レポート・コラム

<SBIラップ 匠の運用コース 2025年10月の実績>

<SBIラップ 匠の運用コース 2025年10月の実績>

2025年10月の実績、投資配分、寄与度

「SBIラップ 匠の運用コース(愛称:匠ラップ)」(以下「匠ラップ」といいます。)は、野村アセットマネジメント独自の投資戦略と、同社が厳選したアクティブファンドを活用することで、リスクを抑えながら効率的にリターンを追求することを目指す「おまかせ運用」サービスです。2023年7月15日から提供を開始し、2023年7月19日に運用を開始しています。(※1)2025年10月の世界の株式市場を振り返ると、不正融資を背景とした米銀の信用懸念の後退や、レアアースの供給を巡る米中不和への警戒が薄れたことで米中両国の株式市場が堅調に推移しました。日本でも高市政権誕生に伴い経済重視の積極財政への期待などから日経平均が史上初の5万円台を付けるなど、世界同時株高の様相を呈しました。為替市場では、「高市トレード」と呼称される円売り・ドル買いの動きが活発となるなど、円の先安観が台頭したことに加えて、日銀の利上げ見送りや12月以降の米国の追加利下げ観測の後退などを背景に円安・ドル高が進行しました。以下は、そのような環境下における2025年10月の約1ヵ月間の匠ラップのパフォーマンスと各投資対象ファンドの騰落率(円建て)、および匠ラップの投資配分です。(※1,5,7)
202510_TAKUMI_graph02

2025年10月の匠の判断

2025年10月の匠ラップは、株式、REIT、米国ハイ・イールド債券という比較的リスクが高い資産への投資比率を77.0%として、匠ラップの運用戦略において参考とする株式60%、債券40%と比べて高めのリスク水準で運用を行いました。その判断の前提として想定していた投資環境を、定量・定性戦略別に確認すると、以下の通りです。<長期目線での定量戦略に基づく分析>
  • 市場の景気期待については好景気(変わらず)
  • 市場のインフレ期待については低下(中立から引き下げ)
    • 「経済ファンダメンタルズの循環」、「市場モメンタム」の2つの観点からみてインフレ期待の剝落が示唆されたため
 <短中期目線での定性戦略に基づく分析>
  • 実体経済の動向については、景気小幅強気(変わらず)
    • 引き続きグローバルな景気拡大期に移行する局面であることが示唆され、潜在成長率以下ながら腰折れすることなく底堅く成長を続けると想定
  • 金融環境の動向については、グローバルな金融緩和サイクルの継続(変わらず)
    • 現状、日本を除く先進諸国のほとんどの国において採用されている緩和的な金融政策が継続するとの見込みのもと、株式並びに債券価格に対する積極的な投資姿勢を維持
202510_TAKUMI_graph03

2025年10月のパフォーマンスの振り返り

投資対象ファンドについては、月間で各国の株式市場が好調な推移を見せたことから、株式を投資対象とするファンドを中心に、すべてのファンドが上昇しました。中でも、「日本株」は大きく上昇しました。匠ラップについては、「世界株(グロース)」「世界株(バリュー)」を比較的多く保有していたことや、大きく上昇した「日本株」の保有がプラスに寄与して、10月のパフォーマンスは+4.83%となりました。(※1,6)以下のグラフは、匠ラップのリターンに対する各資産の寄与度(どの資産がどのくらい匠ラップの騰落に影響を与えているか)です。(※7)
202510_TAKUMI_graph04

リリース来の実績

以下の折れ線グラフは「匠ラップ(※1)(赤色線)」「合成指数(※2)(青色線)」の比較グラフで、開始点は2023年7月19日です。運用開始日の2023年7月19日から2025年10月31日までの期間で、匠ラップの運用実績は+28.83%(※1,3)となり、参考とする合成指数(※2,3)との比較では-2.87pt(※4)となりました。
202510_TAKUMI_graph01
また以下は、直近1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月、1年および匠ラップのリリース来のパフォーマンスです。(※6)
202510_TAKUMI_table

※合成指数のパフォーマンスは手数料および信託報酬として運用資産額の年1.46%(年率・税込)を控除した数値を表示しています。

・運用実績は過去のものであり、将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。

・匠ラップは、オールウェザー戦略の考えを取り入れ、株式60%、債券40%の資産配分を参考としながら、事前想定リスク年率10%程度でリターンの最大化を目指し、資産配分を決定します。本グラフでは、匠ラップの運用戦略に基づく資産配分の決定がどれだけパフォーマンスに寄与しているかを示すために、前述の資産配分の参考値に基づきFOLIOが作成した合成指数(※2)を用いて、パフォーマンスの比較を行っています。

