レポート・コラム

<SBIラップ 匠の運用コース 2025年5月の実績>

<SBIラップ 匠の運用コース 2025年5月の実績>

2025年5月の実績、投資配分、寄与度

「SBIラップ 匠の運用コース(愛称:匠ラップ)」(以下、「匠ラップ」といいます)は、野村アセットマネジメント独自の投資戦略と、同社が厳選したアクティブファンドを活用することで、リスクを抑えながら効率的にリターンを追求することを目指す「おまかせ運用」サービスです。2023年7月15日より提供を開始し、2023年7月19日に運用を開始しています。(※1)2025年5月の世界の株式市場を振り返ると、上旬に米英・米中の間での関税交渉において一定の合意が成立したことが好感され、回復基調となりました。しかし、日本やEUとの関税交渉が依然として難航していることや、日米で高まった財政拡大への懸念や米国債券の格下げ等から長期金利が上昇している(債券価格は低下)ことなどで、金融市場の不安感は継続し、上値は抑えられる展開でした。為替市場では、関税交渉の合意等でリスク回避の円買いが一服した際には円安・ドル高が進みましたが、財政懸念の高まりや米国債格下げに伴うドル売り等で再び円が買われるなど、神経質な動きが続きました。以下は、そのような環境下における2025年5月の約1ヵ月間の匠ラップのパフォーマンスと各投資対象ファンドの騰落率(円建て)、および匠ラップの投資配分です。(※1,5,7)
202505_takumi_graph2
202505_takumi_graph3

2025年5月のパフォーマンスの振り返り

2025年5月の匠ラップは、以下のような投資環境を想定し、株式、REIT、米国ハイ・イールド債券という比較的リスクが高い資産への投資比率を69.0%として、匠ラップの運用戦略において参考とする株式60%、債券40%と比べてやや高めのリスク水準で運用を行いました。
  • 経済指標から評価する景気循環では、今後は景気拡大期に移行する局面であることが示唆されているが、関税問題によってこれが後ろ倒しされたものと評価しており、貿易問題が落ち着きを見せるまで当面の間(*)、金融資産価格は日々のニュースに反応して上下に振れる可能性が高く、今後ファンダメンタルズに変調が現れる可能性に配慮して市場における景気期待の方向性については中立の判断
    • (*)関税を巡る米中関係に関してもさらなる悪化余地は大きくないと考えている一方で、欧州についてはEU27カ国の足並みが揃うのが難しいという点で関係悪化の可能性が残ることからこの問題が落ち着きを見せるにはまだ時間が必要となると想定
  • 現状、金融政策の運営については、日本を除く先進諸国のほとんどの国において緩和政策がとられており、短期的には米国の関税政策の影響を受けて物価上昇率が加速したとしても、同時に景気悪化懸念が意識されることで市場における欧米の金融政策に対する緩和期待は後退しづらく、むしろ景気悪化懸念が強まった際には緩和期待が高まり(**)、株式、債券価格も上昇しやすい環境となることを想定
    • (**)米国の通商政策や財政政策を巡る日々のニュースによって、景気見通しや物価見通しの前提が日々変化するため平時以上に金融政策の方向性について確信を強めるのが難しい環境であるとの認識ではあるが、実体景気に悪化の兆候が確認された場合には物価よりも景気を優先して金融緩和を強化する可能性が高いと見込む
 月間では、日米で高まった財政懸念や米国債券の格下げ等で日米の長期金利が上昇(債券価格は下落)したこと等で「外国債券(国債型)」や「国内債券」が下落しましたが、それ以外の投資対象ファンドはいずれも上昇しました。特に関税交渉の進展等により世界的な株式市場が反転上昇したことで、「世界株式(グロース)」「世界株式(バリュー)」「日本株」は大幅に上昇しました。匠ラップにおいては、大きく上昇した「世界株式(グロース)」「世界株式(バリュー)」を比較的多く保有していたことが特にプラスに寄与して、5月のパフォーマンスは+3.67%となりました。(※1,6)以下のグラフは、匠ラップのリターンに対する各資産の寄与度(どの資産がどのくらい匠ラップの騰落に影響を与えているか)です。(※7)
202505_takumi_graph4

リリース来の実績

以下の折れ線グラフは「匠ラップ(※1)(赤色線)」「合成指数(※2)(青色線)」の比較グラフで、開始点は2023年7月19日です。運用開始日の2023年7月19日から2025年5月30日の期間で、匠ラップの運用実績は+12.67%(※1,3)となり、参考とする合成指数(※2,3)との比較では-4.36pt(※4)となりました。
202505_takumi_graph1
 また以下は、直近1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月、1年および匠ラップのリリース来のパフォーマンスです。(※6)
202505_takumi_table

