アメリカNOW! 今週の5銘柄 ~1-3月期の好決算銘柄をご紹介、アルファベット、イーライリリィ、ネットフリックスほか~

アメリカNOW! 今週の5銘柄 ~1-3月期の好決算銘柄をご紹介、アルファベット、イーライリリィ、ネットフリックスほか~

投資情報部 榮 聡

2024/05/13

先週は4月雇用統計で示された雇用市場の落ち着きが、新規失業保険申請件数でも確認されたことから、米10年国債利回りが4.5%前後でのもみ合いとなり、株式相場を押し上げました。今週の株価材料として、4月物価指標、4月小売売上高、「Google I/O」、などが注目されます。

今回は1-3月期決算の発表を挟んで通期EPSの修正率が大きい銘柄から、アルファベット A(GOOGL)イーライ リリィ(LLY)ネットフリックス(NFLX)アマゾン ドットコム(AMZN)ゼネラル モーターズ(GM)を選んで今週の5銘柄といたします。

図表1 S&P500指数の一目均衡表(日足、3ヵ月)

景気・雇用市場の鈍化を示唆する指標を受けて、一目均衡表の「雲」の上に出てきました。当面、「雲」の上限が下値支持として機能しそうです。

※当社WEBサイトを通じてSBI証券が作成

図表2 業種別指数騰落率・個別銘柄騰落率

S&P500業種指数騰落 5日 1ヵ月 3ヵ月
公益事業 4.0% 10.8% 18.9%
金融 3.1% 4.3% 8.0%
素材 2.6% 2.1% 11.1%
生活必需品 2.3% 5.8% 7.2%
資本財・サービス 2.3% 2.2% 8.3%
不動産 2.0% 1.4% 0.3%
コミュニケーションサービス 2.0% 0.9% 7.9%
ヘルスケア 1.9% 3.3% 0.4%
S&P500 1.9% 1.9% 5.4%
情報技術 1.4% 0.3% 3.6%
エネルギー 1.4% -2.5% 12.8%
一般消費財・サービス 0.2% 0.6% 2.7%
騰落率上位(5日) 騰落率
エマソン・エレクトリック 8.5%
ブッキング・ホールディングス 6.4%
コストコホールセール 5.8%
ネットフリックス 5.4%
メタ・プラットフォームズ 5.4%
騰落率下位(5日) 騰落率
テスラ -7.0%
ウォルト・ディズニー・カンパニー -6.9%
ペイパル・ホールディングス -4.2%
フォード・モーター -3.5%
インテル -3.4%

注:個別銘柄の騰落率上位、下位はS&P100指数が母集団です。銘柄名はBloombergの表記により、当社WEBサイト・本文中の表記と異なる場合があります。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

先週の米国株式市場

S&P500指数は週間で1.9%、ダウ平均は2.2%、ナスダック指数は1.1%の上昇となりました。S&P500指数は3週連続の上昇です。

5/3(金)は4月雇用統計の非農業部門雇用者数が雇用市場の鈍化を示し、また、アップルの1-3月期決算が懸念されたほど悪くなかったことで大幅に上昇、強い1-3月期雇用コスト指数で下げた分を全部取り戻しました。5/6(月)も週末の流れが継続して大幅続伸でした。

5/7(火)、5/8(水)のもみ合いを経て、5/9(木)は新規失業保険申請件数が予想を上回って雇用市場の鈍化を示唆したことから株価は上昇、S&P500指数は約1ヵ月ぶりに5,200ポイント台を奪回しました。

企業決算では、市場での注目度が高いビッグデータ分析のパランティアテクノロジーズ、ウォルトディズニー、半導体設計のアームホールディングスなどがいずれも市場の期待に沿えず、決算を受けて株価が下落するものが多かった印象ですが、市場全体へのインパクトは限定されました。

