レポート・コラム

<SBIラップ 匠の運用コース 2025年4月の実績>

<SBIラップ 匠の運用コース 2025年4月の実績>

2025年4月の実績、投資配分、寄与度

「SBIラップ 匠の運用コース(愛称:匠ラップ)」(以下、「匠ラップ」といいます)は、野村アセットマネジメント独自の投資戦略と、同社が厳選したアクティブファンドを活用することで、リスクを抑えながら効率的にリターンを追求することを目指す「おまかせ運用」サービスです。2023年7月15日より提供を開始し、2023年7月19日に運用を開始しています。(※1)2025年4月の世界の株式市場を振り返ると、トランプ米政権の相互関税に大きく揺さぶられる展開となりました。4月2日に市場参加者の予想を超える厳しい相互関税が発表され、多くの国で株価が急落しました。しかし、9日には実際に追加の相互関税が発動されたものの、同日のうちに90日間の一時停止が発表されたことで、その後は回復基調となりました。とはいえ、追加関税の一時停止発表後も、中国への高関税が維持されたことや、米国債が一時的に大きく売られたこと、追加関税に関する今後の不透明感等の不安要因は残っており、神経質な展開が続きました。為替市場では、相互関税発表後に米国から資金が逃避し、円高・ドル安が進行しました。月後半には、株式市場の回復や米長期金利の安定とともに、わずかに円安・ドル高方向に戻す場面もありました。以下は、そのような環境下における2025年4月の約1ヵ月間の匠ラップのパフォーマンスと各投資対象ファンドの騰落率(円建て)、および匠ラップの投資配分です。(※1,5,7)
202504_takumi_graph02
202504_takumi_graph03

2025年4月のパフォーマンスの振り返り

2025年4月の匠ラップは、以下のような投資環境を想定し、株式、REIT、米国ハイ・イールド債券という比較的リスクが高い資産への投資比率を71.0%として、匠ラップの運用戦略において参考とする株式60%、債券40%と比べて高めのリスク水準で運用を行いました。
  • これまでも注視してきた米国の通商政策については、当初の想定よりも強硬な態度が取られており、その不確実性を巡り市場ではボラティリティ(価格変動性)の上昇傾向が見られる一方で、通商政策が一時的に景気の下振れ圧力になることはある程度織り込まれており、その後に控えている拡張的な財政政策が企業収益や個人消費を押し上げるとの見方(*)を継続
    • (*) 米国による関税引き上げはメキシコやカナダ、中国などを中心とする貿易相手国の経済成長をも下押しする可能性が高いものの、悪影響が続く場合にはそれをオフセットする対応策がとられることが見込まれるため一時的な影響となると想定
  • マーケットでは今後の利下げに関してはペースの鈍化や停止が意識されている(**)ものの、FRB(米連邦準備制度理事会)が利上げへの転換を強いられるような劇的な環境変化が生じるとは見なしておらず(***)、米国の関税賦課の影響を考慮したとしても基本的に成長軌道にあると考えられる世界経済に対して、想定外に景気の腰折れがマーケットで意識される展開となった場合にも再び利下げ期待が高まることでリスク資産価格も下支えされる環境となることを想定
    • (**)現状、中央銀行の焦点が景気悪化よりも物価に当たっていると見られる中で、短期的には米国の関税賦課の影響を受けて物価上昇が加速する可能性が高いため
    • (***)米国の関税賦課の影響が物価に現れるにはラグがあること、CPIへの寄与度が大きいガソリン価格が前年比で大きく下落していることに着目
 月間では、円高・ドル安の影響が限定される「外国債券(国債型)」と「国内債券」、「J-REIT」がわずかに上昇しましたが、それ以外の投資対象ファンドはいずれも下落しました。匠ラップにおいては、上昇した「外国債券(国債型)」を比較的多く保有していたことでマイナス幅を一部抑制できましたが、 下落幅が大きかった「世界株(グロース)」や「世界株(バリュー)」も比較的多く保有していたことがマイナスに影響して、4月のパフォーマンスは-2.39%となりました。(※1,6)以下のグラフは、匠ラップのリターンに対する各資産の寄与度(どの資産がどのくらい匠ラップの騰落に影響を与えているか)です。(※7)
202504_takumi_graph04

リリース来の実績

以下の折れ線グラフは「匠ラップ(※1)(赤色線)」「合成指数(※2)(青色線)」の比較グラフで、開始点は2023年7月19日です。運用開始日の2023年7月19日から2025年4月30日の期間で、匠ラップの運用実績は+8.68%(※1,3)となり、参考とする合成指数(※2,3)との比較では-3.76pt(※4)となりました。
202504_takumi_graph01
 また以下は、直近1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月、1年および匠ラップのリリース来のパフォーマンスです。(※6)
202504_takumi_table

