中小型株出直りチャンス!?連続増収増益銘柄9選

投資情報部 鈴木 英之 栗本奈緒実
2024/07/03

当ページの内容につきましては、SBI証券 投資情報部長 鈴木による動画での詳しい解説も行っております。東証グロース市場・スタンダード市場の中小型株を中心に、好業績が期待される銘柄や、投資家の皆様が気になる話題についてわかりやすくお伝えします。
新興株ウィークリー
※YouTubeに遷移します。
信用取引において必要となるその他諸費用の詳細は信用取引のサービス概要をご確認ください。
中小型株出直りチャンス!?連続増収増益銘柄9選
2024年相場の前半が終わりました。6月末終値を23年末終値と比較した騰落率は日経平均株価が18.3%上昇であったのに対し、東証スタンダード市場指数は9.5%上昇、東証グロース市場指数は4.4%下落でした。市場の関心が資本政策改善への期待で大型株にいったこともあり、中小型株は物色の圏外に置かれやすくなりました。また、米金利上昇を受け、半導体関連株を除くグロース系銘柄が相対的に劣勢となりました。
しかし、6月相場では日経平均が2.8%上昇したのに対し、東証グロース市場指数は6.9%上昇と上回った格好です。グロース系銘柄は金利上昇に弱い傾向があり、逆に米長期金利の上昇が落ち着いたことで投資環境が好転しました。前月末に2年ぶりに800ポイント割れまで下げていたこともあり、値頃感が強まった可能性もありそうです。
7月相場はどうなるのでしょうか。7/1(月)にTOPIXが年初来高値を更新し、90年1月以来の高値水準を回復。日経平均株価は7/2(火)に、終値ベースでは3月末以来の4万円を回復しました。海外の政治不安を織り込みつつ、日銀短観で好調な企業業績を確認し、日本株は全般的に上振れつつあります。
日経平均株価は3/22(金)につけた40,888円の過去最高値を回復する可能性もありそうです。ただ、過去最高値を超えて上昇するには、日経平均株価の予想EPS(1株利益)が上昇することが必要かもしれません。日経平均株価が4万円大台固めや過去最高値圏近辺でもみ合う場面が増えれば、出遅れの中小型株が出直るチャンスもありそうです。
これまで、中小型株が出遅れてきた中、好業績銘柄が買い好機になっている可能性もありそうです。そこで今回の「新興株ウィークリーでは、過去3期増収増益を成し遂げ、今期も2桁増益が予想される、足元の業績モメンタムが強い銘柄の抽出を試みてみました。
スクリーニング条件は以下の通りです。
(1)東証スタンダード市場またはグロース市場に上場
(2)時価総額1,000億円未満
(3)7/1(月)までの20営業日で1日当たり平均出来高2万株以上
(4)前期まで過去3期連続で売上高が前期比増加
(5)前期まで過去3期連続で営業利益が前期比10%超増益、または黒字転換または赤字縮小
(6)前期実績営業損益については黒字
(7)直近決算が四半期決算(累計)の場合は営業利益が前年同期比2桁以上の増益、または黒字転換
(8)決算発表日が7/12(金)以前に予定されていない
(9)今期会社予想営業増益率が10%超
(10)取引所または日証金による信用規制・注意喚起銘柄を除く
図表の銘柄は、上記(1)~(10)の条件をすべて満たしています。掲載は、今期会社予想増益率が大きい順です。
WEBリクエスト募集中!
気になる投資テーマ等がございましたら、こちらにご意見お待ちしております。
【参考】 日経平均株価と東証グロース市場指数の推移

【参考】 6/25(火)~7/2(火)で株価上昇が大きかった東証グロース市場指数構成銘柄

■図表 中小型株出直りチャンス!?連続増収増益銘柄9選
取引 | チャート | ポートフォリオ | コード | 銘柄名 | 株価 (7/2終値) |
前期営業 増益率 |
今期予想営業 増益率 |
2139 | 2139 | 2139 | 2139 | 中広 | 507 | 60.5% | 97.3% |
2820 | 2820 | 2820 | 2820 | やまみ | 3,055 | 15.2% | 92.4% |
8789 | 8789 | 8789 | 8789 | フィンテック グローバル | 87 | 128.8% | 63.8% |
8927 | 8927 | 8927 | 8927 | 明豊エンタープライズ | 401 | 16.9% | 72.4% |
4051 | 4051 | 4051 | 4051 | GMOフィナンシャルゲート | 6,400 | 51.3% | 25.9% |
2813 | 2813 | 2813 | 2813 | 和弘食品 | 6,490 | 53.1% | 22.8% |
7047 | 7047 | 7047 | 7047 | ポート | 2,177 | 41.4% | 20.7% |
2180 | 2180 | 2180 | 2180 | サニーサイドアップグループ | 652 | 68.9% | 20.3% |
2418 | 2418 | 2418 | 2418 | ツカダ・グローバルホールディング | 498 | 79.5% | 20.2% |
- ※Bloombergデータ、会社公表データをもとにSBI証券が作成
一部掲載銘柄を詳細に解説!
■やまみ (2820)~強い生産能力で成長する豆腐関連製造業者
★日足チャート(1年)

