日経平均最高値更新!その本質と今後の考え方は?

投資情報部 鈴木 英之

2024/07/11

日経平均株価が連日で高値を更新しています。7/4(木)には、3/22(金)に記録した過去最高値40,888円を上回り、7/9(火)に41,000円台に乗せ、7/11(木)取引時間中には史上初めて42,000円台に乗せてきました。

株価が上昇基調を辿っている背景としては一応、以下の諸点が指摘されます。

(1)ハイテク株が勢いを取り戻し、米国株が連日で最高値を更新

(2)ドル円相場が1ドル161円台まで円安・ドル高となり、企業業績に追い風

(3)7月下旬から4~6月期決算発表が予定され、企業業績の上振れに期待

(4)米国で労働市場逼迫の緩和を印象付ける指標の発表が連続

(5)パウエルFRB議長が議会証言でハト派的な発言

(6)フランス下院議会選挙で極右勢力の台頭にブレーキ

ただ、上記の諸点は上昇相場という料理のスパイスに過ぎず、本質は別の所にあるように考えられます。

すなわち、中国等が生産・営業拠点、さらに証券投資の対象になりにくくなってきたのに対し、日本が幅広い意味で投資の対象として再評価されてきたことが上昇相場の本質に近いとみられます。

設備投資の面では世界的なサプライチェーンの再構築が意識され、九州や東北・北海道等で半導体工場の新設が計画されています。インバウンド需要は高水準で推移し、海外から数多くの人々が訪日し、日本への理解を深めています。いずれにせよ、日本にお金が落ちる流れが強まっています。

日本は株式投資の受け皿としても、バフェット氏が商社株の割安感を指摘し、東証の要請で企業の資本政策が改善し、新NISAが個人投資家の新しい資金をもたらすなど、魅力が高まってきたといえます。海外投資家の買い越しも復活する方向にあるようです。

米国では、大統領選挙を控えた6月下旬のテレビ討論会を経て、一気にトランプ氏優位の流れになりましたが、同氏は中国に対し貿易等で引き続き強硬姿勢を取るとみられ、そのことが逆に、日本株再評価の流れを確認する要因になっているように思われます。

7/10(水)には日経平均の予想1株利益が2,395円と過去最高水準に増加し、2,400円一歩手前となりました。仮に予想1株利益2,400円に対し予想PER18倍まで買われれば、43,200円の計算であり、当面は43,000円台乗せがあっても不思議ではないでしょう。

ただ、日経平均のRSI(相対力指数)が88%(7/10)に達するなどテクニカル的に短期的な過熱感が強まっていることには一応の注意が必要とみられます。

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