2024年10月の実績、投資配分、寄与度
「SBIラップ 匠の運用コース(愛称:匠ラップ)」(以下、「匠ラップ」といいます)は、野村アセットマネジメント独自の投資戦略と、同社が厳選したアクティブファンドを活用することで、リスクを抑えながら効率的にリターンを追求することを目指す「おまかせ運用」サービスです。2023年7月15日より提供を開始し、2023年7月19日に運用を開始しています(※1)。2024年10月の世界の株式市場を振り返ると、米国では堅調な経済指標や大手ハイテク企業を中心とした好業績への期待等から堅調に推移していましたが、月末に一部で市場予想を下回る企業決算が公表されたこと等が嫌気され下落しました。また、低調な経済指標の公表が相次いだ欧州やインド等、主要国の多くの株式市場が下落しました。為替は、経済指標の底堅さから米国の景気悪化への懸念が後退したことや、11月に控えていた米大統領選でトランプ氏が優勢となりつつあり、掲げる政策がインフレを予測させていたことから、米国長期金利が上昇、日米金利差が拡大して円安・ドル高が進みました。また、下旬には日本の総選挙で政権与党の議席数が過半数割れとなったこと等から、円安・ドル高の傾向が強まりました。以下は、そのような環境下における2024年10月の約1ヵ月間の匠ラップのパフォーマンスと各投資対象ファンドの騰落率(円建て)、および匠ラップの投資配分です。(※1,5,7)2024年10月のパフォーマンスの振り返り
2024年10月の匠ラップは、以下のような投資環境を想定し、株式、REIT、米国ハイ・イールド債券という比較的リスクが高い資産への投資比率を63.5%として、匠ラップの運用戦略において参考とする株式60%、債券40%と比べてやや高めのリスク水準で運用を行いました。- 米国においては緩やかながら景気減速が進んでおり(*)、欧米の金融政策が緩和転換したとはいえ景気浮揚効果が現れるにはまだ時間がかかり、現時点では経済を再び大きく成長させる要因は乏しいとの認識であるものの、これまで警戒を続けてきた信用不安を引き起こすような急激な景気後退に陥る可能性は米国の利下げ転換により小さくなったと判断し、経済見通しに対して中立の姿勢
- (*)代表的な景況指標であるISM製造業景況指数が低水準で推移していることや、求人件数の減少、失業率の上昇といった遅行指標といわれる雇用に関する経済指標にも悪化の傾向が確認されることなどが背景
- 金融資産全般に関しては、株価や債券価格が上昇しやすい環境になると想定(**)する一方で、日本は欧米の金融政策循環に遅れてこれから引き締め局面が始まると見られることから、国内債券に対しては慎重な投資姿勢で臨むべきだとの考えを維持
- (**)多くの先進国に続いて米国もついに金融緩和へと舵を切ったことから、仮に緩和でも引き締めでもない政策金利の水準である「中立金利」がかつてよりも切りあがっている可能性を踏まえても、各国がコロナ禍以降に引き上げた政策金利の幅を考慮すると、今後の追加的な利下げ余地は大きいと想定
リリース来の実績
以下の折れ線グラフは「匠ラップ(※1)(赤色線)」「合成指数(※2)(青色線)」の比較グラフで、開始点は2023年7月19日です。運用開始日の2023年7月19日から2024年10月31日の期間で、匠ラップの運用実績は+16.31%(※1,3)となり、参考とする合成指数(※2,3)との比較では-4.27%(※4)となりました。 また以下は、直近1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月、1年および匠ラップのリリース来のパフォーマンスです。(※6)*合成指数の値は運用にかかる費用等を考慮していません。
・運用実績は過去のものであり、将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。
・匠ラップは、オールウェザー戦略の考えを取り入れ、株式60%、債券40%の資産配分を参考としながら、事前想定リスク年率10%程度でリターンの最大化を目指し、資産配分を決定します。本グラフでは、匠ラップの運用戦略に基づく資産配分の決定がどれだけパフォーマンスに寄与しているかを示すために、前述の資産配分の参考値に基づきFOLIOが作成した合成指数(※2)を用いて、パフォーマンスの比較を行っています。
※1 匠ラップの運用実績について
2023年7月19日(サービスリリースした7月15日に申込を行い最短で運用を開始した場合の投資対象ファンドの最初の買付約定日)から表示日まで、または表示している期間において、匠ラップに投資していた場合の運用実績です。 投資対象ファンドの基準価額(信託報酬やその他の費用が考慮されており、分配金は当該ファンドに再投資したものと仮定しています。)をもとに、「(計算期間終了日基準価額/計算期間開始日基準価額)-1」で計算したものを%表示しています。リバランスは最適ポートフォリオとの乖離がないように実施したと仮定し、運用手数料を年率0.77%(税込)徴収したと仮定して計算を行っています。(※3)