- ※データは2024/7/3 (日足)10:45時点。
- ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
- ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。
★業績推移(百万円)

- ※当社Webサイトの業績表示ツールをもとに、SBI証券が作成。
■圧倒的に強い生産能力が強み
豆腐、厚揚げ、油揚げ等、豆腐関連製品の製造販売を行っています。
良質な豆腐の製造にこだわり、含有たんぱく質は通常の35%程度に対し、同社製品は40%以上を誇ります。他社が1時間で5,000個の豆腐を生産するのに対し、同12,000個と圧倒的な生産能力が強みです。製造ラインの自動化を進め卸値を抑えることに成功しています。人の手を使わず無菌状態で製造から梱包まで可能です。そのため、消費期限が3日程度だったものを10日~2週間程度に長期化でき、廃棄ロスの削減やスーパー等の利益拡大につなげています。
業績は好調です。5/9(木)に発表された24.6期3Q累計業績は売上高143億円(前年同期比19%増)、営業利益17.7億円(同131%増)と増収増益でした。通期会社計画(2/14の上方修正後数値)では、売上高190億円(前期比17%増)、営業利益20億円(同92%増)を目指します。営業利益は3Q累計実績数値の会社計画に対する進捗率が88%に達し、上振れが期待されます。
■業界の寡占化が進む中、成長継続の可能性
豆腐生産業者は2000年頃に全体で16,000事業所ありましたが、現在は3,000事業所程度まで減っているようです。全国規模で展開する小売業者に対し、供給可能な豆腐製造業者は数社程度と推定(会社側)され、業界は寡占化が進んでいるとみられます。
一方、豆腐製造業の市場規模は2000年以降6千億円規模で横ばいが続いており、伝統・健康食材であることから今後は徐々に増加する可能性もありそうです。
当社は2/14に通期業績見通しの上方修正に併せ、中期経営計画も上方修正しました。それによると25.6期は売上高210億円(前期比10%増)、営業利益23.1億円(同15%増)、26.6期は売上高230億円(前期比9%増)、営業利益27.6億円(同19%増)の計画になっています。
配当は横ばいまたは増加が継続しています。配当性向は30%がメド、DOE(株主資本配当率)については今下期は2.5%がメドになっています。24.6期は上期19円に続き、期末に41円、年間で60円の予想となっています。
株価は業績・中期経営計画を上方修正後2/15(木)に付けた4,450円が高値で、その後は下落傾向です。2/22(木)には株式売出の発表もあり、株価下落が続きました。
当社はもともと東証プライム市場上場でしたが、流通株式数不足から23年10月にスタンダード市場への変更を余儀なくされていました。株式売出は流通株式比率の改善につながるとみられます。
株価は6/6(木)に2,931円の安値を付けた後、6/18(火)に3,455円まで戻しましたが、再び反落し、200日移動平均線を割り込んでいます。再び値頃感が強まる可能性もありそうです。
■和弘食品 (2813)~業務用調味料の専門メーカー。「RAMEN(ラーメン)」ブームで、米国好調
★日足チャート(1年)

- ※データは2024/7/3 (日足)10:45時点。
- ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
- ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。
★業績推移(百万円)

