相続手続きの代行は誰に依頼する?専門家の選び方などを解説 (辻・本郷ITコンサルティング株式会社 2025.7.22)

相続手続きの代行について選び方、メリットなどを解説中

相続は人生で何度も経験することではありません。いざ直面すると何から手をつけてよいか分からず、その手続きの複雑さや多さに戸惑う方が少なくありません。

特に、仕事や日常生活で忙しい方にとっては、相続手続きをご自身で行うことは大きな負担となります。

そこで頼りになるのが専門家による相続手続きの代行です。

主な相続手続き

相続が発生すると、故人の財産調査、相続人の確定、遺産分割協議、各種名義変更や相続税の申告・納付など、多岐にわたる手続きが必要になります。

主な相続手続きの一覧は以下の通りです。

  • 死亡届の提出、火葬許可申請: 死亡届を市区町村役場へ提出し、火葬許可証を入手します。
  • 年金受給停止、未支給年金請求: 年金事務所や年金相談センターで手続きを行います。
  • 健康保険・介護保険の資格喪失届: 故人が加入していた健康保険や介護保険の資格喪失手続きを行います。
  • 遺言書の有無の確認・検認: 法務局に保管されていない自筆証書遺言を見つけた場合、家庭裁判所で検認手続きを行います。
  • 相続人の調査・確定: 故人の出生から死亡までの戸籍謄本等を取得し、相続人を確定させます。
  • 相続財産の調査・評価: 預貯金、不動産、有価証券、借金など、プラスの財産もマイナスの財産も全て調査し、評価額を算出します。
  • 相続方法の決定(単純承認・限定承認・相続放棄): 相続放棄や限定承認を行う場合、家庭裁判所で手続きを行います。
  • 準確定申告: 亡くなった方の確定申告が必要な場合に行います。
  • 遺産分割協議・遺産分割協議書の作成: 相続人全員で遺産の分け方を話し合い、合意内容を書面にします。遺言書の内容に従う場合は不要です。
  • 預貯金・株式等の名義変更・解約: 金融機関や証券会社で手続きを行います。
  • 不動産の名義変更(相続登記): 法務局で不動産の名義変更を行います。
  • 自動車の名義変更: 運輸支局や軽自動車検査協会で手続きを行います。
  • 相続税の申告・納付: 相続財産の総額が相続税の基礎控除額を超える場合、税務署へ申告・納税します。

これらはあくまで主な手続きであり、故人の状況や財産内容によってさらに多くの手続きが必要になることもあります。

相続手続きの代行を依頼できる専門家と依頼できる範囲

相続手続きを代行できる専門家は、その資格によって対応できる業務範囲が異なります。主な専門家と対応範囲をご確認いただき、ご自身の状況に合わせた専門家を選びましょう。

司法書士に依頼できる主な相続手続き

司法書士は不動産登記のプロであるため、複雑な権利関係が絡む場合でも対応できます。また、法律に基づいた正確な書類作成もできるため、相続登記を完結することができます。

その他、戸籍謄本の収集や遺産分割協議書作成、相続放棄申述書作成のサポートなども行います。

税理士に依頼できる主な相続手続き

税理士は準確定申告や相続税申告の手続きを代行してくれます。

相続税は計算が複雑で、財産評価の方法によって納税額が大きく変わることがあります。税理士に依頼することで専門知識を活かし、税務調査リスクや納税額を抑えた申告を行ってくれます。また、特例の活用や二次相続まで考慮したアドバイスも受けられます。