※合成指数のパフォーマンスは手数料および信託報酬として運用資産額の年1.46%(年率・税込)を控除した数値を表示しています。

・運用実績は過去のものであり、将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。

・匠ラップは、オールウェザー戦略の考えを取り入れ、株式60%、債券40%の資産配分を参考としながら、事前想定リスク年率10%程度でリターンの最大化を目指し、資産配分を決定します。本グラフでは、匠ラップの運用戦略に基づく資産配分の決定がどれだけパフォーマンスに寄与しているかを示すために、前述の資産配分の参考値に基づきFOLIOが作成した合成指数(※2)を用いて、パフォーマンスの比較を行っています。

※1 匠ラップの運用実績について

2023年7月19日(サービスリリースした7月15日に申込を行い最短で運用を開始した場合の投資対象ファンドの最初の買付約定日)から表示日まで、または表示している期間において、匠ラップに投資していた場合の運用実績です。 投資対象ファンドの基準価額(信託報酬やその他の費用が考慮されており、分配金は当該ファンドに再投資したものと仮定しています。)をもとに、「(計算期間終了日基準価額/計算期間開始日基準価額)-1」で計算したものを%表示しています。リバランスは最適ポートフォリオとの乖離がないように実施したと仮定し、運用手数料を年率0.77%(税込)徴収したと仮定して計算を行っています。(※3)

※2 合成指数の推移について

「合成指数」のシミュレーションにあたっては、匠ラップが参考とする資産配分である株式60%、債券40%の割合でMSCIワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)とFTSE世界国債インデックス(除く日本、ヘッジあり・円換算ベース)を合成して計算しています。手数料および信託報酬として運用資産額の年1.46%(年率・税込)を控除した数値を表示しています。投資対象ファンドの基準価額に市場価格が反映されるタイミングを考慮し、合成指数の計算期間開始日および終了日を前倒して表示しています。(※3)

※3 運用実績および合成指数のシミュレーションについて

本文およびグラフ上で表示している割合は年率ではありません。計算後の数値の小数第3位以下を切り捨てて表示しています。将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。分配金やリバランス時の譲渡益にかかる税金は考慮していません。

※4 表示期間における、匠ラップの運用実績と合成指数のシミュレーションの比較です。小数第3位以下を切り捨てて表示しているため、表示上の数値を用いて計算すると数値が一致せず誤差が生じる場合があります。

※5 表示の投資配分はリバランス実施時に目標とする比率であり、実際の運用では市場変動等の影響により表示の比率と乖離が発生することがあります。

※6 1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月、1年のパフォーマンスは、それぞれ直近Nヵ月前およびN年前の資産の評価額と2025年5月30日における評価額に基づいて計算しています。匠ラップリリース来のパフォーマンスは、2023年7月19日の資産評価額と2025年5月30日における評価額をもとに計算しています。表示している割合は年率ではありません。将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。

※7 騰落率グラフは2025年4月30日の基準価額を基準として、2025年5月30日における各投資対象ファンドおよび、匠ラップのリターンを示したものです。各投資対象ファンドの騰落率の計算は、「(2025年5月30日時点の基準価額/2025年4月30日時点の基準価額)-1」で行い、%表示をしています。寄与度グラフは騰落率グラフのデータを用いて、匠ラップの投資配分(指定期間の途中で行われたリバランスも考慮)に従って、匠ラップのリターンに対する各投資対象ファンドの寄与度を示したものです。投資対象ファンド毎に約定に要する日数が異なる点や計算期間中に実施されるリバランスの影響により、騰落率グラフが示す各投資対象ファンドのリターンがプラスであっても、寄与度グラフにおいてはマイナスとなる場合があります(逆の場合もあります)。匠ラップのリターンの算出方法については、※1をご参照ください。将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。

運用会社FOLIOからのメッセージ

匠ラップでは、「匠」の判断により投資配分を調整することに加えて、投資対象ファンドとして、インデックスファンドではない「匠」の戦略が詰まったアクティブファンドを活用することで、市場平均を上回るリターンの獲得を目指しています。2025年5月におけるアクティブファンドの活用の例として、「日本株」とその参考指数である「TOPIX(配当込み)」を比較してみると、後者も月間で+5.10%と上昇しましたが「日本株」は月間で+7.58%と、参考指数を2.48pt上回るパフォーマンスとなりました。(※8)経営力、技術力、製品市場の成長性等の面から成長が期待される内外の企業および企業間競争に勝ち残ると思われる企業を選定する等、アクティブファンドならではの動きが見られました。
202505_takumi_graph5

※8 グラフ等について

・将来の傾向や投資収益等を示唆又は保証するものではありません。

・「日本株」は野村アセットマネジメント社から提供された「ラップ専用・日本株式アクティブ(セレクト・オポチュニティ)」の分配金再投資基準価額データ(信託報酬等の費用考慮後)を用い、またBloombergが提供する「TOPIX(配当込み)」のデータを参考指数として用いて、2025年4月30日を基準としてFOLIOにて計算し作成したものです。小数第3位以下を切り捨てて表示しています。

