小売・外食関連銘柄が多い「2月優待銘柄」をご紹介

小売・外食関連銘柄が多い「2月優待銘柄」をご紹介

投資情報部 鈴木英之/栗本奈緒実

2025/01/31

小売・外食関連銘柄が多い「2月優待銘柄」をご紹介

1月相場が終わりました。前半は、米バイデン政権による対中輸出規制等が伝わり、主力半導体関連株が下落を主導。その後はトランプ氏が米大統領に再就任し、中国への関税強化が当面は見送りとなったことで、市場に安心感が広がり、日経平均は1/24・1/27取引時間中に4万円台を回復した場面もありました。一時はボックス相場から上放れたかに見えましたが、その後、中国の新興企業である「DeepSeek(ディープシーク)」が、「ChatGPT」に匹敵するとされる高性能AIを低コストで開発に成功としたと伝わりました。東京株式市場では、半導体関連株やデータセンター投資拡大期待で上昇していた電線株などが売られ、日経平均も再びボックス圏に舞い戻った格好です。

以上のように、1月はハイテク株の株価動向に主要指数が左右されやすい相場展開でしたが、2月・8月を決算月とする企業の9-11月期決算発表シーズンでもありました。2,8月決算企業は小売や外食といった生活密着型の企業が多いのが特徴です。そのため、仕入れ価格や人件費等コストの上昇が重しとなりましたが、価格改定や、インバウンド顧客増加の恩恵などを受けた企業も複数ありました。2月はそうした小売・外食関連銘柄の多くが決算期末を迎え、配当や株主優待の権利が確定します。また、小売・外食企業は生活で馴染みのある銘柄も多く、企業を応援したい気持ち、で買うのも有用な投資方法の一手と考えられます。

そこで、今回の「日本株投資戦略」では、2月に株主優待の権利確定が予定されている銘柄について、ご紹介します。

スクリーニング条件は以下の通りです。

① 東証プライム、スタンダード、グロース いずれかの市場に上場

② 2月に株主優待の権利確定を予定している銘柄

③ 売買高(25日移動平均)が2万株以上

④ 前期(実績)・今期(会社予想)の経常利益が黒字

⑤ 直近四半期累計の経常利益が黒字

⑥ 取引所または日証金、当社による信用規制・注意喚起銘柄を除く

すべての条件を満たす銘柄をSBI証券株主優待検索ページで、閲覧回数の多い順に並べたものが下の図表です。

なお、「2月に権利が確定する株主優待銘柄」のほとんどが2/26(水)を権利付最終日としています。この場合、2/27(木)の権利落ち日以降に買い付けができても、配当および株主優待の権利を確保することはできませんので、ご注意ください。

また、権利付最終日に優待実施銘柄を買い、権利落ち日に売ることで、効率良く株主優待の権利獲得を考える投資家の方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここで注意すべき点は、買い付ける時の株価が予想外に高くなったり、売る時の株価が予想外に安くなったりなど、相当額の売却損がでてしまうケースです。配当取りも同様で、権利落ち日には配当実施分だけ株価が下がることが多くなっています。ノーコスト・ノーリスクで株主優待や配当を享受することは難しいでしょう。

それでも、コストやリスクを軽減して、株主優待の権利を確保する方法はあります。ひとつは、複数銘柄に投資をし、リスク分散を図る方法です。

もうひとつは「つなぎ売り」を活用した取引です。「つなぎ売り」で株主優待をお得に活用する方法については、SBI証券のWebページでご紹介していますので、参考にしてください。ただ、「つなぎ売り」をした場合、信用取引の「売り」により、配当調整金を支払う必要が出て、実質的に配当を受け取れなくなるなど、重要な注意点*(下記脚注の詳細参照)もあります。メリットとデメリットを十分理解した上でのご利用をお願い申し上げます。

*重要な注意点 ~つなぎ売りを利用した場合の「配当金(現物と信用)受け払いの差額」~

※権利付き最終日の大引け時点でつなぎ売りをしている場合、現物については税金が差し引かれた配当金(配当金の約80%)を受取り、一般信用売り建玉については配当落ち調整金(配当金の100%)をお支払いいただきます。したがいまして、配当金の約20%の差額をお客さまにご負担いただくことになります。

※権利付き最終売買日と権利落ち日をまたいで信用売建玉がある場合、権利落ち日に予想配当金相当額(予定配当調整金)をあらかじめ委託保証金現金から拘束させていただき、配当金が確定後に拘束金から支払いを行います。信用売建玉に対する支払予定配当金相当額合計(予定配当調整金合計)は、ログイン後ページ内「口座管理」>「信用建余力」>「建余力・追加保証金」の「増担保・配当調整金」に表示させていただいております。

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気になる投資テーマ等がございましたら、こちらにご意見お待ちしております。