- ※当社Webサイトの業績表示ツールをもとに、SBI証券が作成。
■北海道発、スープやエキスのメーカー
業務用調味料の専門メーカー。小樽市に本社を置き、北海道の新鮮な食品を使用したスープやタレ、エキスなどを扱っています。
日清オイリオ(2602)が、株式の17%弱を保有する提携企業です(24.3末時点)。顧客は外食チェーン、食品メーカー、コンビニエンスストア等。1,500社と取引があり、製品数は3,280に上ります。
■「RAMEN」ブームで、米国子会社「WAKOU USA」好調
2015年9月、子会社WAKOU USA INC.がカリフォルニアで工場を稼働開始。「RAMEN」ブームによる北米市場拡大が追い風です。また、日本とは異なり、米国では独自ブランド製品(NB製品)が売上高構成比の6割を占めています。
生産能力の増強も順次行われ、今では収益の柱的存在です。米国事業の売上高は154億円と、全体の24%を占めるまでとなりました。さらに、米国での売上高営業利益率は27%と高水準な点が特徴です(24.3期、日本は同3.7%)。
■今期も過去最高業績更新予定。大幅増配も。
5/15(水)の決算発表では、24.3期に続き、今期(25.3期)も堅調な見通しを示しました。売上高173億円(前期比12%増)、営業利益14億円(同53%増)と過去最高を更新予定です。米国での生産設備の増強などによる、収益上昇を見込んでいます。業績成長に伴い、1株当たりの配当金も81円と大幅増額される見通しです(参考24.3期は同66円)。
同発表は取引時間中に行われ、5/15・5/16と2日連続で株価はストップ高となり、その後も順調に右肩上がりで推移しています。6/25(火)には日本経済新聞に米国での生産能力拡大と北米ラーメン市場拡大が報じられたことも上昇材料へと繋がったもようです。7/2(火)時点で株価は、約25年ぶりの高値水準に位置しています。
今期1Q(25.4‐6月期)の決算発表は8月上旬に予定されており、通期計画に向け、どれだけ好調なスタートダッシュが切れるかに市場の注目を集めている状態です。
新着記事(2024/07/03)

外国株式
「肥満治療薬」アップデート:副作用報道でイーライリリィとノボノルディスクの株価動向に格差
今年の米国株式市場の2大投資テーマは、AI半導体と肥満治療薬と言われます。今回はその1つである、肥満治療薬業界の動きについて、イーライリリィとノボノルディスクを中心にアップデートいたします。
投資情報部 榮 聡
2024/07/10

先物・オプション
新NISAで日経平均は堅調?年後半相場の物色ポイントは?
7月第1週(7/1-7/5)の日経平均は、前週末比1,329円29銭高(+3.36%)となり、週足ベースで続伸。2週間の上昇幅は2,300円超に上り、7/4(木)は過去最高値を約3ヵ月ぶりに更新しました。週初は前週に続き、金融等を中心とした...
投資情報部 淺井一郎 栗本奈緒実
2024/07/09

外国株式
アメリカNOW! 今週の5銘柄 ~年後半に活躍期待の銘柄を探る!アップル、ウーバー、エアビー!?~
先週は6/27(木)のTV討論会でトランプ氏優位とみて上昇していた米10年国債利回りが弱い経済指標を受けて反落、テクノロジー株が一段と買われてS&P500指数とナスダック指数が最高値を更新しました。今週の株価材料として、6月物価指標、米10...
投資情報部 榮 聡
2024/07/08

投資信託
パリ五輪と長期投資で輝く金!? 金を組み入れた好成績バランスファンドは?
2024年最大のスポーツイベントの1つである夏季オリンピック(パリ五輪)が7月26日に開幕となります。 パリ五輪で実施されるのは全32競技329種目となっています。日本勢はテコンドーを除く31競技で出場権を獲得しており、海外開催の夏季五輪...
投資情報部 川上雅人
2024/07/08
口座開設・管理料は
無料!
信用取引口座開設
信用取引を行うには、信用取引口座の開設が必要になります。 WEBサイト上でのお手続きだけで「最短翌日」口座開設完了!
※信用取引において必要となるその他諸費用の詳細は信用取引のサービス概要をご確認ください。
ご注意事項
※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
※NISA口座で上場株式等の配当金を非課税で受け取るためには、配当金の受領方法を「株式数比例配分方式」に事前にご登録いただく必要があります。詳細はこちら
免責事項・注意事項
・本資料は投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたもので、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。万一、本資料に基づいてお客さまが損害を被ったとしても当社及び情報発信元は一切その責任を負うものではありません。本資料は著作権によって保護されており、無断で転用、複製又は販売等を行うことは固く禁じます。
【手数料及びリスク情報等】
SBI証券で取り扱っている商品等へのご投資には、各商品毎に所定の手数料や必要経費等をご負担いただく場合があります。また、各商品等は価格の変動等により損失が生じるおそれがあります(信用取引、先物・オプション取引、商品先物取引、外国為替保証金取引、取引所CFD(くりっく株365)では差し入れた保証金・証拠金(元本)を上回る損失が生じるおそれがあります)。各商品等への投資に際してご負担いただく手数料等及びリスクは商品毎に異なりますので、詳細につきましては、SBI証券WEBサイトの当該商品等のページ、金融商品取引法等に係る表示又は契約締結前交付書面等をご確認ください。