大幅下落が続く日経平均!?当面の下値目途は?

投資情報部 淺井一郎

2024/08/02

8/2(金)の日経平均は朝方から大幅下落して取引を開始。下げ幅は一時2,000円超となりました。

前日に続く大幅下落ということもあり、日経平均の下げ目途について考察してみます。

まずはテクニカルの観点から見た短期的な下値候補です。

38,126円 :24/8/1の日経平均終値

37,974円 :5週(25日)移動平均 ▲5%乖離

36,873円 :52週(260日)移動平均水準

36,837円 :200日移動平均水準

36,733円 :24/4/19 ザラ場安値

35,975円 :5週(25日)移動平均 ▲10%乖離

35,157円 :24/1/11 窓の下限

34,539円 :24/1/10 窓の下限

となります。

また、最近の相場動向を振り返ると、日経平均の高値は7/11(木)につけた42,224円(終値ベース)であり、その後、下げトレンドに入りました。一方、円相場の円安ピークは7/10(水)の1ドル161.57円。翌11日の夜に政府が為替介入に踏み切ったと見られており、円安から円高へトレンドが変わりました。日経平均は円高と歩調を合わせて下落したと考えられます。

サンプル数は少ないのですが、7/11以降の日経平均と円相場の相関関係を見ると、円相場が1円、円高になると、日経平均は295円下落するという関係にあります(相関係数は0.60)。

このところ円相場は円高基調が続いていますが、ニュースなどを通じた為替ストラテジストの見解を見ると、1ドル=140円くらいまでが当面の円高の目途と見ている向きが強いようです。ちなみに、筆者の従前からの見解としても日米間の金利差と円相場の関係から見て、1ドル=140円くらいが妥当ではないかと見ております。

その相関関係から見て、あと10円程度の円高・ドル安が進むと見ると、日経平均は38,126円(8/1終値)から2,950円程度下落し、35,000円台前半へ下がることが想定されます。円高警戒が強いうちは、日経平均の反発力も弱くなると考えられます。

ちなみに、今晩は米国で7月雇用統計の発表が控えています。

Bloombergによると、非農業部門雇用者数の市場予想は前月比+17.5万人と6月速報値の同+20.6万人から伸び鈍化が予想されています。また、雇用者数以外のデータについても、強弱はあれども全体的に雇用市場の減速が示唆される予想となっています。

これまでの米国株式市場では、景気減速を示す経済指標は、景気減速による金融緩和期待を高め、金利低下を促して株価が上昇する(株高・債券高)、といった構図でした。しかし、これが最近は、景気減速を示す経済指標は、景気後退による金融緩和懸念を高め、金利低下により株価下落(株安・債券高)といった構図に市場の捉え方が変わり始めているようです。特に、今週のFOMCでハト派的な姿勢が示されたことが、この傾向を強めたと見られます。

(日米の金融政策、および市場への影響については、YouTubeのSBI証券公式チャンネル、8/1登録予定のストラテジストの視点「日米の金融政策方針に変化あり!?今後の相場見通しは?」で解説しております。あわせてご覧いただけると幸いです)

今晩の7月雇用統計が市場予想通りに景気減速を示す内容だった場合、リスク回避の米株安と、米金利低下による円高・ドル安が進むことで、日本株をもう一段下押しする可能性に注意する必要がありそうです。

  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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