万が一、税務調査が入った場合でも適切に対応してもらえるため、相続人の心配や負担も軽減してくれます。

行政書士に依頼できる主な相続手続き

行政書士は官公庁に提出する書類作成の専門家です。遺産分割協議書、自動車や預貯金の名義変更手続きの書類作成など、幅広い業務に対応できます。

行政書士は他の士業と比べて報酬が安価になりやすい傾向にあります。

弁護士に依頼できる主な相続手続き

弁護士は相続人同士の紛争解決や相続放棄の申立の代行、遺言書の検認の申立の代行ができます。

もし遺産分割で揉めてしまった場合、弁護士が交渉や調停手続き、裁判手続きを行ってくれます。

紛争解決は弁護士のみ行うことができるため、遺産分割で揉めてしまった場合は弁護士へ依頼しましょう。

信託銀行に依頼できる主な相続手続き

信託銀行では、相続手続き全般を代行する「遺産整理業務」を提供しています。窓口が一本化されるため、相続人にとっては手間が省けるというメリットがあります。

戸籍収集から財産目録作成、遺産分割協議のサポート、各種名義変更、専門家の紹介など幅広い相続手続きを行っています。

「相続手続き代行センター」に依頼できる主な相続手続き

インターネットで検索すると、「相続手続き代行センター」や「相続サポートセンター」といった名称のサービスが見つかります。

多くの場合、特定の士業事務所や複数の士業が連携して運営している、もしくは民間企業が運営し、提携する専門家を紹介する形態をとっています。

様々な士業と提携しているため、多くの相続手続きを代行することができます。窓口が一本化されているため、どこに相談すればよいか、専門家の選び方などの心配がなくなります。

一方、提携している専門家に依頼するため、個別に専門家を選びたい場合には選択肢が限られると感じるかもしれません。

相続手続きを代行してもらう専門家の選び方

相続手続きを代行してもらう専門家の選び方について解説します。

納得できる報酬の専門家へ依頼する

専門家に相続手続きを代行してもらう際の報酬には規定がなく、自由に決めることができます。そのため、自分が納得して依頼できる報酬の専門家へ依頼することをおすすめします。

また、書類の収集も報酬に含まれているのか、追加報酬となるのかなども注意すべき点です。一見報酬が安く見えても追加報酬が多く、最終的な報酬が高くなることもあります。

サービス内容と報酬の見積りを確認し、納得できるかどうか判断した上で依頼しましょう。

経験やサービス内容を考慮して専門家を選ぶ

専門家によって得意分野や経験が異なっているため、サービスの品質に差が生じることもあります。

例えば、法人税が得意で相続税の経験がない税理士へ相続税申告を依頼した場合、適用できる特例や控除を使わずに申告してしまうケースもあります。

相続手続きの実績がどの程度あるか、依頼しても問題ないかなどを検討した上で依頼するか判断しましょう。

相続手続きの代行を専門家に依頼するメリット

相続手続きを専門家に代行してもらうメリットは以下のようなことが挙げられます。

・相続手続きの負担や手間、時間を軽減できる

・手続きに関する失敗を防ぐことができる

・遺産分割などが円滑に進む

・将来の相続対策も相談できる

相続手続きの負担や手間、時間を省くことができる

相続は書類の収集や作成、提出など行うべき手続きが数多くあります。そのような手続きを専門家に代行してもらうことで、書類を作成したり、提出したりする手間や時間を省くことができます。

大切な方を亡くし、精神的に落ち込む中で、慣れない手続きを進めることは、ご遺族にとって大きな負担となります。専門家に任せることで、心身の負担を大きく軽減し、故人を偲ぶ時間に充てることができます。

手続きに関する失敗を防ぐことができる

相続手続きには専門知識が必要なものがあり、もし不慣れな方法で進めてしまうと、意図せず不備が生じたり、追加の手間が発生したりする可能性も考えられます。

例えば、相続登記だと自宅以外の不動産に気づかず、登記漏れが発生し、将来の相続手続きが複雑になる可能性があります。

また、相続税の申告だと、申告対象となる財産に漏れがあった場合、後日税務署からの指摘を受け、追加で税金を納めることになる可能性も考えられます。

専門家に代行してもらうことで抜け漏れなく手続きを完結してくれるため、失敗なく手続きを終えることができます。

遺産分割などが円滑に進む

相続において誰がいくら財産を取得するのかで揉めやすく、遺産分割が円滑に進まないことも多々あります。

専門家に代行してもらうことで、客観的で専門的なアドバイスを得られるため、遺産分割を円滑に進めることができます。

将来の相続対策も相談できる

将来の相続に向けてトラブルを未然に防ぐためのアドバイスを受けたり、相続税の対策などを行ったりすることができます。

専門的なアドバイスに沿って対策を行えるため、より的確な方法で、将来の予期せぬ問題発生のリスクを抑えられます。

相続手続きの代行を専門家に依頼する際の注意点

相続手続きの代行を専門家に依頼する場合、以下のような注意点があります。

・費用がかかる

・専門家選びが難しい

・状況の透明性が確保しにくいケースがある

費用がかかる

専門家へ依頼する場合、数万円から数十万円単位の費用がかかることが一般的ですが、相続財産の規模や手続きの複雑さによっては100万円を超えるケースもあります。税金や書類収集の実費以外にも費用がかかるため、金銭的な負担がかかります。

