1. 利上げ・利下げって何?政策金利の意味からわかりやすく解説
最近、ニュースなどで「利上げ」という言葉を見かける機会が増えていませんか?
この10月には、アメリカで27日・28日に、日本では29日・30日に、それぞれ金融政策を決める会合が開かれています。
「なんとなく大事そうなことだけど、結局どういうこと?」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。
今回の【マユコの投資レシピ】では「そもそも利上げ・利下げや政策金利って何?」というところから、それらが私たちの生活に与える影響についてわかりやすく解説します!
ぜひ最後までお読みいただき、「結局何が起きてるの?」を「なるほど、こういうことか!」に変える第一歩にしてみてくださいね。
■そもそも金利と政策金利って何?(図表1)
政策金利を学ぶ前に、まずは「金利」とは何でしょうか?
金利を一言で表すと、「お金のレンタル料」です。
お金を借りた人は、借りたお金に加えて、レンタル料にあたる利子(利息)を払います。反対に、銀行などにお金を預けた人は利子を受け取ることができます。
では、「政策金利」とは何でしょうか?
政策金利を一言で表すと、「中央銀行が金融政策のために定める金利」のことです。
金融政策とは、物価の安定などを目指して、金利や市場に流れるお金の量を調整する政策のことです。
中央銀行とは、国の金融の中心的な役割を担う機関のことです。
日本の中央銀行は日本銀行(日銀)、アメリカの中央銀行は米連邦準備制度理事会(FRB)です。
日銀やFRBは、政策金利の目標を引き上げたり引き下げたりして、世の中の金利に影響を与えています。
日本では、「無担保コールレート(オーバーナイト物)※1」が政策金利とされており、日銀は日本の金融政策を決める会合(金融政策決定会合)で、この金利をどう動かすかを決めています。
一方、アメリカでは、「フェデラルファンド(FF)金利※2」が政策金利にあたります。
FRBの金融政策を決める会合は米連邦公開市場委員会(FOMC)と呼ばれており、会合を開いて政策金利をどう動かすかを決めています。
※1 無担保コールレート(オーバーナイト物):金融機関どうしが、コール市場において担保なしで、翌営業日に返済する約束でお金を貸し借りするときの金利のこと。
※2 フェデラルファンド(FF)金利:金融機関どうしが、FF市場において、1日でお金を貸し借りするときの金利のこと。
■利上げ・利下げって何?(図表2)
利上げとは、「中央銀行が政策金利を引き上げること」です。反対に、政策金利を引き下げることを「利下げ」といいます。
また、政策金利を引き上げも引き下げもせず、今の水準のままにすることを「据え置き」と表現します。
中央銀行は、世の中の景気や物価の状況などを見ながら政策金利を調整します。
一般的に利上げには「物価の上昇を抑える働きがある」といわれます。
物価が上がりすぎると、同じお金で買えるモノが減って生活が苦しくなりますよね。そのため、中央銀行は物価の安定などを目的に、政策金利を調整しています。
政策金利は、金融機関どうしがお金を貸し借りするときの金利ですが、これが上がると、金融機関それぞれがお金を調達するコストも上がることになります。
そのため、金融機関が企業や個人にお金を貸すときの金利(貸出金利)も上がりやすくなります。
貸出金利が上がると、企業や個人はお金を借りにくくなり、借りたお金で行おうとしていた設備投資や住宅の購入などが控えられます。
その結果、経済活動が抑制されて、景気の過熱が和らぎ、物価の上昇にもブレーキがかかりやすくなります。
反対に利下げをすると、貸出金利が下がりやすくなり、企業も個人もお金を借りやすくなります。
そのため、これまでやってこなかった設備投資や、住宅・車の購入に踏み切りやすくなり、経済全体の動きがより活発になり、景気を後押しします。
これに伴い、物価も上昇しやすくなります。
図表1 金利と政策金利って何?
図表2 利上げ・利下げって何?
2. 利上げ・利下げは、私たちにどう関係するの?(株・為替・預金・ローン)
■日銀とFRBは、何を目指しているの?