※1 匠ラップの運用実績について

2023年7月19日(サービスリリースした7月15日に申込を行い最短で運用を開始した場合の投資対象ファンドの最初の買付約定日)から表示日まで、または表示している期間において、匠ラップに投資していた場合の運用実績です。 投資対象ファンドの基準価額(信託報酬やその他の費用が考慮されており、分配金は当該ファンドに再投資したものと仮定しています。)をもとに、「(計算期間終了日基準価額/計算期間開始日基準価額)-1」で計算したものを%表示しています。リバランスは最適ポートフォリオとの乖離がないように実施したと仮定し、運用手数料を年率0.77%(税込)徴収したと仮定して計算を行っています。(※3)

※2 合成指数の推移について

「合成指数」のシミュレーションにあたっては、匠ラップが参考とする資産配分である株式60%、債券40%の割合でMSCIワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)とFTSE世界国債インデックス(除く日本、ヘッジあり・円換算ベース)を合成して計算しています。手数料および信託報酬として運用資産額の年1.46%(年率・税込)を控除した数値を表示しています。投資対象ファンドの基準価額に市場価格が反映されるタイミングを考慮し、合成指数の計算期間開始日および終了日を前倒して表示しています。(※3)

※3 運用実績および合成指数のシミュレーションについて

本文およびグラフ上で表示している割合は年率ではありません。計算後の数値の小数第3位以下を切り捨てて表示しています。将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。分配金やリバランス時の譲渡益にかかる税金は考慮していません。

※4 表示期間における、匠ラップの運用実績と合成指数のシミュレーションの比較です。小数第3位以下を切り捨てて表示しているため、表示上の数値を用いて計算すると数値が一致せず誤差が生じる場合があります。

※5 表示の投資配分はリバランス実施時に目標とする比率であり、実際の運用では市場変動等の影響により表示の比率と乖離が発生することがあります。

※6 1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月、1年のパフォーマンスは、それぞれ直近Nヵ月前およびN年前の資産の評価額と2025年10月31日における評価額に基づいて計算しています。匠ラップリリース来のパフォーマンスは、2023年7月19日の資産評価額と2025年10月31日における評価額をもとに計算しています。表示している割合は年率ではありません。将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。

※7 騰落率グラフは2025年9月30日の基準価額を基準として、2025年10月31日における各投資対象ファンドおよび、匠ラップのリターンを示したものです。各投資対象ファンドの騰落率の計算は、「(2025年10月31日時点の基準価額/2025年9月30日時点の基準価額)-1」で行い、%表示をしています。寄与度グラフは騰落率グラフのデータを用いて、匠ラップの投資配分(指定期間の途中で行われたリバランスも考慮)に従って、匠ラップのリターンに対する各投資対象ファンドの寄与度を示したものです。投資対象ファンド毎に約定に要する日数が異なる点や計算期間中に実施されるリバランスの影響により、騰落率グラフが示す各投資対象ファンドのリターンがプラスであっても、寄与度グラフにおいてはマイナスとなる場合があります(逆の場合もあります)。匠ラップのリターンの算出方法については、※1をご参照ください。将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。

運用会社FOLIOからのメッセージ

日本の株式市場が好調な中、「日本株」は参考指数比でも大きくアウトパフォーム

2025年10月の日本の株式市場は、「責任ある積極財政」を掲げる高市新政権が発足し、積極的な財政政策や金融緩和政策維持への期待感等により、上昇しました。海外投資家による資金流入にも裏付けられた株高・円安は特に月の後半にかけて一層進み、TOPIX(配当込み)は10月の月間で+6.19%となりました。このような好調な市場環境の中、TOPIX(配当込み)と「匠」の目利きを活用して投資対象とする銘柄を機動的に入れ替える「日本株」の、月間の値動きを下図で比較してみます。
202510_TAKUMI_graph05
「日本株」の上昇率は月間で10.49%となり、 参考指数の+6.19%を4.30ptも上回りました 。「日本株」が選定する「成長企業」や「勝ち残り企業」が相場上昇の牽引役となったことから、月前半と後半に見られた上昇局面で、その差を広げることができたと考えられます。匠ラップでは、「匠」の判断を活用したアクティブファンドに投資を行い、それぞれのファンドで参考指数をアウトパフォームすることを目指しています。2025年10月は、そのような匠ラップの醍醐味を実感いただける月となったのではないでしょうか。

※8 グラフ等について

・将来の傾向や投資収益等を示唆又は保証するものではありません。

・「日本株」は野村アセットマネジメント社から提供された「ラップ専用・日本株式アクティブ(セレクト・オポチュニティ)」の分配金再投資基準価額データ(信託報酬等の費用考慮後)を用い、またBloombergが提供する「TOPIX(配当込み)」のデータを参考指数として用いて、2025年9月30日を基準としてFOLIOにて計算し作成したものです。小数第3位以下を切り捨てて表示しています。