※合成指数のパフォーマンスは手数料および信託報酬として運用資産額の年1.46%(年率・税込)を控除した数値を表示しています。

・運用実績は過去のものであり、将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。

・匠ラップは、オールウェザー戦略の考えを取り入れ、株式60%、債券40%の資産配分を参考としながら、事前想定リスク年率10%程度でリターンの最大化を目指し、資産配分を決定します。本グラフでは、匠ラップの運用戦略に基づく資産配分の決定がどれだけパフォーマンスに寄与しているかを示すために、前述の資産配分の参考値に基づきFOLIOが作成した合成指数(※2)を用いて、パフォーマンスの比較を行っています。

※1 匠ラップの運用実績について

2023年7月19日(サービスリリースした7月15日に申込を行い最短で運用を開始した場合の投資対象ファンドの最初の買付約定日)から表示日まで、または表示している期間において、匠ラップに投資していた場合の運用実績です。 投資対象ファンドの基準価額(信託報酬やその他の費用が考慮されており、分配金は当該ファンドに再投資したものと仮定しています。)をもとに、「(計算期間終了日基準価額/計算期間開始日基準価額)-1」で計算したものを%表示しています。リバランスは最適ポートフォリオとの乖離がないように実施したと仮定し、運用手数料を年率0.77%(税込)徴収したと仮定して計算を行っています。(※3)

※2 合成指数の推移について

「合成指数」のシミュレーションにあたっては、匠ラップが参考とする資産配分である株式60%、債券40%の割合でMSCIワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)とFTSE世界国債インデックス(除く日本、ヘッジあり・円換算ベース)を合成して計算しています。手数料および信託報酬として運用資産額の年1.46%(年率・税込)を控除した数値を表示しています。投資対象ファンドの基準価額に市場価格が反映されるタイミングを考慮し、合成指数の計算期間開始日および終了日を前倒して表示しています。(※3)

※3 運用実績および合成指数のシミュレーションについて

本文およびグラフ上で表示している割合は年率ではありません。計算後の数値の小数第3位以下を切り捨てて表示しています。将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。分配金やリバランス時の譲渡益にかかる税金は考慮していません。

※4 表示期間における、匠ラップの運用実績と合成指数のシミュレーションの比較です。小数第3位以下を切り捨てて表示しているため、表示上の数値を用いて計算すると数値が一致せず誤差が生じる場合があります。

※5 表示の投資配分はリバランス実施時に目標とする比率であり、実際の運用では市場変動等の影響により表示の比率と乖離が発生することがあります。

※6 1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月、1年のパフォーマンスは、それぞれ直近Nヵ月前およびN年前の資産の評価額と2025年4月30日における評価額に基づいて計算しています。匠ラップリリース来のパフォーマンスは、2023年7月19日の資産評価額と2025年4月30日における評価額をもとに計算しています。表示している割合は年率ではありません。将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。

※7 騰落率グラフは2025年3月31日の基準価額を基準として、2025年4月30日における各投資対象ファンドおよび、匠ラップのリターンを示したものです。各投資対象ファンドの騰落率の計算は、「(2025年4月30日時点の基準価額/2025年3月31日時点の基準価額)-1」で行い、%表示をしています。寄与度グラフは騰落率グラフのデータを用いて、匠ラップの投資配分(指定期間の途中で行われたリバランスも考慮)に従って、匠ラップのリターンに対する各投資対象ファンドの寄与度を示したものです。投資対象ファンド毎に約定に要する日数が異なる点や計算期間中に実施されるリバランスの影響により、騰落率グラフが示す各投資対象ファンドのリターンがプラスであっても、寄与度グラフにおいてはマイナスとなる場合があります(逆の場合もあります)。匠ラップのリターンの算出方法については、※1をご参照ください。将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。

運用会社FOLIOからのメッセージ

匠ラップでは、「匠」の判断により投資配分を調整することに加えて、投資対象ファンドとして、インデックスファンドではない「匠」の戦略が詰まったアクティブファンドを活用することで、市場平均を上回るリターンの獲得を目指しています。2025年4月におけるアクティブファンドの活用の例として、「外国債券(総合型)」とその参考指数である「ブルームバーグ・グローバル総合(日本円除く)インデックス(円換算ベース)」を比較してみると、後者は月間で-2.72%と下落した一方で「外国債券(総合型)」は月間で-1.28%と、参考指数に対してマイナス幅を1.44pt抑制しました。(※8)2025年4月の米国を中心とした債券市場は、米国の関税政策の影響で大きく変動しましたが、下落局面での耐性を発揮する等、アクティブファンドならではの動きが見られました。
202504_takumi_graph05

※8 グラフ等について

・将来の傾向や投資収益等を示唆又は保証するものではありません。

・「外国債券(総合型)」は野村アセットマネジメント社から提供された「ラップ専用・外国債券アクティブ」の分配金再投資基準価額データ(信託報酬等の費用考慮後)を用い、またBloombergが提供する「ブルームバーグ・グローバル総合(日本円除く)インデックス」を円換算したデータを参考指数として用いて、2025年3月31日を基準としてFOLIOにて計算し作成したものです。小数第3位以下を切り捨てて表示しています。