業種指数は、「公益事業」が5日で4.0%、1ヵ月で10.8%、3ヵ月で18.9%の上昇と物色が継続しています。公益事業業種の1-3月期EPSは市場予想を上回って着地し、上振れの程度が全11業種の中でもコミュニケーションサービスに次いで大きくなりました。さらに、生成AI向けにデータセンターが増設されていることから、将来の電力需要拡大に期待して、AI関連との目線で物色する向きもあるようです。

過去5日の公益事業指数に対するプラス寄与上位銘柄は、再生可能エネルギーが大きいネクステラ エナジー(NEE)、原子力発電に特徴があるコンステレーション エナジー(CEG)ビストラ(VST)などで、業種全体に投資するにはバンガード 米国公益事業セクター ETF(VPU)もあります。

個別株では、工業機器大手のエマソン エレクトリック(EMR)が上昇トップでした。5/8(水)に発表の1-3月期決算が堅調で、通期の調整後EPSを引き上げた(5.30~5.45ドルから5.40~5.50ドル)ことが好感されました。

今週の米国株式市場

S&P500指数は一目均衡表の「雲」を上抜けてきたことから、「雲」の上での堅調な推移が想定できそうです。

今週の株価材料として、4月物価指標、4月小売売上高、「Google I/O」、などが注目されます。

ここ1ヵ月は「インフレの下がりにくさ」と「政策金利の高止まり」が意識されてきましたが、4月の物価指標がこれを変化させることができるか注目されます。

5/14(火)の4月生産者物価指数(総合指数は前年比+2.2%の予想、前月は同+2.1%、コア指数は前年比+2.3%の予想、前月は同+2.4%)です。5/15(水)の4月消費者物価指数(総合指数は前年比+3.4%の予想、前月は同+3.5%、コア指数は前年比+3.6%の予想、前月は同+3.8%)です。

米小売売上高は2月前月比+0.9%、3月+0.7%と強い数字が続き、下がりにくいインフレの背景になっていると捉えられています。4月が予想通りの同+0.4%に落ち着くなら、相場にポジティブに作用する可能性がありそうです。最近の小売企業や消費財企業の決算では、個人消費の鈍化を示唆するコメントが増えている印象です。

「Google I/O」はアルファベット傘下グーグルの年次開発者会議で、5/14(火)に開催されます。同社は人工知能(AI)関連の社内リソースが米大手テクノロジー企業の中でも最も分厚いと考えられており、AI関連の事業展開に関する情報が注目されます。

経済指標では上記のほか、5/15(水)にユーロ圏の1-3月期実質GDP(前年比年率+0.3%の予想)、5/16(木)に日本の1-3月期実質GDP(前期比年率-1.3%の予想)、米国の4月住宅着工件数(前月比+7.5%の予想)、住宅建設許可件数(前月比+0.9%の予想)、などの発表が予定されています。

今週の5銘柄

今回は1-3月期決算が好調だったものをご紹介いたします。

米国株の主要銘柄からなるS&P100指数採用銘柄を対象に、4/12(金)から5/8(水)までに1-3月期決算を発表した84銘柄から、通期予想EPSの修正率(過去4週)が高い10銘柄を図表4にリストアップしました。

EPSの修正要因と目標株価との乖離率を勘案して注目できるものとして、アルファベット A(GOOGL)、イーライ リリィ(LLY)、ネットフリックス(NFLX)、アマゾン ドットコム(AMZN)、ゼネラル モーターズ(GM)を選んでご紹介いたします。

図表3 雇用統計の非農業部門雇用者数の推移

※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表4 通期の予想EPSの修正率(4週)が大きい銘柄(S&P100指数構成銘柄対象、4/12(金)~5/8(水)に四半期決算を発表した銘柄)

