【アメリカNOW!】先週の好決算銘柄:キャタピラー、パランティア、ドアダッシュ、アリスタ ネットワークス、イーライ リリィ

投資情報部 榮 聡
2026/08/10
先週の米国株式市場は、決算発表を終えて安心感が広がった半導体株や大手テクノロジー株の上昇が相場をけん引し、原油価格の下落を受けた長期金利の低下が相場を押し上げ、S&P500指数は最高値を更新しました。今週の株価材料として、7月物価指標、中東情勢、フォーム13F(機関投資家の保有銘柄報告)の期限到来が注目されます。
今回は先週に好決算を発表した銘柄から、キャタピラー(CAT)、パランティア テクノロジーズ A(PLTR)、ドアダッシュ A(DASH)、アリスタ ネットワークス(ANET)、イーライ リリィ(LLY)を選んでご紹介いたします。
図表1 S&P500指数の一目均衡表(日足、3ヵ月)
決算発表を終えて安心感が広がった半導体株や大手テクノロジー株の上昇が相場をけん引し、原油価格の下落を受けた長期金利の低下が相場を押し上げ、6/2(火)に付けた最高値を大幅に更新しました。
※当社WEBサイトを通じてSBI証券が作成
図表2 業種別指数騰落率・個別銘柄騰落率
| S&P500業種指数騰落 | 5日 | 1ヵ月 | 3ヵ月 |
| 情報技術 | 7.2% | 3.5% | 6.9% |
| 素材 | 5.6% | 3.7% | 2.6% |
| S&P500 | 3.6% | 2.4% | 4.8% |
| 資本財・サービス | 3.0% | 1.7% | 6.8% |
| 一般消費財・サービス | 2.8% | 3.2% | -1.0% |
| ヘルスケア | 1.9% | 2.9% | 15.5% |
| コミュニケーションサービス | 1.3% | -2.2% | -8.8% |
| 金融 | 1.2% | 3.4% | 12.4% |
| 生活必需品 | 0.0% | 1.2% | -0.9% |
| 不動産 | -0.1% | 1.2% | 1.6% |
| 公益事業 | -1.7% | -4.0% | -2.5% |
| エネルギー | -3.3% | 5.1% | 3.8% |
| 騰落率上位(5日) | 騰落率 |
| パランティア・テクノロジーズ | 39.8% |
| クアルコム | 13.7% |
| オラクル | 13.2% |
| インテル | 12.7% |
| サービスナウ | 12.3% |
| 騰落率下位(5日) | 騰落率 |
| CVSヘルス | -8.4% |
| シェブロン | -5.2% |
| サイモン・プロパティー・グループ | -2.8% |
| ネクステラ・エナジー | -2.6% |
| コノコフィリップス | -2.4% |
注:個別銘柄の騰落率上位、下位はS&P100指数が母集団です。銘柄名はBloombergの表記により、当社WEBサイト・本文中の表記と異なる場合があります。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
先週の米国株式市場
S&P500指数は週間で1.0%、ダウ平均は1.0%、ナスダック指数は1.6%の上昇でした。S&P500指数は6/2(火)に付けた最高値を大幅に更新しました。
決算発表を終えて安心感が広がった半導体株や大手テクノロジー株の上昇が相場をけん引し、原油価格の下落を受けた長期金利の低下が相場を押し上げました。
さらに、8/7(金)には7月雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比2.3万人減と市場予想の同8.0万人増を大きく下回り、市場の利上げ期待を後退させたことが相場にプラスに効きました。
原油価格はイランがオマーンとホルムズ海峡の暫定航行ルートについて合意したと発表して下落しました。米国との間には不協和音が残っていますが、市場はホルムズ海峡開放の方向は変わらないと想定しているようです。
半導体株はエヌビディアが11.6%上昇するなどしてフィラデルフィア半導体株指数は週間で9.2%の上昇となりました。一方、半導体株の中でもメモリー株については、ラウンドヒル メモリー ETF(DRAM)が0.4%の上昇にとどまったことに見られるように不安定な動きが続いています。
業種指数では、半導体株に加え、ソフトウェア株も上昇した情報技術が7.2%の大幅上昇となりました。原油価格が下落基調となって、エネルギーは下落しました。
今週の米国株式市場