自分で手続きを完結することができれば、これらの費用を抑えることができるため、手続きの手間と費用を考慮して専門家に依頼するか判断されることをおすすめします。

専門家選びが難しい

専門家ごとに代行できる業務範囲が異なるため、どの専門家に何を依頼すればよいのか、判断が難しい場合があります。

また、信頼性や相性を見極めることが難しく、依頼後にコミュニケーションの行き違いが生じ、かえって負担が増してしまうケースも見受けられます。

専門家を探すだけで苦労し、疲弊してしまう可能性もあるため、専門家選びで悩んだ場合はbetter相続や金融機関などの紹介を活用しましょう。

状況の透明性が確保しにくいケースがある

専門家へ手続きをすべて任せてしまうと、進行状況が把握しづらく、不安を感じるかもしれません。また、専門家任せにすることで、故人の財産や相続に関する知識を深める機会を逃してしまう可能性もあります。

専門家へ依頼する場合は、進捗や手続きの内容を確認し、状況を把握できるようにしましょう。

相続手続きは代行してもらわなくても自分で完結できる

相続手続きは必ず専門家へ依頼しなければいけないことはなく、自分で完結することもできます。

自分で手続きを完結することができれば、高額な報酬を支払うことはなく、費用を抑えることができます。

相続の状況や財産が複雑でない場合、手続きの方法などを調べ、書類を収集できれば、自分で手続きを完結できる可能性は十分にあります。

最近では相続手続きを自分で行うためのソフトもあるため、簡単で効率的に手続きを完結できます。

相続手続きを自分で完結するなら『better相続』をご利用ください

『better相続』は相続手続きを自分で完結するために開発されたソフトです。

相続が発生した際は『better相続手続きガイド』で必要な手続きを把握することをおすすめします。

相続税の申告が必要な方は『better相続申告』を使い、案内に沿って進めると相続税の申告手続きを自分で完結できます。不動産を相続した方は『better相続登記』を使い、案内通りに進めると不動産の名義変更を自分で簡単に行うことができます。自分で相続手続きを行うことが難しい場合、『better相続』から相続に強い専門家をご紹介させていただきます。

相続手続きにかかる費用が気になる方は、ぜひ『better相続』をお使いください。

(1)better相続手続きガイド

「いつまでに何をするのか」「書類は何が必要?」そのようなお悩みを解決する無料のWEBサービスです。

簡単な診断に回答すると必要な相続手続きをリストアップ。役所以外の手続きも網羅しているので、抜け漏れなく相続手続きを進められます。手続きの進め方や必要資料なども詳しく解説しているほか、将来の相続に向けた対策などのご相談も無料で行えます。

パソコンやスマホはもちろん、資料を印刷して利用することもできますので、紙で確認したい方にもおすすめです。

better相続手続きガイド:https://lp.guide.jp-better.com/

(2) better相続申告

相続税の申告を自分で簡単に完結できるWEBサービスです。

財産の洗い出しから必要資料のリストアップ、財産・土地の評価、申告書の作成・提出手順までこれ一つで完結します。詳しい解説をシステム内に用意しているため、初めての方でも迷わずに手続きを進められます。

税理士へ依頼すると数十万円、あるいはそれ以上の費用がかかるケースもありますが、この費用を大きく抑えられます。無料でお試しいただけますので、まずは自分で申告できるかご確認ください。

自分で手続きを進めるのが難しい場合は税理士へ依頼することも可能です。弊社が紹介する税理士へ依頼した場合はシステム利用料を返金いたします。

better相続申告:https://jp-better.com/lp/shinkoku/

(3)better相続登記

相続した不動産の名義変更を誰でも簡単に、自分で行えるWEBサービスです。

収集書類のリストアップ、登記申請書や遺産分割協議書の作成、申請手順までこれひとつで完結します。

システム内に詳しい解説を用意しているため、初めての方も迷わずに手続きを進められます。

2024年4月に相続登記が義務化されたため、まだ名義変更していない不動産がある方もぜひご利用ください。

司法書士に相続登記を依頼する際にかかる費用を、大きく抑えることができます。

Better相続登記:https://jp-better.com/lp/touki/

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