※2 合成指数の推移について
「合成指数」のシミュレーションにあたっては、匠ラップが参考とする資産配分である株式60%、債券40%の割合でMSCIワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)とFTSE世界国債インデックス(除く日本、ヘッジあり・円換算ベース)を合成して計算しています。投資対象ファンドの基準価額に市場価格が反映されるタイミングを考慮し、合成指数の計算期間開始日および終了日を前倒して表示しています。(※3)
※3 運用実績および合成指数のシミュレーションについて
本文およびグラフ上で表示している割合は年率ではありません。計算後の数値の小数第3位以下を切り捨てて表示しています。将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。分配金やリバランス時の譲渡益にかかる税金は考慮していません。
※4 表示期間における、匠ラップの運用実績と合成指数のシミュレーションの比較です。小数第3位以下を切り捨てて表示しているため、表示上の数値を用いて計算すると数値が一致せず誤差が生じる場合があります。
※5 表示の投資配分はリバランス実施時に目標とする比率であり、実際の運用では市場変動等の影響により表示の比率と乖離が発生することがあります。
※6 1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月、1年のパフォーマンスは、それぞれ直近Nヵ月前およびN年前の資産の評価額と2024年10月31日における評価額に基づいて計算しています。匠ラップリリース来のパフォーマンスは、2023年7月19日の資産評価額と2024年10月31日における評価額をもとに計算しています。表示している割合は年率ではありません。将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。
※7 騰落率グラフは2024年9月30日の基準価額を基準として、2024年10月31日における各投資対象ファンドおよび、匠ラップのリターンを示したものです。各投資対象ファンドの騰落率の計算は、「(2024年10月31日時点の基準価額/2024年9月30日時点の基準価額)-1」で行い、%表示をしています。寄与度グラフは騰落率グラフのデータを用いて、匠ラップの投資配分(指定期間の途中で行われたリバランスも考慮)に従って、匠ラップのリターンに対する各投資対象ファンドの寄与度を示したものです。投資対象ファンド毎に約定に要する日数が異なる点や計算期間中に実施されるリバランスの影響により、騰落率グラフが示す各投資対象ファンドのリターンがプラスであっても、寄与度グラフにおいてはマイナスとなる場合があります(逆の場合もあります)。匠ラップのリターンの算出方法については、※1をご参照ください。将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。
運用会社FOLIOからのメッセージ
匠ラップでは、「匠」の戦略が詰まったアクティブファンド(≠インデックスファンド)を活用し、市場平均を上回るリターンの獲得を目指しています。 2024年10月におけるアクティブファンドの活用の例として、「世界株(グロース)」とその参考指数である「MSCIワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)」を比較してみると、「世界株(グロース)」は月間で参考指数を2.24%上回りました(※8)。 今後も「匠」ならではの運用によって、投資環境に左右されにくい安定した収益の獲得を目指します。※8 グラフ等について
・将来の傾向や投資収益等を示唆又は保証するものではありません。
・「世界株(グロース)」は野村アセットマネジメント社から提供された「ラップ専用・世界株式アクティブ(グローバル・マルチテーマ)」の分配金再投資基準価額データ(信託報酬等の費用考慮後)を用い、またBloombergが提供する「MSCIワールド・インデックス(配当込み)」をFOLIOにて円換算したデータを参考指数として用いて、2024年9月30日を基準としてFOLIOにて計算し作成したものです。小数第3位以下を切り捨てて表示しています。
・「ラップ専用・世界株式アクティブ(グローバル・マルチテーマ)」の基準価額に市場価格が反映されるタイミングを考慮し、「MSCIワールド・インデックス(配当込み)」の計算期間開始日および終了日を前倒して表示しています。
・「ラップ専用・世界株式アクティブ(グローバル・マルチテーマ)」と「MSCIワールド・インデックス(配当込み)」の2024年10月の月間騰落率である+9.38%と+7.13%との比較が+2.24%です。小数点以下第3位を切り捨てて計算している箇所があるため、小数点以下第2位の数値が必ずしも一致しない場合があります。