■図表 小売・外食関連銘柄が多い「2月優待銘柄」をご紹介

取引 チャート ポートフォリオ コード 銘柄名 終値(円)
【1/29】
優待獲得最低株数での優待内容の概要
7630 7630 7630 7630 壱番屋 992 1,000円相当の優待券(「カレーハウスCoCo壱番屋」等の店舗使用、テイクアウト、配送で商品との交換も可能)
3141 3141 3141 3141 ウエルシアホールディングス 2,250 3,000円相当の自社グループ買い物券または、新潟県産コシヒカリ新米(5kg)他から選択
2292 2292 2292 2292 S FOODS 2,533 自社グループオリジナル商品を特別価格で購入できるカタログ販売
3382 3382 3382 3382 セブン&アイ・ホールディングス 2,440 2,000円相当の自社グループ共通商品券。「セブン-イレブン」や「イトーヨーカドー」等で使用可能
3543 3543 3543 3543 コメダホールディングス 2,773 1,000円相当の自社電子マネー。「コメダ珈琲店」や「おかげ庵」等で使用可能
2882 2882 2882 2882 イートアンドホールディングス 2,136 3,000円相当の自社製品(冷凍餃子等)または、「大阪王将」などの店舗使用可能なお食事券より選択
9861 9861 9861 9861 吉野家ホールディングス 2,927 2,000円相当の飲食券(500円×4枚)。「吉野家」や「はなまるうどん」等で使用可能
3387 3387 3387 3387 クリエイト・レストランツ・ホールディングス 1,334 2,000円相当の優待食事券。「磯丸水産」や「かごの屋」等で使用可能
8905 8905 8905 8905 イオンモール 1,945 3,000円相当のイオンギフトカード
2379 2379 2379 2379 ディップ 2,342 500円相当のオリジナル・QUOカード
3048 3048 3048 3048 ビックカメラ 1,639 2,000円相当の買物優待券(1,000円×2枚)
3050 3050 3050 3050 DCMホールディングス 1,432 500円相当の買い物優待券。「ホダカ」や「ケーヨーデイツー」含むDCMグループ各店舗で利用可能
8200 8200 8200 8200 リンガーハット 2,269 1,650円相当の食事優待券(550円×3枚)。「リンガーハット」や「濵かつ」等で使用可能
4343 4343 4343 4343 イオンファンタジー 2,829 「モーリーファンタジー」等で使用可能な2,000円相当の株主優待券と魚沼産こしひかり(3kg)
8267 8267 8267 8267 イオン 3,722 3%還元の優待カード(オーナーズカード)。※半期100万円を限度とする買物金額
2927 2927 2927 2927 AFC-HDアムスライフサイエンス 900 自社グループで使用可能な5,000円相当(500円×10枚 ※1,000円ごとに1枚使用可能)の食事割引券など
3546 3546 3546 3546 アレンザホールディングス 1,117 1,000円相当のJCBギフトカード
2884 2884 2884 2884 ヨシムラ・フード・ホールディングス 1,087 1,500円相当の自社グループ製品。※300株以上、1年以上継続保有の株主のみ
7453 7453 7453 7453 良品計画 4,080 買物優待カード(7%割引)。「無印良品」等で使用可能。利用限度額および回数制限なし
2678 2678 2678 2678 アスクル 1,709 2,000円相当の「LOHACO」割引クーポン券(500円×4枚。※501円(税込)以上の商品1点につき1枚利用可。1回の注文で複数枚利用可
  • ※会社公表データ、SBI証券株主優待検索ページを参考にSBI証券が作成。
  • ※「優待獲得最低株数での優待内容の概要」は、優待獲得最低株数を保有時の株主優待の内容についてその概要を示しており、すべてを示していないこともありますので、ご注意ください。また、保有株数や保有期間により、株主優待の内容が異なることもありますので、ご注意ください。
  • ※株主優待の内容および獲得条件等は変更される場合がありますので、必ず当該企業のホームページ等をご確認ください。

一部掲載銘柄を解説!

■コメダホールディングス (3543

「珈琲所コメダ珈琲店」や、甘味処「おかげ庵」ブランドを展開する企業です。ゆとりのある店内空間や、「逆詐欺」と称される程ボリューミーなシロノワール等のメニューが人気を博しています。ビジネスモデルとしては飲食店ではなく、卸売業に近い存在です。FC加盟店の割合は95%に上ります(24.2末時点)。ロイヤルティの他、加盟店へ食材等を卸売販売し、メインの収益源としています。設備投資負担が抑えられるため、強いキャッシュ・フロー創出力を有しているのが特徴です。

直近数期の業績は、卸売先となる店舗の出店加速や、卸売り価格の改定等が寄与しています。25.2期は4期連続の増収増益が維持される見通しです。

株主優待は、店舗で使用可能なプリペイドカード「KOMECA」に1,000円分のチャージが付与されます。100株以上保有の株主が対象で、2月末と8月末が基準日です。これに加え、2月末を基準とし、3年以上継続保有かつ300株以上保有の場合は、1,000円分増額されます。

■クリエイト・レストランツ・ホールディングス(3387

立地特定、顧客属性に合わせ、フードコート、居酒屋、ディナータイプのレストラン、ベーカリーなど様々な店舗を企画・開発・展開しています。居酒屋では「磯丸水産」が良く知られた存在です。2024年11月時点では、海外(71店舗)を含め、計1,131店舗を展開しています。