・信頼できると考えられる情報を用いて算出しておりますが、情報の正確性、完全性等について保証するものではありません。

2025年10月のマーケットを振り返る

ここで2025年10月のマーケットを振り返ります。

【米国市場概況】

202510 table us
米国株式市場の指標であるS&P500は、米政府機関閉鎖の長期化や中国のレアアース規制への米政権による対抗措置の示唆に加えて、10月に入り新たに発覚した米地銀の不正融資問題による米地銀の信用不安の再燃などから、急落する場面がありました。中旬以降は、市場予想を上回る地銀の好決算やCPIの上昇に伴う追加利下げ観測の強まりなどが一連の不安を払拭するかたちで回復し、下旬にはレアアース規制の1年延期が伝わったことで連日の高値更新となりました。しかし、FRB(米連邦準備制度理事会)が2会合連続の利下げを決定した後は、パウエルFRB議長の追加利下げに慎重と受け止められる発言等によって持ち高調整の売りが出て下落し、最終的に前月比+2.26%となりました。

【先進国市場概況】

202510 table dc
日本株式市場の指標であるTOPIXは、高市自民党総裁の首班指名を巡る公明党の連立離脱や米地銀の信用不安などを受けて中旬にかけて一時下落しました。その後、高市政権の発足が確実になると、内外の市場参加者から日本市場に注目が集まり株価の先高感等を追い風に最高値を更新する展開となり、最終的に+6.19%となりました。欧州株式市場の指標であるストックス欧州600指数は上旬、米利下げ期待等を背景に上昇した後、米中対立への警戒感から下落しました。その後、フランスの政情安定化や英中銀の利下げ観測など域内の支援材料を好感して上昇に転じ、米中対立の懸念が後退したことや、ユーロ圏の実体経済の改善を示唆する指標の発表等も後押しして、最終的に前月比+2.45%となりました。

【新興国市場概況】

202510 table ec
中国株式市場の指標である上海総合指数は上旬、大型連休による休場により動きがありませんでした。休場が明けると、当局による経済成長策への期待感から上昇しましたが、中国のレアアース輸出規制に対して米政権が報復関税を課す姿勢を示すと反落しました。その後、米中が緊張緩和に向かうと上昇して、10年3か月ぶりに4,000ptの大台を回復する場面もあり、最終的に前月比+1.85%となりました。インド株式市場の指標であるインドSENSEXは、9月下旬に実施された物品・サービス税(GST)減税による消費市場の特需等を好感して堅調に推移しました。一時的に米中対立の影響を受けたものの、その後の米中関係の改善や米金利低下といった外部環境の好転や堅調な国内経済活動を背景に上昇して、最終的に前月比+4.57%となりました。

【為替・その他】

202510 table ex
ドル/円為替相場は、市場から積極財政派と目される高市新首相の誕生が確実視されるにつれて「高市トレード」と称される円売り・ドル買いの動きが活発となりました。米地銀の信用不安により円高・ドル安に転じる場面もありましたが、地銀の好決算や12月以降の追加米利下げ観測の後退などにより再び円の先安観が高まって円安・ドル高が進む展開となり、最終的に前月比4.11%の円安・ドル高となりました。米国10年債利回りは、パウエルFRB議長による量的引き締め(QT)終了の示唆や追加米利下げ期待に加え、米中対立懸念から米国債に資金が流入したことで一時3.95%まで低下しました。その後、パウエルFRB議長が追加利下げに慎重な姿勢を示したこと等を受けて上昇して、最終的に4.07%で10月を終えました。

各指数等のデータはBloombergが提供する値を用いています。表示されている値(米国10年債利回りを除く)は、小数第3位以下を切り捨てています。

最新の投資配分の確認方法最新の投資配分をお知りになりたい方は、匠ラップ契約後のサマリー画面にてご確認いただくことができます。口座開設・ログインはこちらスマートフォンでの利用方法SBI証券スマートフォン専用サイトや各種アプリを経由して、スマートフォンでも匠ラップを便利にご利用いただけます。詳しくはコラムでご紹介しています。

■本資料について

・投資環境に関する過去の事実等の情報提供や作成時点での見解をご紹介するために、匠ラップの投資運用業務を行う株式会社FOLIOが作成した資料です。

・記載内容は作成時点のものであり、将来の市場環境の変動や運用成果等を示唆または保証するものではありません。

・信頼できると考えられる情報を用いて作成しておりますが、その正確性、完全性等について保証するものではありません。

■株式会社SBI証券

金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第44号、商品先物取引業者

加入協会:日本証券業協会、一般社団法人 金融先物取引業協会、一般社団法人 第二種金融商品取引業協会、一般社団法人日本STO協会、日本商品先物取引協会、一般社団法人日本暗号資産等取引業協会

■株式会社FOLIO

金融商品取引業者(第一種金融商品取引業、投資助言・代理業、投資運用業) 関東財務局長(金商)第2983号

加入協会:日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会