レポート・コラム

野村アセット運用チームは2026年の市場環境をどう見るか?

野村アセット運用チームは2026年の市場環境をどう見るか?

日頃よりSBIラップ 匠の運用コース(以下、「匠ラップ」)を多くのお客様にご利用いただいておりますこと、心より感謝申し上げます。この記事では、2025年の市場環境と投資判断を振り返り、匠ラップの投資判断に関する助言を行う野村アセットマネジメント(以下、「野村アセット」)による2026年の市場環境の展望をご紹介します。

① 2025年の市場環境と投資判断の振り返り

市場環境の振り返り

2025年は、3月~4月にかけて米国の関税政策に対する懸念が市場を支配して国内外の株価は急落、為替では米ドルが対円で大幅に下落して円高・ドル安が進みました。しかし、その後は比較的早期に回復を遂げて年後半にかけて小幅な調整を挟みつつも堅調な相場展開が続きました。株式市場は、4月初旬に米国の強硬な相互関税の詳細が発表されたことを受けて世界経済の先行きに対する不確実性が急拡大し、米国株式を中心として比較的リスクが高い資産から、資金が短期間のうちに流出する展開となりました。その後、相互関税の上乗せ部分に関する一時停止や各国との個別交渉の進展が伝わるにつれて悲観が和らぎ、またAIの普及に付随して半導体・データセンター等の設備投資に関連するニュースに注目が集まりました。そして、FRB(米連邦準備制度理事会)による利下げの実施および追加利下げ期待も重なり、世界的に株式市場は夏から秋にかけて回復し上昇基調を強めました。債券市場は、米国においてインフレの鈍化に加え、FRBが物価より雇用の下振れリスクを重視する姿勢を示したことで、利下げ期待から長期金利が低下(債券価格は上昇)しました。一方、日本では日銀の利上げ観測に加えて、高市新政権による大規模な財政出動による財政悪化懸念等が金利上昇圧力となり、債券価格は下落するとともに、為替は円安方向へと転じました。振り返ると、春の“関税ショック”を起点に、各国の政策・日米金利動向・AI関連企業による投資への期待感がリスク選好を再構築した一年と総括することができます。
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期間:2024年12月末~2025年11月末、日次

国内株式:東証株価指数(TOPIX)(配当込み)、外国株式:MSCI KOKUSAI(配当込み、米ドルベース)

株式指数は2024年12月末を100として指数化

(出所)野村アセットマネジメントの情報提供に基づきFOLIO作成

投資判断の振り返り

匠ラップでは、中長期でのリターンとリスクの均衡を重視し、株式60%・債券40%をベースラインとしています。2025年を振り返ると、比較的リスクが高い資産(日本株、世界株、J-REIT、グローバルREIT、外国債券(米国ハイ・イールド))は1年を通じてベースラインとする配分(株式60%)を上回る水準としました。2025年の前半こそは比較的リスクが高い資産の比率を相対的に抑えていましたが、年後半にかけてはその比率を段階的に引き上げ、12月時点では77%となっています。2025年前半は関税を巡る不確実性が色濃く、ポートフォリオのリスク管理を優先した一方で、年後半は日本を除く主要国における金融緩和の継続とグローバルな景気回復期待の高まり、さらにAI関連企業による設備投資の活況を追い風と判断したためです。結果として、ボラティリティの抑制に配慮しつつ機動的なリバランスを行い、相場上昇の恩恵を一定程度取り込み、安定性と成長性の両立を図る運用が奏功したと言えます。こうした判断は、運用モデルの改良を継続したことに加え、野村アセットマネジメントにおける運用チームによる「匠」の判断に支えられています。
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期間:2025年1月~2025年12月、月次

※運用実績は過去のものであり、将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。

② 野村アセット運用チームは2026年の市場環境をどう見るか?

