決算発表接近!好業績期待の中小型株8選

決算発表接近!好業績期待の中小型株8選

投資情報部 鈴木 英之 栗本奈緒実

2025/04/23

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決算発表接近!好業績期待の中小型株8選

4/23(水)午前の東京株式市場では、日経平均が3営業日ぶりに反発し、一時4/3(木)以来の35,000円を回復しました。ベッセント米財務長官が米中貿易摩擦に楽観的な見通しを述べたことを好感し、米国株が上昇した流れを引き継ぎました。

さらに、トランプ大統領が「一刻も早く解任すべきだ」とSNSに投稿していたFRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長について、「解任するつもりはない」と述べたことも好感されました。同大統領によるFRBの独立性を否定するかのような動きに対し、市場が株安、米債券安(金利上昇)、ドル安の反応を示したことで軌道修正が行われた可能性もあります。

ただ、日経平均株価がこのまま上昇を続けられるか否かは微妙なところです。トランプ政権から発信される情報が毎日のように変わるため、投資家心理はまだ安心できないとみられます。4/22(火)時点の日経平均株価25日移動平均線は35,237円で、重要な上値抵抗ラインとみられ、35,000円を超える水準では戻り売りも出やすくなっています。

そうした中、東京株式市場では3月、6月、9月、12月決算企業の決算発表シーズンの本格化が目前です。今回の「新興株ウィークリー」では、決算発表企業数の多い3月決算銘柄を対象に、好決算が期待できる銘柄を抽出すべく、以下のスクリーニングを行いました。

①東証スタンダード市場に上場

②3月決算企業

③4/21(月)までの20営業日の1日当たり平均出来高2万株以上

④24.3月期および25.3期の上半期・第3四半期累計営業利益が黒字

⑤25.3月期第3四半期累計の営業利益について以下を全てを満たす

・5億円超

・前年同期比30%超の増益

・25.3月期上半期の営業増益率(前年同期比)を上回る増益率(同)

・25.3月期(通期)会社予想営業増益率(前期比)を上回る増益率(前年同期比)

⑥25.3月期(通期)会社予想営業利益が前期比で増益

⑦取引所または日証金による信用規制・注意喚起銘柄を除く

図表の銘柄は、上記条件をすべて満たしています。掲載は⑤の直近四半期の増収率が高い順となっています。


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【参考】 4/15(火)~4/22(火)で株価上昇が大きかった東証グロース市場指数構成銘柄

■図表 決算発表接近!好業績期待の中小型株8選

取引 チャート ポートフォリオ コード 銘柄名 株価
(4/22・円)
2025年4~12月
営業増益率
(前年同期比・%)
2025年3月期会社予想営業増益率(前期比)
6855 6855 6855 6855 日本電子材料 1,648 12,213.0% 313.8%
6203 6203 6203 6203 豊和工業 1,037 427.0% 188.7%
9067 9067 9067 9067 丸運 409 181.0% 110.2%
1828 1828 1828 1828 田辺工業 2,076 82.8% 28.9%
1965 1965 1965 1965 テクノ菱和 2,587 78.6% 60.9%
1847 1847 1847 1847 イチケン 2,705 74.2% 41.5%
4113 4113 4113 4113 田岡化学工業 1,001 67.9% 48.8%
8920 8920 8920 8920 東祥 529 64.2% 26.3%
  • ※Bloombergデータ、会社発表データをもとにSBI証券が作成。イチケン(1847)は2025年3月期から連結決算に移行。増益率は2024年3月期(単体)の数値との単純比較

一部掲載銘柄を詳細に解説!

■豊和工業(6203)~「国策」も追い風?業績改善傾向の防衛関連銘柄

★日足チャート(1年)

★業績推移(百万円)

100年超の歴史。「工作機械事業」「火器」が中核

1907年に豊田式織機の製造を目的として名古屋市に設立されました。100年を超える歴史の中で技術やノウハウを蓄積し、幅広い分野で革新的な製品を生み出し続けています。

主力の「工作機械関連事業」は売上構成比(24.3月期)の34%を占め、専用機の間を連結する「トランスファマシン」や切削加工を行うマシニングセンタ等を製造。また空・油圧機器や電子機器に展開しています。

「火器」は同24%を占め、防衛整備品を製造する主要メーカーであり、国内で唯一小銃の製造を行っています。24.3月期の営業利益はほぼこの部門であげており、稼ぎ頭となっています。