直近の相場上昇には半導体株やテクノロジー大手の上昇が寄与しましたが、これら銘柄には6月高値から下落しているものも多く、先週S&P500指数が大幅に最高値を更新したことには、意外感がありました。
そこで、S&P100指数採用銘柄の6/2(火)から8/5(水)にかけての株価騰落率を確認したところ、年前半に株価が低調であった金融、資本財、旅行・クレジットカードなどの消費関連株の上昇が大きく、これらが相場のベースを押し上げていたことが分かりました。
AI関連銘柄だけに頼らない相場の足腰の強さがうかがえます。引き続きAI関連銘柄の相場が落ち着きを取り戻すなら、指数全体として強さを維持することが期待できそうです。
今週の株価材料として、7月物価指標、中東情勢、フォーム13F(機関投資家の保有銘柄報告)の期限到来が注目されます。
8/12(水)の7月消費者物価指数は前年比+3.4%の予想(前月は同+3.5%)、8/13(木)の7月生産者物価指数は前年比+4.9%の予想(前月は同+5.5%)です。6月の伸びから低下が予想されています。
先週の7月雇用統計が弱く、FedWatchによる9月FOMCでの利上げ確率は1週間前の67%から44%に低下していますが(日本時間8/10(月)午前8時半)、物価上昇率が予想通りに低下すると、利上げ確率はさらに下がる可能性がありそうです。
中東情勢については、原油価格の下落がこのところの相場上昇の一因になっているため引き続き注目です。ホルムズ海峡の開放に対する期待から原油価格が下落しましたが、米国とイランには不協和音も聞こえていますので、本当に実現するか注視する必要がありそうです。
8/14(金)に機関投資家の保有銘柄報告書、フォーム13Fの提出期限が到来します。今回は6月末時点の保有状況が明らかになります。AI関連銘柄について、どのような動きがあったか、市場で話題になる可能性がありそうです。
経済指標では上記のほか、8/11(火)に米国の7月中古住宅販売件数(前月比-1.0%の予想)、8/14(金)に米国の7月小売売上高(前月比+0.1%の予想)、8月ミシガン大学消費者信頼感速報値(前月の55.2から54.7に悪化の予想)などの発表が予定されています。
今週の5銘柄
今回は先週の好決算銘柄を図表3に抽出のうえ、ここからキャタピラー(CAT)、パランティア テクノロジーズ A(PLTR)、ドアダッシュ A(DASH)、アリスタ ネットワークス(ANET)、イーライ リリィ(LLY) を選んでご紹介いたします。
好決算銘柄を抽出するにあたっては、ある程度株価の反応も考慮に入れています。
図表3 先週の好決算銘柄の決算概要(S&P500指数採用銘柄対象、発表日順)
注:ハイライトした銘柄を「今週の5銘柄」として取り上げています。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
図表4 今週の5銘柄の投資指標
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
今週の注目銘柄
| 取引 | チャート | 銘柄 | 株価 (8/7) |
予想PER (倍) |
ポイント |
| 買付 | キャタピラー(CAT) | 842.19ドル | 31.6 | 【AI投資が建設機械にも恩恵】 ・同社はAI関連銘柄としてデータセンター向け発電機の需要拡大が注目されてきましたが、4-6月期の決算では、米国での建設機械にも恩恵が広がっていることが確認されました。 ・4-6月期の部門別売上は、発電機を含むパワー&エネルギーが前年同期比17%増、建設機械が同35%増、資源産業が同20%増と、いずれも好調でした。建設機械の北米売上は同50%増と高い伸びが目立っています。受注残は720億ドル、前年同期比92%増でした。通期の売上伸び率の見通しを、前年比10%台前半から同10%台半ば~後半に引き上げました。 | |
| 買付 | パランティア テクノロジーズ A(PLTR) | 172.01ドル | 106.2 | 【AI向け需要が引き続き好調】 ・ソフトウェア企業の売上はAIの普及によって侵食される部分があるのではとの懸念で年初から売り込まれていました。しかし、同社は1-3月期に続いて4-6月期も市場予想を大きく上回る決算を記録したことから懸念が後退して、株価が大幅高となりました。 ・業績拡大をけん引している米国の民間部門売上は、4-6月期に前年同期比149%増、1-3月期比28%増、顧客数は前年同期比35%増と高成長が続いています。業績好調を受けて通期売上ガイダンスの中央値を7%引き上げました。 | |