2026年の金融市場は、適温相場(ゴルディロックス)の継続を見込んでいます。その実現可能性を左右する最大の要因は、金融緩和政策の持続性です。野村アセット運用チームでは米国の金融緩和が続くと想定しており、その背景にはインフレ率の伸びの減速があります。2025年は関税引き上げの影響が消費者へ転嫁され、財の価格が一時的に上振れしましたが、これは関税による一過性の要因とみています。足元では中古車卸売価格の伸びが鈍化するなど、関税要因は2026年中に収束する見込みです。サービス価格についても、先行指標である新規家賃の鈍化や賃金の伸びの頭打ちが、価格上昇圧力の緩和を示唆しています。
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期間:2015年1月~2025年9月、月次(米政府閉鎖のため執筆時点の最新データを用いています)

(出所)野村アセットマネジメントの情報提供を基にFOLIO作成

経済成長は潜在成長率をやや下回るレンジで推移し、過熱も失速も回避する穏やかな展開を想定します。個人消費は階層間の二極化が続き、低・中所得層では高インフレが重荷となる一方、高所得層では株高などの資産効果が下支えすると見込まれます。設備投資はAI関連の投資継続を軸にデータセンター、半導体、電力分野へ資金が流入する一方、住宅投資はなお低調とみられます。雇用は流動性が低下しつつも新規採用・レイオフともに少なく、失業率は横ばいから若干上昇の見通しです。こうした環境下では利下げ基調が続き、株式や社債などのバリュエーションは下支えされやすい地合いが続くと考えます。一方で、成長の果実は分野・企業間で不均一に現れ、恩恵が特定セクターへ偏りやすいとみており、セクター別配分と銘柄選定の精度が投資の成果を大きく左右します。投資にあたっては、「収益の質」「バリュエーションの妥当性」「キャッシュフローの持続性」に加え、価格決定力・資本効率・財務健全性を総合的に評価し、過度なテーマ過熱を避ける規律が不可欠です。こうした複合要因をタイムリーに織り込み、セクター別配分と銘柄選定を適切に調整するには、継続的なリサーチと機動的なリバランスを伴うアクティブ運用が有効であると考えており、プロの目による選定とリスク管理が、安定性と成長性の両立に資すると考えます。 最後に2026年の特に留意すべきと考える主なリスクをご紹介します。・既に高水準にあるPER(株価収益率)など、株式バリュエーションの脆弱性・FRB議長人事等を契機とした中央銀行への信認低下・米中間選挙に伴う将来的な政策に対する不確実性これらのリスクが一時的な変動にとどまらず、市場構造の変化をもたらす場合には、従来の前提が通用しない可能性を踏まえ、資産配分・リスク水準・為替ヘッジ方針を含めてポートフォリオを抜本的に見直す必要があります。匠ラップは、専門家による銘柄選択と継続的なモニタリング、ポートフォリオの一元管理と迅速なリバランスを通じて、お客様の目標に沿った長期的な資産形成を支えることを目指すラップサービスです。野村アセット運用チームは市場環境を鋭意モニタリングし、変動に対して柔軟かつ迅速に対応することで、受益者の皆さまにリターンをお届けするよう努めてまいります。

※ 本コラムについて

  • 市場環境に関する過去の事実等の情報提供や作成時点での見解をご紹介するために野村アセットマネジメントの情報をもとにFOLIOが作成した資料です。そのため、上記のような投資判断を今後行うことを保証するものではございません。将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。

  • 記載内容は作成時点のものであり、将来の市場環境の変動や運用成果等を示唆または保証するものではありません。

  • 信頼できると考えられる情報を用いて作成しておりますが、その正確性、完全性等について保証するものではありません。

※本資料で使用した指数について

  • 配当込みTOPIX(以下「東証株価指数(TOPIX)(配当込み)」といいます。)の指数値及び東証株価指数(TOPIX)(配当込み)に係る標章又は商標は、株式会社JPX総研又は株式会社JPX総研の関連会社(以下「JPX」といいます。)の知的財産であり、指数の算出、指数値の公表、利用など東証株価指数(TOPIX)(配当込み)に関するすべての権利・ノウハウ及び東証株価指数(TOPIX)(配当込み)に係る標章又は商標に関するすべての権利はJPXが有します。JPXは、東証株価指数(TOPIX)(配当込み)の指数値の算出又は公表の誤謬、遅延又は中断に対し、責任を負いません。本商品は、JPXにより提供、保証又は販売されるものではなく、本商品の設定、販売及び販売促進活動に起因するいかなる損害に対してもJPXは責任を負いません。

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