春相場の主役?四半期大幅増益の中小型株

春相場の主役?四半期大幅増益の中小型株

投資情報部 鈴木 英之

2026/02/18

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春相場の主役?四半期大幅増益の中小型株

東京株式市場では、2025年10~12月期の決算発表がほぼ終了しました。

日経平均株価の予想EPS(1株利益)は、決算発表シーズン直前の1月16日(金)には2,653円でしたが、2月17日(火)には2,832円と過去最高水準まで6.8%上昇しました。2026年3月期の上場企業純利益は増益予想に転じ、過去最高益を更新した可能性が高そうです。ちなみに、1月16日~2月17日の日経平均株価の上昇率は4.9%でした。この間、総選挙を通じて政治の安定性が強まった点も踏まえると、予想EPSの上昇率を下回る株価上昇にとどまった日本株は、出遅れていると言えるかもしれません。

こうした中、中小型株市場(東証スタンダード市場・グロース市場)でも決算発表がほぼ一巡しました。中小型株は、業績予想を公表しているアナリストがいないケースも多く、情報量が少ないうえ、市場の流動性も乏しいため、業績変動リスクは大きいと考えられます。決算発表シーズンの終了はリスクの後退につながるため、当面は好業績銘柄を中心に底堅い相場展開が期待できるかもしれません。

今回の「新興株ウィークリー」では、2025年10~12月期の決算発表において「好業績」を示した銘柄を抽出するため、以下のスクリーニングを行いました。

(1)東証グロース市場またはスタンダード市場に上場
(2)3月決算銘柄
(3)時価総額100億円以上1,000億円未満
(4)2月16日(月)までの20営業日の1日当たり平均出来高が2万株以上
(5)2026年3月期第3四半期(2025年10~12月期)営業利益が1億円以上で、前年同期比50%超の増益
(6)2026年3月期第3四半期累計(2025年4~12月期)営業利益が1億円以上で、前年同期比50%超の増益
(7)2026年3月期第3四半期累計(2025年4~12月期)の前年同期比営業増益率が、2026年3月期の会社予想営業増益率を超過
(8)信用規制・注意喚起銘柄を除外

図表に掲載した銘柄は、上記条件をすべて満たしています。掲載順は「第3四半期累計営業増益率」が高い順です。

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【銘柄一覧】春相場の主役?四半期大幅増益の中小型株

取引 チャート ポートフォリオ コード 銘柄名 株価
【2/17・円】
第3四半期累計営業増益率 今期会社予想営業増益率
6927 6927 6927 6927 ヘリオステクノホールディングス 1,316 +269.5% +55.5%
4838 4838 4838 4838 スペースシャワーSKIYAKIホールディングス 872 +143.1% +116.5%
2469 2469 2469 2469 ヒビノ 3,455 +67.5% +12.7%
3447 3447 3447 3447 信和 1,023 +65.6% +23.3%
6208 6208 6208 6208 石川製作所 2,240 +65.2% +44.4%
5984 5984 5984 5984 兼房 838 +64.5% +33.7%
6226 6226 6226 6226 守谷輸送機工業 5,600 +53.6% +27.0%
1822 1822 1822 1822 大豊建設 849 +52.4% +13.9%
7898 7898 7898 7898 ウッドワン 1,102 +50.1% -16.1%
  • ※Bloombergデータ、会社公表データをもとにSBI証券が作成。
  • ※「第3四半期累計営業増益率」は、2026年3月期第3四半期(2025年4~12月期)営業利益の前年同期比増益率。
  • ※「今期会社予想営業増益率」は、2026年3月期(通期)の会社予想営業利益の前期比増益率。

一部掲載銘柄を詳細に解説!

ヒビノ (2469)~音響・映像のエンターテイメントを支える。アリーナ新設・コンサート増加が追い風

音響と映像の分野で販売・施工・サービスを行っています。

※カッコ内は25.3期の売上構成比(左)、営業利益構成比(右・対消去前営業利益)です。

①販売施工事業(51%、35%)

映像・音響・照明機器、LEDディスプレイ・システム等を調達し、放送局、スタジオ、ホール・アリーナ等の施設、コンサート・イベントサービス会社向けに販売しています。

②建築音響施工事業(18%、17%)

音楽・放送・スタジオ、ホールなどにおいて音空間の設計・施工を行います。製造業の音に対する研究支援や航空機・鉄道・道路・工場等の騒音対策も請け負います。

③コンサート・イベントサービス事業(29%、41%)

大規模コンサートを中心に、音響や映像の企画・立案や運営、コンサルティングを行っています。昨年はYOASOBIのコンサートツアーで、次世代LEDディスプレイ・システムが採用されました。楽曲の持つ世界観とリンクした3Dコンテンツに入り込むかのような、新たな没入体験を提供し話題を呼びました。

当社事業にとっては、(1)スタジアム・アリーナの新設・建替構想や、(2)コンサート・ビッグイベントの開催増加等が追い風になります。(1)については2025年1月時点で、スタジアム34件、アリーナ45件の新設・建替構想が進行中です(スポーツ庁「スタジアム・アリーナの新設・建替構想の現状」)。本格的なピークはこれからで、100億円以上のコストを必要とする施設も多数あるもようです。

(2)については、200名以上の音響エンジニアがおり、担当アーティスト数は596組に上ります(25.3期)。K-POPアーティストや国内有名アーティストのコンサート演出を手掛けており、主要コンサート会場の担当率は44%に達しています(同)。当社が請け負うライブ・エンターテイメントは2024年の市場規模が前年比10.9%増の7,605億円(ぴあ総研調査)と過去最高を記録しました。2030年には8,700億円まで拡大する見込みとなっています。