| 買付 | ドアダッシュ A(DASH) | 216.26ドル | 38.1 | 【取り扱いカテゴリーを拡大】 ・フードデリバリー大手。取り扱い分野をアパレル、化粧品、日用品などレストラン以外に広げることで、サブスクリプションサービス「DashPass」の解約率を引き下げ、顧客の利用頻度を引き上げることができています。 ・4-6月期決算は、取り扱い分野の拡大、国際展開、AI投資などに伴う費用増でEPSは前年同期比22%減ですが、調整後EBITDA(利払い、税金、償却前利益)は前年同期比40%増となっています。 | |
| 買付 | アリスタ ネットワークス(ANET) | 188.67ドル | 46.4 | 【7-9月期に売上加速見通し】 ・データセンター向けのネットワーク機器や関連ソフトウェアを提供する企業です。AIデータセンター向けの売上拡大に加え、800ギガバイト、1.6テラバイト機種への更新サイクルが重なり、大幅な売上増加となっています。 ・4-6月期決算で発表された7-9月期売上ガイダンスは前年同期比43%増相当の約33億ドルで、4-6月期の同38%増から加速が見込まれています。電子部品などの不足で売上が減速するのではとの懸念もありましたが、これを払拭しました。 | |
| 買付 | イーライ リリィ(LLY) | 1,185.71ドル | 33.0 | 【肥満治療薬の成長続く】 ・4-6月期決算は、市場予想を売上で12%、EPSで40%と大幅に上回りました。糖尿病治療薬のマンジャロは前年同期比91%増、ゼップバウンドは同46%増でした。 ・注目の肥満治療薬では、現在主力のゼップバウンド(注射薬)は海外での伸びが期待されます。また、経口の「ファウンダヨ」(物質名:オルフォルグリプロン)が4月から投入されています。開発中で強力な体重減少結果が出ている「レタトルチド」(GLP-1、GIP、グルカゴンの3つの受容体に同時作用する次世代肥満治療薬)は来年に投入される計画です。 |
注:予想PERはBloomberg集計のコンセンサス予想EPSによります。使用した予想EPSの決算期は、いずれも2026年12月期です。
※会社資料、BloombergデータをもとにSBI証券が作成
主要イベントの予定
| 経済指標・イベント | 企業決算・イベント | |
| 10(月) | ロケットラボ | |
| 11(火) | ・米NFIB中小企業楽観指数(7月) ・米中古住宅販売件数(7月) ・米3年国債入札 |
コアウィーブ、ルメンタムホールディングス |
| 12(水) | ・米消費者物価指数(7月) ・米10年国債入札 |
ネビウスグループ、コヒレント、セレブラスシステムズ |
| 13(木) | ・米新規失業保険申請件数(8月8日に終わる週) ・米生産者物価指数(7月) ・米30年国債入札 ・リッチモンド連銀バーキン総裁の講演 |
アプライドマテリアルズ、シスコシステムズ |
| 14(金) | ・ユーロ圏実質GDP(4-6月期、改定値) ・米小売売上高(7月) ・米ミシガン大学消費者信頼感(8月、速報値) |
・フォーム13F(機関投資家の保有株報告書)の提出期限 |
| 17(月) | ・米ニューヨーク連銀製造業景気指数(8月) ・米NAHB住宅市場指数(8月) |
|
| 18(火) | ・日本機械受注(6月) ・米住宅着工・建設許可件数(7月) ・米鉱工業生産(7月) |
ホームデポ |
| 19(水) | ・FOMC議事要旨(7月28日、29日開催分) ・米20年国債入札 |
ターゲット、ロウズ、TJXカンパニーズ |
| 20(木) | ・米新規失業保険申請件数(8月15日に終わる週) ・S&Pグローバル日本製造業PMI(8月) |
ウォルマート、ロスストアーズ |
| 21(金) | ・S&Pグローバルユーロ圏製造業PMI(8月) ・S&Pグローバル米国製造業PMI(8月) |
注:日付は現地時間によります。(E)はBloombergによる予想を示します。企業決算の赤字でのハイライトは、当社顧客保有人数の1~30位、青字のハイライトは31~50位を示します。
※Bloombergデータ、各種報道をもとにSBI証券が作成
※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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