・「ラップ専用・外国債券アクティブ」と「ブルームバーグ・グローバル総合(日本円除く)インデックス(円換算ベース)」の2025年4月の月間騰落率である-1.28%と-2.72%との比較が1.44ptです。小数第3位以下を切り捨てて計算している箇所があるため、小数第2位の数値が必ずしも一致しない場合があります。

・信頼できると考えられる情報を用いて算出しておりますが、情報の正確性、完全性等について保証するものではありません。

2025年4月のマーケットを振り返る

ここで2025年4月のマーケットを振り返ります。【米国市場概況】
202504_table_us
米国株式市場の指標であるS&P500は、上旬にトランプ米大統領が厳しい内容の追加関税を発表したことを受けて連日大きく下落しました。しかし、追加関税の発動日である9日に90日間の一時停止が発表されると、1日のうちに約10%上昇して急反発する場面もありました。その後も、中国との貿易摩擦が継続していることや、トランプ米大統領が早期の利下げに慎重なFRB(連邦準備制度理事会)のパウエル議長の解任を示唆したことなどを金融市場が不安視し、中旬に再び下落しました。下旬にはパウエル議長解任の意向が撤回され、また各国との関税交渉が進展しているとの報道等を受けて上昇基調となり、最終的に前月比-0.76%となりました。【先進国市場概況】
202504_table_dc
日本株式市場の指標であるTOPIXは、上旬に米国の強硬な関税政策による世界的な株安の影響を受けて大きく下落しました。しかし、追加の相互関税が一時停止された後は、一転して回復基調となりました。円高・ドル安が重石となったものの、月末にかけて米中両国が貿易摩擦の緩和に向けた動きを見せたことによる安心感から回復基調が続き、最終的には前月比+0.32%となりました。欧州株式市場の指標であるストックス欧州600指数は、上旬に米政権による相互関税の発表を受けて急落しましたが、発動日にすぐに追加関税が一時停止された後は上昇に転じました。中旬にECB(欧州中央銀行)が6会合連続で利下げを実施したことも下支えとなりましたが、前月末の水準には届かず、最終的には前月比-1.20%となりました。【新興国市場概況】
202504_table_ec
中国株式市場の指標である上海総合指数は上旬、米中両国が追加関税率を互いに引き上げたことで大きく下落しましたが、政府による株価対策や輸出企業支援策等の発表を受けて上昇に転じました。米中貿易摩擦に緩和の兆しが見え始めたものの、関税政策の不透明感や国内景気不安は払拭できず、月末にかけて上値は抑えられ、最終的には前月比-1.70%となりました。インド株式市場の指標であるインドSENSEXは、上旬に米政権の関税政策の影響で下落しましたが、追加関税の一時停止やインド中銀の利下げ決定等を受けて、ほどなく反転しました。インドが内需主導の経済であることに加え、中銀の利下げ姿勢や米国との関税交渉の進展への期待が相場を支え、中旬以降も騰勢は続き、最終的に前月比+3.65%となりました。【為替・その他】
202504_table_ex
ドル/円為替相場は、上旬に強硬な米関税政策がドルからの資金流出を招き、円高・ドル安が進みました。追加関税の一時停止後も、米景気減速懸念や米国債市場の動揺、日米関税交渉における円安是正への警戒感、FRB議長の人事を巡る不透明感等、円高・ドル安につながる報道が続きました。下旬には、これらの懸念や不透明感の一部が後退したことなどを受けわずかに反転しましたが、最終的に前月比で4.59%の円高・ドル安となりました。米国10年債利回りは、米国の相互関税が発表され、米国からの資金逃避に伴い米国債から急激に資金が流出して上昇しましたが、追加関税の一時停止後には一進一退の推移となり、最終的に4.16%台で4月を終えました。金は、米関税政策の不透明感等を受けて資金が集まり、上昇しました。

各指数等のデータはBloombergが提供する値を用いています。表示されている値(米国10年債利回りを除く)は、小数第3位以下を切り捨てています。

最新の投資配分の確認方法最新の投資配分が気になる方は、匠ラップ契約後のサマリー画面にてご確認いただくことができます。口座開設・ログインはこちらスマートフォンでの利用方法SBI証券スマートフォン専用サイトや各種アプリを経由して、スマートフォンでも匠ラップを便利にご利用いただけます。詳しくはコラムでご紹介しています。

■本資料について

・投資環境に関する過去の事実等の情報提供や作成時点での見解をご紹介するために、匠ラップの投資運用業務を行う株式会社FOLIOが作成した資料です。

・記載内容は作成時点のものであり、将来の市場環境の変動や運用成果等を示唆または保証するものではありません。

・信頼できると考えられる情報を用いて作成しておりますが、その正確性、完全性等について保証するものではありません。

■株式会社SBI証券

金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第44号、商品先物取引業者

加入協会:日本証券業協会、一般社団法人 金融先物取引業協会、一般社団法人 第二種金融商品取引業協会、一般社団法人日本STO協会、日本商品先物取引協会、一般社団法人日本暗号資産等取引業協会

■株式会社FOLIO

金融商品取引業者(第一種金融商品取引業、投資助言・代理業、投資運用業) 関東財務局長(金商)第2983号

加入協会:日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会