・信頼できると考えられる情報を用いて算出しておりますが、情報の正確性、完全性等について保証するものではありません。
2024年10月のマーケットを振り返る
ここで2024年10月のマーケットを振り返ります。【米国市場概況】
米国株式市場の指標であるS&P500は中旬にかけて、中東情勢の緊迫化やそれに伴う原油高等が重荷となったものの、雇用指標等の強い経済指標を受けて経済がソフトランディング(軟着陸)もしくは景気減速が発生しないノーランディングに向かうとの期待感が高まり、最高値を連日更新するなど堅調に推移しました。 一方で下旬は、米金利が上昇を続けたことで、債券に対する株式の割高感が意識されたこと等が響き小幅に下落しました。また、月末には大手ハイテク企業の決算発表が市場の期待に届かなかったこと等で、期待感で値上がりしていたハイテク株を中心に幅広く下落し、月間の上昇分を全て打ち消して、最終的に前月比-0.98%となりました。【先進国市場概況】
日本株式市場の指標であるTOPIXは上旬に、日銀による早期利上げ観測が後退したことに伴う円安・ドル高の進展や米国の景気不安の後退等から上昇しましたが、下旬にかけては衆議院議員選挙を控えた不透明感等から下落しました。政権与党が過半数を割る結果となったものの、事前の織り込みが進んでいたこと等から反発し、最終的には前月比+1.87%となりました。欧州株式市場の指標であるストックス欧州600指数は上旬から、フランスの政治的な混乱やドイツやフランスをはじめ各国景気に対する懸念等の悪材料と、ECB(欧州中央銀行)が実施した利下げ等の好材料が入り交じり、小幅に推移しました。しかし、月末に米国のハイテク株安を受けて下落して、最終的には前月比-3.34%となりました。【新興国市場概況】
中国株式市場の指標である上海総合指数は、9月後半に当局が実施した景気の刺激策等を受けて、月初の大型連休明けに2年7か月ぶりの高値を付けました。その後は当局による追加の支援策の実施と更なる期待が続いたことが下支えとなりましたが、急騰に対する反動売りや根強い景気の後退懸念等から下落圧力がかかり、最終的に前月比-1.69%となりました。インド株式市場の指標であるインドSENSEXは上旬に、弱い経済指標や緊迫する中東情勢への警戒感等を受けて大幅に下落しました。さらにインフレ率の加速により利下げ観測が後退したことや、外国人投資家の連日の売り越し等が重石となり、月間を通して下落基調が続いたことで最終的に前月比-5.82%となりました。【為替・その他】
ドル/円為替相場は、米国の強い雇用統計等を受けて米金利が上昇した一方で、日本では石破自民党新総裁が利上げに慎重な発言をしたこと等から日米金利差が拡大し、円安・ドル高基調が月末まで続きました。月末の日銀金融政策決定会合では、金利を据え置きつつも利上げに前向きな見解を示したことで円は対ドルで上昇しましたが、最終的には前月比で5.84%の円安・ドル高となりました。米国10年債利回りは、米景気不安の後退による利下げペースの緩和観測やトランプ氏が大統領選で優勢になりつつあることへの警戒感から上昇して、最終的に4.28%付近で10月を終えました。金は中東情勢の緊迫や米大統領選の不透明感等から安全資産として連日最高値を更新する場面があり、前月に引き続き上昇しました。各指数等のデータはBloombergが提供する値を用いています。表示されている値(米国10年債利回りを除く)は、小数第3位以下を切り捨てています。
最新の投資配分の確認方法最新の投資配分が気になる方は、匠ラップ契約後のサマリー画面にてご確認いただくことができます。口座開設・ログインはこちらスマートフォンでの利用方法SBI証券スマートフォン専用サイトや各種アプリを経由して、スマートフォンでも匠ラップを便利にご利用いただけます。詳しくはコラムでご紹介しています。■本資料について
・投資環境に関する過去の事実等の情報提供や作成時点での見解をご紹介するために、匠ラップの投資運用業務を行う株式会社FOLIOが作成した資料です。
・記載内容は作成時点のものであり、将来の市場環境の変動や運用成果等を示唆または保証するものではありません。
・信頼できると考えられる情報を用いて作成しておりますが、その正確性、完全性等について保証するものではありません。
■株式会社SBI証券
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第44号、商品先物取引業者
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■株式会社FOLIO
金融商品取引業者(第一種金融商品取引業、投資助言・代理業、投資運用業) 関東財務局長(金商)第2983号
加入協会:日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会