退職予定者の口座移管スケジュール いつまでに何をすべきなのか

同じ会社員でも企業型確定拠出年金を実施しているところとそうでないところでは、拠出額の上限が異なります。また、個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」に加入している場合は、退職する際に手続きが必要となります。今回は退職予定者がやるべきことをパターン別に紹介していきます。

退職予定者がやるべきこと

企業型確定拠出年金はiDeCoと同じように加入者が運用商品を選びます。運用実績により、将来受け取ることのできる金額が決まるのです。企業を退職する際に加入者がやるべきことについて、パターン別にみていきましょう。

基本的には、企業型確定拠出年金に加入していた場合は、その資産の行く先をどうするか手続きをする必要があります。企業型確定拠出年金の拠出額は高額なことが多いため、手続き忘れによる損をしないようにしましょう。退職後の属性ごとに6パターンをみていきましょう。

1. 退職前はiDeCoに未加入 退職後は専業主婦(主夫)になる
退職後は専業主婦(主夫)になる場合は、企業の担当者に確認する必要があります。専業主婦(主夫)の場合も2017年1月から、個人型確定拠出年金に加入することは可能となっています。そのため、企業型確定拠出年金で積み立ててきた資産を個人型確定拠出年金に移換することもできるようになりました。

この場合、金融機関に「個人型年金加入申出書」と「個人別管理資産移換依頼書」の書類提出など一定の手続きが必要となります。

2. 退職前iDeCoに加入済み 退職後は専業主婦(主夫)になる
企業型個人型確定拠出年金の手続きを行うとともに、積み立ててきた資産を個人型確定拠出年金に移換することが可能です。「個人別管理資産移換依頼書」を提出するなど一定の手続きが必要になります。

3. 退職前iDeCoに未加入 転職先企業に企業型確定拠出年金がある
転職先企業に企業型確定拠出年金の制度がある場合、転職先の企業型確定拠出年金への移換を依頼することになります。この場合の手続きは、転職先の担当者に問い合わせてその指示に従い、書類の提出などを行いましょう。

4. 退職前iDeCoに未加入 転職先企業に企業型確定拠出年金がない
転職先企業に確定拠出年金がない場合、iDeCoに加入して移換することが可能です。この場合「個人型年金加入申出書」と「個人別管理資産移換依頼書」を提出します。

5. 退職前iDeCoに加入済み 転職先企業に企業型確定拠出年金がある
退職する企業に積み立ててきた資産を転職先企業の確定拠出年金の口座に移換することが可能です。この場合は、転職先企業の手続きに従うことになるので、担当者に問い合わせて手続きを行いましょう。

iDeCoに加入済みの場合は、拠出金の限度額が変更になる場合や併用できなくなる場合もあるので、転職先企業の担当者に確認する必要があります。

6. 退職前iDeCoに加入済み 転職先企業に企業型確定拠出年金がない
退職する企業の企業型確定拠出年金で積み立てたものをiDeCoの口座に移換することが可能です。この場合は、「個人別管理資産移換依頼書」を提出することになります。

退職時は手続きが多くバタバタしがち、移換手続きを忘れないように

退職時は年金だけでなくさまざまな手続きがあるため、企業型確定拠出年金の手続きもれが発生しがちです。しかし、企業型確定拠出年金で積み立てられたものをきちんと移行しないと、その分運用が滞ってしまうため、もったいないことになります。手続きを忘れないように注意しましょう。

>>イデコについてもっと詳しく知りたい方はこちら

【オススメ記事】
なぜ主婦(夫)が確定拠出年金に入れるようになったのか
意外と知られていない個人型確定拠出年金「iDeCo」の落とし穴
確定給付年金との違いをおさらい
銀行預金は税金を引かれている!?それを防止できるiDeCoとは?
確定拠出年金で選べる金融・投資商品はどんなものがあるのか