コード 銘柄名 通期EPS
修正率
(%)
株価
(5/8)
(ドル)
目標株価
乖離率
(%)
決算の概要
BRK/B バークシャー・ハサウェイ 15.8 406.37 10.4 損害保険事業の収益が好調
GS ゴールドマン・サックス・グループ 10.3 446.95 1.3 投資銀行、トレーディング事業が好調
GOOGL アルファベット 8.6 169.38 14.9 検索の収益性が予想以上
LLY イーライリリー 7.7 775.00 10.4 生産設備増強で売上見通し引き上げ
MS モルガン・スタンレー 7.1 95.64 4.5 投資銀行、トレーディング事業が好調
NFLX ネットフリックス 6.8 609.47 5.3 加入者純増が順調
AMZN アマゾン・ドット・コム 6.1 188.00 16.3 クラウドサービス好調
PFE ファイザー 5.3 28.27 13.4 1-3月期決算が予想上回る
WFC ウェルズ・ファーゴ 5.1 61.23 3.7 信用コストが予想以下
GM ゼネラル・モーターズ 4.0 45.05 22.0 大型ピックアップトラックの販売好調

注:データは5/8(水)時点です。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

今週の注目銘柄

取引 チャート 銘柄 株価
(5/10)
予想PER
(倍)
ポイント
買付チャートアルファベット A(GOOGL)168.65ドル22.4

【AIへの期待が回復】

・1-3月期は市場予想を上回る好決算でした。検索収入が3%、YouTube広告が5%、クラウド収入が2%、それぞれ市場予想を上回りました。1株当たり20セントの初の配当を発表、自社株買いを700億ドル追加することも明らかにしました。

・CFOは「AIが当社クラウド顧客にもたらす恩恵にすっかり興奮している。AIソリューションからの貢献が増えた」とコメントしました。同社は大手テクノロジー企業の中でもAI関連のリソースが最も分厚いと見られていましたし、実際にそうだと推察されます。しかし、昨年から注目を集めた生成AIでは出遅れたとみえて懸念されていましたが、これをかなり解消したとみられます。

買付チャートイーライ リリィ(LLY)760.00ドル56.3

【通期売上見通しを上方修正】

・1-3月期の売上はマンジャロ、ゼップバウンド、ベージニオ、ジャディアンスなどが牽引、前年同期比26%増、EPSは同59%増と好調です。

・同社の糖尿病治療薬「マンジャロ」と肥満治療薬「ゼップバウンド」(両薬とも物質名は「チルセパチド」で同じものです)は需要が供給を上回って市場では品薄の状態が続いています。生産設備の能力が売上の制約要因になっていますが、設備増強の目途が立ったことで2024年12月期の売上ガイダンスを424~436億ドルへ、従来から20億ドルひきあげました。

買付チャートネットフリックス(NFLX)610.87ドル33.1

【1-3月期決算は好調】

・1-3月期決算は増収増益かつ市場予想を上回る好決算でした。売上の伸びは前年同期比15%増と10-12月期の同13%増から加速しました。加入者純増はドラマのヒットや共有アカウント対策の効果で933万人と好調でした。4-6月期の売上ガイダンスは、市場予想をやや下回りましたが、前年同期比16%増とさらに加速の見通しです。

・決算を受けて大幅な下落となった株価は2025年1-3月期から加入者純増と加入者当たり売上の計数を発表しないことを嫌気したとみられます。これまで市場が非常に重視していた指標ですので目先の反応としては理解できますが、業績動向が好調に推移していることのほうが重要と考えられます。

買付チャートアマゾン ドットコム(AMZN)187.48ドル35.5

【クラウドサービスが予想上回る好調】

・ 1-3月期の売上は市場予想並みだったものの、EPSは市場予想を大幅に上回りました。売上はオンライン販売が前年同期比+7.0%で市場予想を下回りましたが、クラウドサービスのAWS売上は前年同期比+17%で市場予想を上回りました。利益が予想を大きく上回ったのはAWSの貢献が大きくなっているほか、ジャシーCEOによるコスト削減と収益重視の改革が進んでいるとみられます。

