注意!?日経平均採用銘柄の業績が踊り場に

投資情報部 鈴木 英之

2025/05/19

5/19(月)の東京株式市場では日経平均株価が売り先行となりました。前週(5/12~5/16)は、米中協議を経て両国が当面関税を引き下げる妥協が成立し、米国株が総じて上昇。日経平均株価も一時、3月下旬以来の3万8千円台を回復しました。

ただ、日経平均株価がトランプ政権から「相互関税」が提示された4/2(水)以前の水準を回復し、2月下旬まで続いたボックス相場の下限である38,000円台を回復したことで、戻り売りが出やすくなっています。5/16(金)には米国で、格付け機関であるムーディーズ・レーティングが米国長期発行体格付け等を最上位の「Aaa」から「Aa1」に引き下げました。今後、米国債が売られ(金利が上昇し)円高・ドル安が進んだ場合、日米株式市場にも逆風が強まる可能性があり、注意が必要です。

こうした中、東京株式市場では3月決算企業を中心とする決算発表がおおむね一巡しました。5/16(金)時点で、日経平均採用銘柄の業績見通しを示唆する日経平均予想EPS(1株利益)は2,186円まで低下しました。決算発表本格化直前で、ちょうど1ヵ月前となる4/16時点では、2,477円でしたから、そこから13%超低下したことになります。同時に、日経平均株価の予想PERは17.27倍と、昨年7月以来の高水準まで上昇しました。

日経平均株価の予想EPSが企業業績という「現実」を、予想PERが市場の強気・弱気という「心理」を表すならば、4月以降の株価反発は、企業業績という「現実」に不透明感が強まる中、トランプ大統領による関税政策への懸念が後退するという「心理」の改善により上昇してきた形です。ただ、東京株式市場がコロナ禍による混乱から立ち直って以降、予想PERの上限は17倍台であり、今後日経平均株価が上昇するのには、予想EPSの底打ち・上昇も望ましいところです。

それまでは、今期業績見通しの強弱を手掛かりとした選別物色が続く可能性がありそうです。

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