利用時の障害を取り除くサービスをワンストップで提供

クラウドセキュリティーサービス「HENNGE One」等を提供しています。

同サービスは、単一のID・パスワードで複数のクラウドサービスに、横断的にログインできる利便性をもちつつ、アクセス制限、誤送信対策他、セキュリティ機能も備えているのが特徴です。

23.12末現在、大手企業を中心に2,678社、240万人弱が利用しています。同社事業は基本的にサブスクリプションビジネスで、当期中に獲得された契約は解約(解約率は24.9期1Q=0.30%)されない限り積み重なって、次期以降の業績に寄与が期待されるという特徴があります。

■株価下落で課題の織り込みが進捗?

24.9期1Q(2/9発表)の売上高は19.1億円(前年同期比23%増)、営業利益3.8億円(同309%増)と順調です。

主力の「HENNGE One」事業において、契約企業数が前年同期比15%増えた他、契約ユーザー数が同2.5%増、ARR(年間経常収益)が23%増えました。広告宣伝費を前年同期比1億円弱抑制したこともあり、営業利益が大幅に増加しました。

24.9通期の会社予想売上高は83億円(前期比22%増)、営業利益は9.4億円(同33%増)です。1Q営業利益の通期会社計画に対する進捗率は40%となっており、おおむね順調に推移しているといえそうです。

なお、当社についてはSBI証券企業調査部が調査対象としています。同部では、近年の成長は値上げに依拠する部分が多いとの評価です。再び値上げによるARPU(月額使用料)の上昇が見込まれる24.9期~26.9期は利益が出やすいとして、営業利益について24.9期12.9億円、25.9期23.5億円、26.9期27.6億円を予想しています。

ただ、課題もありそうで「中長期的な成長のためにはユーザー数の成長率加速が不可欠」と同部ではみています。2/26付レポートでは、目標株価を1,800円、投資判断を「買い→中立」としていました。

株価は2/14の高値1,753円から5/7には1,170円と大きく下げており、「課題」の織り込みは進捗しつつあるのかもしれません。

24.9期2Qの決算発表は5/10(金)の予定です。

■粧美堂(7819)~販路を有する化粧品・雑貨メーカー。「ちいかわ」商品も販売。次回決算発表で上方修正に期待?

★日足チャート(1年)

  • ※データは2024/5/8 (日足)10:30時点。
  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

★業績推移(百万円)

  • ※当社Webサイトの業績表示ツールをもとに、SBI証券が作成。

■販路を有する化粧品・雑貨メーカー。多数の人気キャラクターのライセンサー

第2次世界大戦直後の1948年(昭和23年)に大阪で創業。「戦後の日本は豊かになり、化粧道具が必要になる」との創業者の信念を背景に、問屋業から始まった会社です。

時代の潮流に合わせ業態を変化させてきました。卸売業から、徐々にメーカーとしての機能を充実。現在は、自社グッズとOEM*で化粧品や雑貨などをメインに扱うメーカーとなっています。全売上のうち、自社企画製品が83%を占めています(23.9期)。

*「Original Equipment Manufacturing(Manufacturer)」=他社ブランド製品の製造を担う

前述の沿革から、販路を持ったメーカーとしての強みを有します。そのため企画・製造・販売を一手に担えることから、キャラクターとのライセンス(商品化許諾権)を取得。「ディズニー」や「サンリオ」、「ポケットモンスター」など世界中で人気を博す、有名キャラクターが多数です。大人気「ちいかわ」関連の商品も、同社ECサイト内だけでも売り切れが続出しています。

ダイソー、セリア、ドン・キホーテ、しまむら、ロフトなどの小売業態トップ20社を重点販売先として、集中してリソースを投下するという戦略を掲げています。

■次回決算発表で上方修正に期待?

前期(23.9期)は売上高204億円(前期比18%増)、営業利益8.6億円(同36%増)と3期連続増収と営業増益を達成。急激な円安進行(22.9期比で16円の円安)が大きな減益要因となりました。しかし、販売単価上昇や販売数の増加で対応することができました。

24.9期1Q(23.10‐12月期)は売上高52億円(前年同期比7%増)、営業利益3.3億円(同37%増)と増収増益です。通期会社計画に対する営業利益の進捗率は33%超と順調です。前期に続き円安の進行や販管費などの増加が重しなった一方で、化粧品事業と化粧雑貨事業で重点販売先への営業強化が販売増につながりました。「ちいかわ」などのキャラクター商品を含めた高付加価値化の進展の引き続き注力していくとしています。

前回決算発表を受け、株価は右肩下がりの傾向です。直近決算発表で頻繁に行われていた通期計画の上方修正が行われず、失望感が広がったと想定されます。また、円安が嫌気された面もありそうです。

24.9期2Q決算発表は5/13(月)の予定です。

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