【マーケット・フラッシュ】1DAYオプションで相場急変に備える!?それとも収益を狙う!?

投資情報部 淺井 一郎

2023/08/10

国内市場は、8/11(金)が山の日のため休場となります。

一方、米国は通常取引となるため、連休明けとなる14日(月)の国内市場は、10・11日の2日分の米国市場の動きを受けた取引となります。米国では10日に7月消費者物価指数、11日に7月生産者物価指数と8月ミシガン大学消費者信頼感指数といったインフレ関連データの発表が相次ぎます。また、9日から11日にかけては、米国債の格下げ後で初めての国債入札(四半期定例入札)が予定されており、結果次第で米国株式市場が大きく動く可能性があります。週明けの国内株式市場は、お盆休みで国内の取引参加者が少なくなることが想定される中、思わぬ方向へ大きく相場が動く可能性も否定できないでしょう。(詳細については225の『ココがPOINT!』「連休明けの国内株式市場は急変動の可能性!?その理由は?」を参照ください)


もちろん、前述の注目材料が強弱入り混じり、結果として週明けの国内市場への影響が軽微となることも考えられます。とは言え、相場急変に対して備えが必要かを考えておく必要はあるでしょう。そこで本稿では、1DAYオプションを活用した投資アイデアについてご紹介いたします。(1DAYオプションの詳細についてはこちらをご覧ください)



(1)ヘッジ手段としての活用

例えば、ある投資家Aさんはトヨタ自動車株(7203)を1,000株保有しているとします。当面、売却する予定はなかったものの、翌営業日の株式市場で大幅に下落する可能性があり、それに備えたいと考えたとします。

(約定日:8/10、評価日8/14、株価は本来は8/10終値ですが、ここでは便宜上8/9終値を使用します)

もし、翌営業日にトヨタ自動車株が大きく値下がりしたとすると、保有する現物株については下落分に応じて含み損が発生することになります。しかし、事前に1DAYオプションとしてトヨタ自動車株(9日終値:2,395.5円)を原資産とするプット・オプションを購入したとします。具体的には、トヨタ自動車株、1,000株を9日終値2,395.5円で売る権利を2.21%(2,395.5円×1,000株×2.21%≒5.3万円)のプレミアムを支払って購入します。

翌営業日にトヨタ自動車株がプレミアム(2.21%)を超えて下落した場合、現物株は含み損が膨らむことになりますが、購入していたプット・オプションを売却することで発生する実現益によって、現物株だけを保有しているのに比べて、損失は小さくなります。逆に、トヨタ自動車株がプレミアム(2.21%)を超えて上昇した場合、プット・オプションについてはプレミアムを超えた損失が発生しない一方、現物株については上昇の大きさに応じて含み益が増加していくことになります。ただし、トヨタ自動車株の上昇、下落がプレミアムの範囲以内に収まった場合は、現物株の含み損益にオプションのプレミアムが加算されるため、現物株のみの保有に比べて損失が大きくなる点には注意する必要があります。

また、プット・オプションの対象となっていない銘柄を保有している場合は、プット・オプションの対象となっている同業種大手株等を原資産とするプット・オプションを購入することも有効であると考えられます。複数の銘柄(ポートフォリオ)に対しては、日経225や東証株価指数(TOPIX)といった株価指数を原資産とするプット・オプションを活用するのも良いかもしれません。



(2)ボラティリティに期待し投資する

もう1つの投資アイデアとなるのは、値動きの大きさ(ボラティリティ)を予測し投資する戦略です。
冒頭で申し上げたように、連休明けの国内市場は、急変動する可能性もあります。これを予想して、日経225やTOPIXに連動する上場投資信託(ETF)を原資産とするオプションを購入します。



例えば・・・

相場の急上昇に予測するならば ⇒ コール・オプションの買い

相場の急下落に予測するならば ⇒ プット・オプションの買い

上昇・下落を問わず相場の大幅変動に予測するならば ⇒ コール、プットの両オプションの買い (※)



※例:(約定日8/10、評価日8/14)

NEXT FUDS 日経225連動型投信のコール・オプション(ターゲット価格100%⇒10日の終値、プレミアムは1.63%)

NEXT FUDS 日経225連動型投信のプット・オプション(ターゲット価格100%⇒10日の終値、プレミアムは1.63%)

をそれぞれ購入します。

最大損失は両オプションのプレミアム分:3.26%(=1.63%+1.63%)

日経平均が上下どちらかに3.26%以上動けば、上回った分が利益となります。



いずれの取引について、予想した通りに相場が動いた場合、変動が大きくなるほど利益が拡大する一方、購入時から相場が大きく動かなかったような場合には、投資した資金がすべて失われる可能性も少なくありませんので取引には十分に注意が必要です。

もしよろしければご参考いただければ幸いです。


  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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