「建材」(同16%)は空港や基地近辺で効果を発揮する防音サッシが看板製品です。「特殊車両」(同9%)では、路面清掃車や床面自動洗浄機等を製造しています。

海外売上高比率(24.3月期)は約22%です。「工作機械関連」は中国の設備投資市場が主要ターゲットです。また、「火器」では民間向けスポーツライフルの主要市場は北米となっています。

20253月期業績予想を上方修正

本年2/14(金)に25.3月期3Q(24.4-12月期)決算を発表。売上高は165億円(前年同期比14%増)、営業利益10.3億円(同427%増)と増収増益となりました。

稼ぎ頭である「火器」について、防衛装備品売上高が増加し大幅増収となり全体に寄与した格好です。「工作機械関連事業」は減収になったものの、採算性の改善で赤字が減少しました。

同決算発表を受け、会社側は25.3月期の通期会社計画の各利益項目を上方修正し、営業利益については7.6億円から11.2億円(前期比188%増)に上方修正しました。

■「防衛関連」の一角。株価には割安感

同社の稼ぎ頭が「火器」となっていることもあり、株式市場では「防衛関連銘柄」の一角と捉えられることが多いようです。

「防衛関連銘柄」は、トランプ氏の大統領選優勢が伝えられた昨年11月以降、本年3月半ばまでは堅調な値動きの銘柄が目立ちました。トランプ氏が同盟諸国に防衛コストの負担増加を求めたことが一因です。

同社株も3/18(火)に1,412円の高値を付けましたが、その後は一服状態です。日本株全体が急落した4/7(月)には894円の年初来安値を付け、その後は少し値を戻しています。

地政学的リスクが世界的に高まる中、日本でも防衛に寄与する産業の利益を守る法整備(2023年 防衛生産基盤強化法)が行われ、防衛装備品である「火器」を生産する当社には追い風が吹き始めているようです。

4/22(火)時点の予想PER14倍前後、PBR0.7倍程度と、株価は割安感の強い現状です。テクニカル的にはいったん200日移動平均線を下回った後、同移動平均線近辺まで戻っており、押し目買いが入りやすくなっていると見受けられます。

■イチケン(1847)~商業施設建設を得意とする建設企業。トランプ関税の影響も受けにくい?

★週足チャート(3年)

★業績推移(百万円)

商業施設建築のエキスパート

商業施設建築に強みを持つ総合建設会社。パチンコホール運営大手のマルハンが、同社株の32.27%を保有する筆頭株主です(2024年9月末時点)。

建築工事構成比は、商業施設58%、住宅27%、各種施設(事務所・物流施設など)が15%(2024年3月期)。うちコア事業である商業施設の売上構成比は、新築工事77%、内装・リニューアル工事23%です(同)。

ニトリやカインズ、ジョーシンやケーズデンキなどの大型店舗を始め、地公体の建物や、マンション、スパジアムジャポン、アパホテルなどの宿泊施設など、多岐に亘る建設実績を有しています。

少子高齢化などを背景に、新築工事は先細りする懸念がありますが、今後は既存施設の内装・リニューアル工事のニーズが高まる傾向としています(同社HPより)。

■業績予想の上方修正&増配発表

25.3月期3Q時点の業績(2024年4月~12月期)※は、売上高781億円(前年同期比7.8%増)、営業利益53億円(同74%増)と増収増益。大型物流施設の受注による増加が寄与した格好です。決算発表と同時に通期(25.3期)会社計画の上方修正と、予想配当の増額を発表しました。

※25.3月期から連結決算に移行。増収率や増益率は2024年3月期(単体)の数値との単純比較


建設業は、業績が堅調な企業が多く、トランプ関税の影響を受けにくい内需株という面も有しています。東証株価指数業種別リターン(以下4/22時点)は、以下の通りです。

TOPIX:1ヵ月前比較▲9.7%、3カ月前比較▲7.5%
建設業:1ヵ月前比較▲0.8%、3カ月前比較+4.2%

また、同社の顧客として多い小売業は、

小売業:1ヵ月前比較+3.7%、3カ月+2.0% 

小売企業の24.12-25.2月期の決算発表シーズンを乗り越え、底堅い株価推移です。

今後の事業環境に関し、政府建設投資は堅調に推移していると会社側は述べています。2024年7月、売上高の官公庁比率が高い片岡工業(株)をグループ化。強みの分野が異なる会社を取り込んだことで、業績のリスク分散が進んだと考えられます。

4/22(火)時点では、今期3Q決算発表後の高値2,990円が意識されます。

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