日銀とFRBは、どちらも政策金利を調整して金融政策を行いますが、目的には少し違いがあります。
日銀の金融政策の目的は、「物価の安定」です。日銀は、「物価の安定は、経済が安定的かつ持続的成長を遂げていくうえで不可欠な基盤」であるとしています。
そのうえで、「物価の安定」の目標として、消費者物価の前年比上昇率2%を掲げています。
一方で、FRBの目的は「雇用の最大化」と「物価の安定」の2つで、この2つは「デュアル・マンデート(2つの使命)」と呼ばれています。
物価の安定については、物価の動きを表す指標「個人消費支出物価指数(PCE物価指数)」の前年比上昇率を2%とすることを目標としています。
では、日銀やFRBが利上げ・利下げを行うと、私たちの身近なお金にはどんな影響があるのでしょうか。
■利上げ・利下げは、私たちにどう関係する?(図表3)
◇株価
さきほどの「■利上げ・利下げって何?」で見たように、利上げがされると企業はお金を借りにくくなります。
それにより、設備投資などが控えられると企業の業績に影響が出ることもあります。業績が悪くなれば、株価が下がる要因の1つになる可能性がありますよね。
また、金利が上がると、国債(国が発行する債券)などの比較的安全とされる金融商品の利回り(投資したお金に対して、1年あたりで得られる収益の割合)も高くなるため、株式に投資する魅力が相対的に減る可能性もあります。
反対に、利下げがされたときには、企業は設備投資などを行いやすくなるため、事業拡大につながり、株価が上がる可能性もあります。
ただし、株価は金利だけで決まるわけではありません。景気や、その企業の業績見通し、市場での見方など、様々な要因で株価は変動します。
また、利上げ・利下げが事前に予想されていた場合には、その見方がすでに株価に反映されている(このことを、「織り込み済み」といいます)ため、利上げ・利下げの発表を受けても、株価があまり動かないこともあります。
そのため、金利が動いたからといって、株価の動きに直結するわけではありません。
◇為替
為替とは、円とドルなど、異なる通貨を交換することです。
そのときの交換の比率を「為替レート」といい、例えば「1ドル=160円」のように表します。
毎朝のニュースなどで、この表現を耳にしたことがある方もいらっしゃると思います。この「為替レート」も、金利の影響を受けます。
一般に、金利が高い国の通貨は買われやすく、金利が低い国の通貨は売られやすいといわれます。
例えば、日本が利上げをすれば円は買われやすくなり、円の価値が上がる「円高」の方向に動きやすくなります。
反対に、日本が利下げをして金利が下がると、円は売られやすくなり、円の価値が下がる「円安」の方向に動きやすくなります。
ただし、為替は金利以外の要因にも左右されるため、一概にはいえません。
◇預金・ローン
利上げ・利下げは、預金やローンにも関わってきます。
利上げが行われると、銀行などの預金金利は上がりやすくなり、将来受け取れる利子が増える可能性があります。
一方、住宅ローンの変動金利型(金利が定期的に見直されるタイプ)では、金利が上がると利払い負担が増加することがあります。
利下げが行われると、預金金利が下がりやすくなり、将来的に受け取れる利子が減る可能性があります。
しかし、住宅ローンの金利が低下すれば、利払い負担が減ることもあり、不動産購入に踏み切りやすくなる可能性があります。
図表3 利上げ・利下げは、私たちにどう関係するの?
図表4 【マユコの投資レシピ】利上げ・利下げのポイント
3. 日銀・FRBの会合スケジュールとSBI証券での確認方法
ここまで、政策金利とは何かから、日銀とFRBの役割、利上げ・利下げが私たちの生活にどう関係するのかを見てきました。
意味や内容が理解できると、政策金利に関するニュースが出たときに「今回はどうなったんだろう?」と一歩踏み込んで見られるようになりますよね。
図表5にて、2026年の残りの日程と、2027年の会合の日程をまとめましたので、ぜひ参考にしてくださいね。
日銀の金融政策決定会合も、FRBのFOMCも、年に8回会合が開かれる予定です。
ちなみに、金融政策決定会合・FOMCを含めた経済指標のスケジュールは、SBI証券メインサイトにて以下の手順でチェックすることができます。
マーケット > 経済カレンダー
「利上げ」「利下げ」が、少しだけ身近に感じられたでしょうか。
今回の【マユコの投資レシピ】が、今後の政策金利に関するニュースを見るときの手がかりになれば嬉しいです。
今回もお読みいただきありがとうございました!
次回の更新日は11月12日です。それではまたお会いしましょう👋🏻
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