25.2期は売上高1,560億円(前期比7%増)、営業利益93億円(同31%増)が会社計画で、3Q累計では売上高1,154億円(前年同期比6%増)、営業利益71億円(同23%増)となっています。増益率は四半期を追うごとに改善傾向です。1株配当は中間期4円、年間8円の計画です。

2月末時点の株主に対し、保有株数に応じ以下の金額相当の優待食事券贈呈を予定しています。なお、8月末の株主についても同内容の株主優待制度があります。

・100株以上・・・2,000円相当     

・200株以上・・・4,000円相当

・400株以上・・・6,000円相当(1年以上保有の場合は2,000円相当を追加)

・600株以上・・・8,000円相当(同上) 

・1,000株以上・・10,000円相当(同上) 

・3,000株以上・・16,000円相当(1年以上保有の場合は4,000円相当を追加)

・6,000株以上・・24,000円相当(1年以上保有の場合は6,000円相当を追加)

・9,000株以上・・30,000円相当(1年以上保有の場合は8,000円相当を追加)

■イオンモール (8905

ショッピングモールの運営がメイン事業、イオングループではディベロッパー事業を担う存在。国内外で事業を展開し、専門店からの賃料(固定的収益)と、専門店の収益に応じたフィー(歩合収益)が収益源です。

25.2期業績に関し会社側は、売上高4,535億円(前期比7%増)、経常利益420億円(同13%増)と増収増益見通しを示しています。

株主優待は、保有株式数に応じて、以下のイオンギフトカードが付与されます。

・100株以上 → 3,000円相当 ・500株以上 → 5,000円相当 ・1,000株以上 → 10,000円相当

さらに、2月末及び8月末を基準とし、3年以上継続保有かつ、以下の株式数を保有していた場合、追加での付与があります。

・1,000株以上~2000未満 → 2,000円相当 ・2,000株以上~3,000株未満 → 4,000円相当 

・3,000株以上~5,000株未満 → 6,000円相当 ・5,000株以上 → 10,000円相当

また、ギフトカードとは別に、200株以上保有の株主は「イオンラウンジ」の会員証が送付され、月8回/1日1回(最大30分、要予約)の利用ができるようになります。同ラウンジでは、1人1杯飲み物も貰えるようです。

■DCMホールディングス(3050

おもにホームセンター事業を展開。カーマ、ダイキ、ホーマック、サンワドー、くろがねや、ケーヨー等多くの企業が徐々に統合して誕生しました。2024年11月末時点で、844店舗を展開しています。25.2期は売上高5,505億円(前期比12%増)、営業利益340億円(同18%増)が会社計画で、3Q時点では営業利益278億円(前年同期比17%増)とおおむね順調です。上期22円、年間44円が会社計画の1株配当で、予想配当利回り(1/30)は3.0%と好調です。

2月末時点の株主に対し、保有株数に応じ以下の金額相当の株主買物優待券贈呈を予定しています。

・100株以上・・・500円相当(3年以上継続保有の場合は2,000円相当を贈呈)

・500株以上・・・1,000円相当(3年以上継続保有の場合は3,000円相当を贈呈)

・1,000株以上・・・2,000円相当(3年以上継続保有の場合は5,000円相当を贈呈)

■リンガーハット(8200

長崎ちゃんぽんリンガーハットを中心に、とんかつ濱かつ等を展開(24.11末・全652店舗)する外食チェーンです。25.2期は売上高430億円(前期比6%増)、営業利益15億円(同49%増)、1株配当金10円が会社計画です。業績は3Q累計で売上・利益ともに会社計画を上回って推移(会社側)しているようです。

2月末時点の株主に対し、保有株式数に応じ、食事優待券(550円)が以下の枚数で贈呈されます。なお、8月末の株主についても同内容の株主優待制度があります。

・100株以上 3枚(1,650円相当)

・300株以上 7枚(3,850円相当)

・500株以上 12枚(6,600円相当)

・1,000株以上 25枚(13,750円相当)

・2,000株以上 50枚(27,500円相当)

なお、2月末時点で、3年以上保有している株主に限り、保有株数に応じ以下の枚数で食事優待券(550円)が追加贈呈されます。

・100株以上 2枚(1,100円相当)

・1,000株以上 4枚(2,200円相当)

 

■良品計画(7453

「無印良品」ブランドを擁し、世界29の国・地域で、生活雑貨、食品、化粧品、衣類などを販売しています。『 波乱相場でも活躍期待の好業績銘柄(2025/1/17) 』で詳細解説をさせていただきましたので、業績動向等が気になる方はご覧いただけると幸いです。

株主優待は、23.8期から導入し、24.8期に拡充を発表。100株(1単元)以上保有で、買い物の際に7%割引が適用される優待カードが付与されます(23.8期末は5%割引でした)。無印良品の他、Café MUJIなど全国で使用できます。他の割引との併用は利用不可ですが、SALE・マークダウン対象には、割引価格からさらに7%優待として利用可能です。利用限度額および利用回数の制限は設けていないため、同社店舗をよく利用する方ほど、お得な内容となっています。

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