逆風を吹き飛ばせ!?深押し好業績新興株6選

逆風を吹き飛ばせ!?深押し好業績新興株6選

投資情報部 鈴木 英之 栗本奈緒実

2024/05/01

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逆風を吹き飛ばせ!?深押し好業績新興株6選

波乱含みの4月相場が終わりました。日経平均株価は一時、3月末比8.0%超下落する場面がありましたが、下旬はやや反発傾向となり、結局月末終値は前月末比4.9%下落となりました。これに対し、東証スタンダード市場指数の月末終値は前月末比2.6%下落、東証グロース市場指数は11.5%の下落となりました。

東京株式市場全体としては、中東の地政学的リスクがくすぶる中、世界的な半導体関連企業の決算発表を経て、半導体市場に対する楽観が後退し、同関連銘柄が急落したことが響きました。4月下旬以降発表が本格化し始めた国内上場企業の決算発表では、市場の期待を下回る業績予想を発表する銘柄が多かったことも影響したもようです。

年初来、海外投資家の資金や、NISA(少額投資非課税制度)を活用したい個人投資家の資金は、主力大型株に向かい、大型株の方の値動きが軽くなったのが、本年1~4月の東京株式市場であったとみられます。東証グロース市場銘柄は物色の圏外に置かれた形です。米長期金利が再び上昇基調となったことで、金利上昇に弱いグロース株が買われにくくなったことも逆風でした。

ただ、東証グロース市場には、そろそろ買い場が接近している銘柄が多いかもしれません。

東証グロース市場は情報通信産業に属す銘柄が多く、AI(人工知能)の普及や、DX需要の高まりは追い風になる銘柄が多々あります。業績的には成長を継続している銘柄も少なくないと思います。他の市場の銘柄に比べ、割高感が強い傾向にあるというマイナス材料はすでに相当織り込みが進んだと考えられます。

さて、今回の「新興株ウィークリー」は久方ぶりに、東証グロース銘柄のみを分析対象としました。足元が好業績であるにもかかわらず、市場全体に連れ安しているとみられる銘柄を抽出すべく、以下のスクリーニングを行ってみました。

(1)2023年以前に上場した東証グロース市場上場銘柄

(2)4/26(金)時点の年初来下落率が、東証グロース市場の同下落率(7.3%)を上回る

(3)4/26(金)までの20営業日で1日当たり平均出来高が2万株以上

(4)時価総額が100億円以上1000億円未満

(5)直近四半期累計営業増益率が、通期会社予想営業増減率を上回る

(6)直近四半期累計の純損益が黒字

(7)1Q決算発表を行っていない銘柄を除く・・・次の決算発表が1Qとなり、予想がしづらい

(8)信用規制・注意喚起を除く

図表の銘柄は、上記(1)~(8)の条件をすべて満たしています。掲載は、(2)の株価下落率が大きい順です。

【参考】 日経平均株価と東証グロース市場指数の推移

【参考】 4/23(火)~4/30(火)で株価上昇が大きかった東証グロース市場指数構成銘柄

■図表 逆風を吹き飛ばせ!?深押し好業績新興株6選

取引 チャート ポートフォリオ コード 銘柄名  株価
(4/26終値)
年初来
株価騰落率
四半期累計
営業増益率
3648 3648 3648 4051 GMOフィナンシャルゲート 7,130 -31.8% 71.9%
3773 3773 3773 3773 アドバンスト・メディア 1,566 -17.4% 80.4%
1966 1966 1966 4431 スマレジ 2,214 -18.3% 100.2%
6378 6378 6378 4475 HENNGE 1,043 -13.6% 91.5%
3423 3423 3423 7317 松屋アールアンドディ 669 -12.3% 91.9%
9221 9221 9221 9229 サンウェルズ 2,273 -8.9% 93.8%
  • ※Bloombergデータ、会社公表データをもとにSBI証券が作成
  • ※「年初来株価騰落率」は2023年末終値と本年4/26(金)終値を比較
  • ※四半期累計営業増益率は前年同期との比較による

一部掲載銘柄を詳細に解説!

