「日経平均6万2千円」は過熱?妥当?
投資情報部 鈴木 英之
2026/05/07
「日経平均6万2千円」は過熱?妥当?
連休明けの5/7(木)の東京株式市場では、日経平均株価が取引時間中に62,000円を上回りました。現地時間5/1(金)~5/6(水)の米国市場では、S&P500指数およびNASDAQ総合指数が過去最高値を更新しており、その流れを引き継ぐ展開となりました。
また、トランプ米大統領が、米中首脳会談(5/14~5/15の予定)を前に、イランとの停戦が実現する可能性に言及したことも伝えられました。これを受けて停戦への期待が高まり、原油価格(WTI先物)は1バレル95ドル台(5/6)まで下落しました。この動きが米国株高につながっています。さらに、半導体メーカーのAMDが決算および業績見通しを発表し、AIエージェントの普及が同社のCPU需要を押し上げていることが確認されました。これを背景に半導体・AI関連株が上昇し、フィラデルフィア半導体株指数は5/6に大幅高となり、過去最高値を更新しました。
仮に5/7(木)の日経平均株価の終値が62,000円となった場合、25日移動平均線からのプラス乖離率は8.6%となります。「過熱圏」とされる7~8%を上回っていることから、利益確定売りが出やすい水準にあるとみられ、十分な注意が必要です。
ただし、ここで留意すべき点が一点あります。決算発表の進展に伴い、日経平均株価の予想EPS(1株当たり利益)は5/1(金)時点で3,010円と過去最高水準まで上昇しています。日経平均株価自体も過去最高水準に達していますが、単なる投資家心理(ムード)による上昇ではなく、企業業績の拡大見通しという裏付けがある点は、心強い材料と考えられます。
株式市場の心理状態を示す日経平均株価の予想PERについて見てみます。仮に5/7終値が62,000円、予想EPSが3,010円で維持された場合、予想PERは20.6倍となります。直近では、4/16(木)に20.9倍(終値59,518円)まで上昇しており、その水準と比較すると低下しています。予想EPSの上昇により、株価が上昇しているにもかかわらず割高感が一段と強まっているわけではない点には留意が必要です。
もっとも、「好調な決算発表」が今後も継続するかどうかについては注意が必要です。決算発表の前半は、半導体・AIブームの恩恵を受けやすい電気機器セクターの企業が中心となっていますが、5月中旬に向けては幅広い業種で決算発表が続きます。イラン問題やサプライチェーンの混乱、原材料価格の上昇などの影響を受ける企業も多いとみられ、過度な楽観は避けるべき局面かもしれません。
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