・4-6月期の業績見通しは、売上が1,440~1,490億ドル、営業利益見通しは100~140億ドルで、いずれも中央値は市場予想を下回りました。ただ、同社のガイダンスは市場予想を下回ることが多いため、さほど気にされていないようです。

買付チャートゼネラル モーターズ(GM)45.21ドル4.8

【大型ピックアップトラックの販売が好調】

・米国市場で収益性が高い大型ピックアップトラックの販売が好調で、1-3月期のEPSは市場予想を24%も上振れました。同じ要因でライバルのフォードも16%上振れています。米国の個人消費は減速が懸念されますが、富裕層は堅調を維持すると期待されます。

・2023年は労働者のストライキに加え、EVトラックの不振、自動運転によるロボタクシーに対する当局の調査など、苦しい年になりましたが、2024年は明るい見通しをもっています。CEOは「(同社が独自開発した)『アルティウム』バッテリーによるEVのブレイクスルーの年にする」とコメントしています。また、米政府がEV普及策の規制を緩和したことも安心感を生んでいます。

注:予想PERはBloomberg集計のコンセンサス予想EPSによります。使用した予想EPSの決算期は、いずれも2024年12月期です。
※会社資料、BloombergデータをもとにSBI証券が作成。

主要イベントの予定

  経済指標・イベント 企業決算・イベント
13(月) ・NY連銀1年インフレ期待(4月)
・クリーブランド連銀メスター総裁の講演
 
14(火) ・日本工作機械受注(4月)
・ドイツZEW景気指数(5月)
・米生産者物価指数(4月)
・パウエルFRB議長の講演
・グーグルの年次開発者会議「Google I/O」
ホームデポ
15(水) ・ユーロ圏実質GDP(1-3月期、改定値)
・ニューヨーク連銀製造業景気指数(5月)
・米消費者物価指数(4月)
・米小売売上高(4月)
・NAHB住宅市場指数(5月)
・ミネアポリス連銀カシュカリ総裁が炉端談義
シスコシステムズ
16(木) ・日本実質GDP(1-3月期、速報値)
・米住宅着工・建設許可件数(4月)
・米フィラデルフィア連銀景気指数(5月)
・米新規失業保険申請件数(5月11日に終わる週)
・米鉱工業生産(4月)
・フィラデルフィア連銀ハーカー総裁が講演
・クリーブランド連銀メスター総裁が講演
・アトランタ連銀ボスティック総裁が討論に参加
ウォルマート、ディア
17(金) ・中国鉱工業生産・小売売上高(4月)  
19(日) ・パウエルFRB議長が卒業式でスピーチ  
20(月) ・アトランタ連銀ボスティック総裁があいさつ
・バーFRB副議長が講演
・アトランタ連銀ボスティック総裁が討論の司会
ズームビデオコミュニケーションズ
21(火) ・リッチモンド連銀バーキン総裁があいさつ
・複数のFRB関係者が討論に参加
 
22(水) ・日本機械受注(3月)
・EU27ヵ国新車登録台数(4月)
・米中古住宅販売件数(4月)
・FOMC議事要旨(4月30日、5月1日開催分)
・米20年国債入札
エヌビディア、ターゲット
23(木) ・HCOBユーロ圏製造業PMI(5月)
・米新規失業保険申請件数(5月18日に終わる週)
・シカゴ連銀全米活動指数(4月)
・S&Pグローバル米国製造業PMI(5月)
・米新築住宅販売件数(4月)
・米10年インフレ連動債入札
・マイクロソフト年次開発者会議「Microsoft Build」(25日まで)
メドトロニック
24(金) ・米耐久財受注(4月)
・米ミシガン大学消費者信頼感(5月、速報値)
 

注:日付は現地時間によります。(E)はBloombergによる予想を示します。企業決算の赤字でのハイライトは、当社顧客保有人数の1~30位、青字のハイライトは31~50位を示します。
※Bloombergデータ、各種報道をもとにSBI証券が作成

※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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