・「ラップ専用・日本株式アクティブ(セレクト・オポチュニティ)」と「TOPIX(配当込み)」の2025年5月の月間騰落率である+7.58%と+5.10%との比較が2.48ptです。小数第3位以下を切り捨てて計算している箇所があるため、小数第2位以下の数値が必ずしも一致しない場合があります。

・信頼できると考えられる情報を用いて算出しておりますが、情報の正確性、完全性等について保証するものではありません。

2025年5月のマーケットを振り返る

ここで2025年5月のマーケットを振り返ります。 【米国市場概況】
202505_table_us
米国株式市場の指標であるS&P500は上旬、前月下旬からの連騰で過熱感が意識されるなか、政策金利が事前の想定通り据え置かれたことによる安心感等もあり、小幅な推移となりました。中旬には、米英および米中の関税交渉で一定の合意を得たこと等が好感され、大きく上昇しました。特に米中が相互に関税を115%引き下げた(一部は90日間の停止)ことは関税政策の不透明感の払拭に大きく寄与しました。一方で下旬には、日欧をはじめとする各国との関税交渉が難航していることや、米国債の格下げや長期国債の入札が低調であったこと等から米国の金融市場への不安感が高まり、上値が抑えられ、最終的に前月比+6.15%となりました。【先進国市場概況】
202505_table_dc
日本株式市場の指標であるTOPIXは上旬から中旬にかけて、米英および米中の関税交渉が一定の合意を得たこと等を受けて上昇しました。その後は過熱感への警戒や円高等が下押し圧力となりましたが、月末の円高一服感等で再度上昇に転じ、最終的には前月比+5.03%となりました。欧州株式市場の指標であるストックス欧州600指数は上旬から中旬にかけて、新政権が発足したドイツや米国と関税交渉で合意した英国が牽引し、上昇しました。下旬には、予想を下回るユーロ圏景況感指数の発表や対米関税交渉の不透明感等から上値が抑えられる場面もありましたが、最終的に前月比+4.01%となりました。【新興国市場概況】
202505_table_ec
中国株式市場の指標である上海総合指数は上旬から中旬に、追加の金融緩和策や米国との相互関税を115%引き下げる(一部は90日間の停止)合意等を受けて大きく上昇しました。下旬は、小売りや不動産をはじめとする経済指標の低迷と当局による支援策への期待が交錯するなかで小幅に下落し、最終的には前月比+2.08%となりました。インド株式市場の指標であるインドSENSEXは、上旬にパキスタンとの国境を巡る緊張感の高まり等で下落する局面がありましたが、中旬には米中関税交渉での一定の合意成立等により上昇に転じました。その後は経済成長率への懸念等の悪材料に対して6月の利下げ期待が下支えする展開となり、最終的に前月比+1.50%となりました。【為替・その他】
202505_table_ex
ドル/円為替相場は中旬にかけて、米国が対英・対中関税交渉で合意を成立させたこと等で米国から資金が逃避する動きが和らぎ、一時148円台まで円安・ドル高が進みました。月の後半には、日米間で円安是正が協議されるとの観測や米国債の格下げ等で円高・ドル安方向に大きく戻しましたが、月末には一服し、最終的に前月比で0.66%の円安・ドル高となりました。米国10年債利回りは、当局の利下げに慎重な姿勢を示す中、米国債の格下げ、トランプ米大統領による大型減税政策等に対する財政懸念、米長期債の不調な入札など、金利を押し上げる要因が多かったことから、月間で概ね上昇基調となり、最終的に4.40%台で5月を終えました。

各指数等のデータはBloombergが提供する値を用いています。表示されている値(米国10年債利回りを除く)は、小数第3位以下を切り捨てています。

最新の投資配分の確認方法最新の投資配分が気になる方は、匠ラップ契約後のサマリー画面にてご確認いただくことができます。口座開設・ログインはこちらスマートフォンでの利用方法SBI証券スマートフォン専用サイトや各種アプリを経由して、スマートフォンでも匠ラップを便利にご利用いただけます。詳しくはコラムでご紹介しています。

■本資料について

・投資環境に関する過去の事実等の情報提供や作成時点での見解をご紹介するために、匠ラップの投資運用業務を行う株式会社FOLIOが作成した資料です。

・記載内容は作成時点のものであり、将来の市場環境の変動や運用成果等を示唆または保証するものではありません。

・信頼できると考えられる情報を用いて作成しておりますが、その正確性、完全性等について保証するものではありません。

■株式会社SBI証券

金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第44号、商品先物取引業者

加入協会:日本証券業協会、一般社団法人 金融先物取引業協会、一般社団法人 第二種金融商品取引業協会、一般社団法人日本STO協会、日本商品先物取引協会、一般社団法人日本暗号資産等取引業協会

■株式会社FOLIO

金融商品取引業者(第一種金融商品取引業、投資助言・代理業、投資運用業) 関東財務局長(金商)第2983号

加入協会:日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会