■GMOフィナンシャルゲート(4051)~キャッシュレス化を追い風に成長中も、株価は押し目を形成中

★週足チャート(3年)

  • ※データは2024/5/1 (週足)10:00時点。
  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

★業績推移(百万円)

  • ※当社Webサイトの業績表示ツールをもとに、SBI証券が作成。

■キャッシュレス決済業務をワンストップで提供

GMOペイメントゲートウェイ(3769)の連結子会社(23.9末持株比率56.75%)です。加盟店(小売・飲食・交通機関・自販機を使用する飲料メーカー他)と決済事業者(カード会社・銀行・二次元コード決済事業者他)の間に立ち、キャッシュレス決済に関わるすべての業務をワンストップで提供しています。

売上・利益を収益の特性で分けると以下の通りになります(構成比は23.9期)。

(1)フロー型収益(一時的収益)

    (売上高の約70%、売上総利益の約30%)

 →端末の仕入販売や開発案件による収益

(2)リカーリング型収益(継続的・定期的収益)

    (売上高の約30%、売上総利益の約70%)

 →決済に関するデータ、アプリ、モバイル決済端末、データSIM、バックオフィス業支援、決済処理等の提供による収益

おもな取引先(売上構成比)としては三井住友カードが53.9%(23.9期)と高めになっています。

足元の業績は好調です。24.9期1Q(23.10~12期)は

・売上高 44.9億円(前年同期比37%増)

・営業利益 4.8億円(同71%増)

となりました。当社が重視している決済処理件数が前年同期比55%増えた他、GMV(流通取引総額)も同57%、稼働端末台数も同49%増えています。キャッシュレス化の進展が追い風になっています。

■収益は右肩上がりも株価は長期低迷中

1Qの営業利益は上期計画比65.5%、通期計画比34.4%の進捗率であり、業績は上振れ気味の推移となっています。

会社の中期的計画では営業利益について、24.9期14億円、25.9期15億円以上、28.9期35億円以上、30.9期50億円以上を目標にしています。その実現に向けて、

(1)次世代マルチ決済端末の導入による多業種・高成長企業の獲得

(2)非接触化・無人化対応によるIoT決済の拡大

(3)二次元コード決済事業者・ポイント業者とのアライアンス拡充による大口顧客の獲得

(4)決済センター機能強化による付加価値の拡充

等の事業戦略を進めていく方針です。

業績は右肩上がりで、成長政略も描けていますが、株価は長期低迷中で、21年11月高値からの下落率は63%に達しています。押し目買いのチャンスかもしれません。

24.9期2Qの決算発表は5/10(金)取引終了後の予定です。

■スマレジ(4431)~低価格かつ高機能なPOSレジのアプリ。価格改定や販管費の効削減が好業績に寄与

★週足チャート(3年)

  • ※データは2024/5/1 (週足)10:00時点。
  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

★業績推移(百万円)

  • ※当社Webサイトの業績表示ツールをもとに、SBI証券が作成。

■低価格かつ高機能なPOSレジのアプリ

全売上の9割以上を占める「スマレジ」という低価格かつ高機能なPOSレジ*のアプリをメインとする企業です。顧客がアプリを使い、データをクラウドで一元管理することで、リアルタイムの売上分析が実現可能になります。

POSレジは「何を・いつ・いくらか・購入者の属性etc」という販売情報を収集するシステムを搭載したレジ

メインの収益源は2つあります。1つ目は「スマレジ」の月額利用料で、2つ目は決済端末などの周辺機器の販売です。

24年3月時点の「スマレジ」登録店舗数は43,000超に上ります。JT、シャトレーゼ、パソナなど、大型チェーンから小規模店舗まで利用されている他、業種・業態も問わないのが強みです。

■価格改定や販管費の効削減が好業績に寄与

23.4期まで10期連続で増収を続けてきました。23年1月、「スマレジ」サービス開始後、初の価格改定を実施。その影響もあり、23.4期は売上高59億円(前期比42%増)、営業8.9億円(同30%増)の大幅増収増益を達成しました。

有料店舗数の増加と価格改定の影響で、月額利用料等のサブスクリプション売上高比率が23.4期には59%まで向上しました。(参考:21.4期55.7%、22.4期56.4%)

24.4期も3Q時点までで(23.5-24.1月期)、業績推移は順調そうです。期中、23.12と24.3に2度の業績予想の上方修正が実施されました。新規顧客の獲得で売上増となるとなる上、広告宣伝費や採用費の効率化で販管費を削減。営業利益率は23.4期が15%でしたが、24.4期は19%と4%pt超上回る見通しです。

24.4期の本決算発表予定日は、6/13(木)です。4/30(火)時点で株価は21/8につけた上場来高値の半値水準に位置しています。株価が下落に転じた要因として、広告宣伝費などの販管費の増加による減益見通しが示されたこと挙げられ、現在は回復局面の最中ともいえるでしょう。

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