強い競争力を有する当社ですが、新型コロナ流行でコンサートやイベントが消滅状態になった21.3期には24億円超の最終赤字計上に追い込まれました。しかしその後は回復に転じ、24.3期および25.3期は連続で増収・最終増益になりました。

2026年3月期第3四半期累計(2025年4~12月期)は業績拡大傾向が継続し、売上高486億円(前年同期比17.3%増)、営業利益44.9億円(同67.5%増)と大幅増収増益でした。M&Aに伴う新規連結効果に加え、大阪・関西万博(2025年4/13~10/13)の活況やコンサート・イベント市場の活況が追い風になりました。第3四半期業績が会社予想を上回ったことから、同社は2026年3月期の予想営業利益を44.5億円→47億円(同12.7%増)に上方修正しました。

株価は2024年高値水準近辺まで回復しています。2026年3月期予想EPS267.11円に対し、2/17終値3,455円で計算されるPERは12.9倍で、割高感は乏しそうです。


■石川製作所(6208)~防衛機器が主力業務。防衛予算増加が直接的な追い風に

売上高(2025年3月期)の68.5%を防衛機器が占めています。「防衛関連銘柄」の多くは、防衛関連事業の売上高に占める比率は総じて高くないのが実情ですが、同社はまさに「防衛機器」が主力製品です。その他では「紙工機械」が売上高(同)の18.6%を占めています。

1936年(昭和11年)に政治・経済的に戦時色が強くなる中、それまでの繊維機械産業から防衛機器の生産へ主力をシフトし、軍事産業への道を歩むことになりました。1939年(昭和14年)には国の方針に従い全面的に軍事生産に転換し、終戦まで地雷や爆雷等を生産しました。終戦後は、1953年(昭和28年)頃から、順次兵器の国産化が進むとの情報を得て、防衛機器部門への進出を決定しました。

防衛機器の主力製品は機雷、地雷、爆弾等です。水中・地上火器の専門メーカーとして、上記のように古い歴史を有し、独自の地位を築いています。世界的な防衛予算の増加傾向の中、日本の防衛予算も増加傾向が継続するとみられます。業績的には過去10年を見る限り、売上高はせいぜい120億円~130億円程度が上限でしたが、2025年3月期は162億円とこれまでのレンジを上回る傾向が強まっています。

2026年3月期第3四半期累計(2025年4~12月期)売上高は116億円(前年同期比11.8%増)、営業利益9.1億円(同65.2%増)と大幅増収増益でした。「紙工機械」は不振でしたが主力の「防衛機器」が大幅増収増益でした。2026年3月期は売上高190億円(前期比17.3%増)、営業利益10億円(同44.5%増)が会社計画です。

なお、同四半期累計期間の防衛機器の受注高は前年同期比24.1%減となっており、2027年3月期も増収増益が続くかどうかは微妙かもしれません。ただ、防衛予算は中長期的に増加が見込まれており、業績悪化リスクは限定的とみられます。


■守谷輸送機工業 (6226)~荷物用エレベーター中心。高い収益力を誇る

1950年3月に創業されました。荷物用エレベーターを主力に、自社ブランドのエレベーターの設計・開発・製造・据付・保守・修理・リニューアルまでをワンストップで提供しています。

売上高(25.3期)の53.7%は「製造・販売」で、荷物用を中心に各種エレベーターの製造・販売を行っています。そのうち、新設が80%、入替等が11%、船舶用が9%を占めています。

荷物用エレベーターについては、省スペースの実現や、質実堅牢なモノ作り、幅広いラインナップが差別化要因となっているようです。2023年度に国内で新規に設置された荷物用エレベーター(1,346台)に占める当社のシェアは30.8%(会社調べ)でした。

売上高(25.3期)の46.3%は「保守・修理」となっています。この分野は顧客のビジネス機会を最小限に抑制する迅速さ、確実な復旧能力が求められます。365日24時間対応のサービス拠点、コールセンター配備、専門人材の対応等が、後発企業への参入障壁になっています。国内荷物用エレベーター保守台数に占める当社シェアは15%程度と推定(24.3期・会社発表データ)されていますが、過去10年でシェアは5pt程度上昇しているようです。

国内物販系分野のEC市場が2014年以降の10年、年率8.9%で成長(会社資料)しており、それに伴って倉庫・物流施設の需要が堅調に推移し、荷物用エレベーターの市場拡大に寄与しています。当社は近年、高価格帯製品へのシフトに注力しており、さらに売上高を押し上げています。

なお、エレベーターの新設は当社にフロー収入をもたらしますが、保守・修理契約締結によってストック収入につながるビジネスモデルです。近年は保守・修理が売上高に占める比率が上昇傾向で、業績成長に安定性をもたらしています。

上記市場成長等も寄与し、業績は順調に拡大中です。2019年3月期以降2025年3月期まで、売上高は前期比での増収が継続。経常利益も資材価格高騰・円安が響いた23.3期を除き、2018年3月期から2025年3月期まで増益が続いています。

2/10(火)発表の2026年3月期第3四半期累計(2025年4~12月期)業績は、売上高169億円(前年同期比21.6%増)、営業利益41.4億円(同53.6%増)と増収増益でした。将来の売上高につながる受注残は前期末比17%増と、こちらも順調です。2026年3月期は売上高237億円(前期比22.2%増)、営業利益52億円(同27.1%増)が会社計画です。

株価は決算発表日である2/10に過去最高値6,040円を記録しました。2026年3月末付で1対2の株式分割を実施するとの発表も好感されました。

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