【マーケット・フラッシュ】エヌビディア好決算で相場が勢いづくも週末イベントは要注意!?1DAYオプション活用のリスクヘッジとは?
投資情報部 淺井 一郎
2023/08/25
8/23(水)の米国株式市場では、米長期金利が大幅低下したことに加え、引け後に予定されていたエヌビディアの23年2Q(5-7月期)決算への期待を手掛かりに、ナスダック総合指数やフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)などが大きく上昇しました。
そして取引終了後に発表されたエヌビディアの決算は、人工知能(AI)向けプロセッサーの需要急増を追い風に実績および23年3Q(8-10月期)見通しともにアナリスト予想を上回る好決算となりました。これを受けて、同社株は時間外取引で一時10%超と大幅に上昇しました。8/22の225の『ココがPOINT!』「エヌビディアは日米株式市場の救世主となるか??」で指摘した通り、最近、米国をはじめテクノロジー株などの成長株(グロース株)は、米長期金利の上昇が嫌気されて調整気味にありましたが、今回のエヌビディア好決算を受けて再び勢いを取り戻すことが期待されます。
もっとも、今週は週末にかけてもう1つ重要なイベントが控えております。8/25(金)に米ワイオミング州ジャクソンホールで行われるパウエルFRB議長の講演です。こちらについても前述の”225の『ココがPOINT!』”で指摘しておりますが、同講演の中でパウエル氏が追加利上げの可能性に言及するなど、市場に対しタカ派的なメッセージを送る可能性があります。その場合、週末の米国市場では長期金利が再び大幅上昇する可能性も考えられますし、AIへの期待で中長期的な上昇を期待したい株式市場においても、金利上昇が嫌気されて一旦、売り優勢になるかもしれません。週明けの東京株式市場でも影響が生じると思われます。
こうした短期的な株安リスクに備える手段の1つが、1DAYオプションによるプットオプションの買いを組み合わせたリスクヘッジ策です。
例えば、アドバンテスト(6857)株を現物で100株保有し、中長期で上昇が見込めると考えながらも、短期的な株安リスクに備えたいとします。
保有する現物株の評価額(23日)は193.5万円(=100株 × 株価19,350円)
これに対し、権利行使額19,350円(100%)の1DAYプットオプション100株分を買う場合、
支払うプレミアムは31,540円(=193.5万円 × プレミアムの支払利率1.63%)
(※プレミアムの支払利率は8/24)
翌日、アドバンテスト株価が1.63%よりも大きく下落した場合、現物株は下落率に応じて含み損が生じますが、その一方でプットオプションの権利を行使することで下落率に応じて利益が生じ、含み損を相殺します。したがって、どれだけ大きく下落しても、トータルの損益は事前に支払ったプレミアム(31,540円)に限定されることになります。
一方、翌日にアドバンテスト株価の下落が1.63%よりも小さい、または上昇した場合、現物株は騰落率に応じて含み益(又は含み損)が生じます。それに対しプットオプションは、権利を放棄することになるため、プレミアム(31,540円)が損失となります。したがって、トータルの損益は、(現物株の含み損益)-(プレミアム:31,540円)となります。
現状、株式市場は依然として不安定な相場が続いているため、こうしたリスクを限定する取引も有効な手段の1つと考えられます。
- ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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