今こそ注目!今期大幅増益予想銘柄10選

今こそ注目!今期大幅増益予想銘柄10選

投資情報部 鈴木 英之 栗本奈緒実

2024/05/22

信用取引において必要となるその他諸費用の詳細は信用取引のサービス概要をご確認ください。

今こそ注目!今期大幅増益予想銘柄10選

5月相場も後半となりました。日経平均株価は4/19(金)をボトムとした戻り歩調が続いています。この時期は上場企業の決算発表シーズンと重なりました。決算発表自体は、慎重な業績予想が目立ち、株価にプラス材料とは言い切れないものが多かったとみられます。しかし、多数の企業が株主還元策の拡充を打ち出したことが、株価を下支えました。

一方、東証グロース市場指数は「底這い」が続きました。日経平均が安値を付けた4/19に806ポイントの安値を付けた後、少し戻りましたが、5/17(金)には一時805ポイントまで下げ、年初来安値を更新しました。米金利低下期待が復活したことは追い風ですが、資本政策の改善は東証プライム市場が中心の話題であり、グロース市場は「蚊帳の外」的存在でした。

こうした中、決算発表が一巡しました。中小型株は流動性が乏しく、業績変動リスクが増幅される傾向にあります。決算発表が終了した今は、冷静に中小型株を見つめ直す良いチャンスであると考えられます。

そこで、今回の「新興株ウィークリー」では、決算で大幅増益を発表し、今期も大幅増益を計画している会社を抽出すべく、

以下のスクリーニングを行ってみました。

(1)東証グロース市場、または同スタンダード市場に上場

(2)3月決算銘柄

(3)5/20(月)までの20営業日で1日当たり平均出来高が2万株以上

(4)時価総額が100億円超~1,000億円未満

(5)直近四半期(24.1-3期)の営業黒字額が前年同期比で黒字転換、または50%超の増益

(6)24.3期営業利益が1億円以上、かつ前年同期比で黒字転換、または20%超の増益

(7)25.3期会社計画営業利益が1億円以上、かつ前年同期比で黒字転換、または30%超の増益

(8)取引所または日証金による信用規制・注意喚起銘柄を除く

図表の銘柄は、上記(1)~(8)の条件をすべて満たしています。掲載は25.3期会社計画営業増益率が大きい順です。

【参考】 日経平均株価と東証グロース市場指数の推移

【参考】 5/14(火)~5/21(火)で株価上昇が大きかった東証グロース市場指数構成銘柄

■図表 決算発表終了!今期大幅増益予想銘柄10選

取引 チャート ポートフォリオ コード 銘柄名  株価
(5/20終値)
24.3期
営業増益率

25.3期会社予想

営業増益率

4419 4419 4419 4419 Finatextホールディングス 892 黒字転換 234.7%
7908 7908 7908 7908 KIMOTO 〈きもと〉 214 黒字転換 133.6%
7299 7299 7299 7299 フジオーゼックス 1,430 87.2% 56.8%
8207 8207 8207 8207 テンアライド 297 黒字転換 50.6%
9268 9268 9268 9268 オプティマスグループ 727 129.8% 49.5%
4620 4620 4620 4620 藤倉化成 484 270.5% 46.2%
4417 4417 4417 4417 グローバルセキュリティエキスパート 4,955 51.1% 42.3%
5992 5992 5992 5992 中央発條 1,110 202.9% 39.7%
9229 9229 9229 9229 サンウェルズ 2,779 143.3% 39.3%
1914 1914 1914 1914 日本基礎技術 547 29.9% 38.3%
  • ※Bloombergデータ、会社公表データをもとにSBI証券が作成
  • ※営業増益率は前期との比較

一部掲載銘柄を詳細に解説!

■Finatextホールディングス(4419)~金融ビジネスに必要なシステムをクラウドで提供

★日足チャート(6ヵ月)

  • ※データは2024/5/22 (日足)9:30時点。
  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

★業績推移(百万円)

  • ※当社Webサイトの業績表示ツールをもとに、SBI証券が作成。

■金融向け業務システムをクラウドで提供

金融サービスを提供するうえで必要となる業務システムをクラウドベースで提供しています。

祖業は「フィンテックソリューション」で、金融機関のDXニーズに対応し、フロントエンドのアプリケーション開発や汎用的技術ソリューションを提供しています。「ビッグデータ解析」では、機関投資家や公的機関に対し、

オルタナティブデータ(非伝統的データ)の提供等を行っています。

現在の主力業務である「金融インフラストラクチャ(24.3期の全売上高構成比:55%)」では、たとえば、顧客企業が個人顧客向け株取引サービスの提供を可能とする基幹システムをクラウドで提供しています。

■黒字転換。25.3期は大幅増益へ

24.3期は売上高53.7億円(前期比40%増)で、上場後3期連続で増収率が40%を超えました。営業利益は2億円(前期は3.3億円の赤字)と初の黒字転換(最終損益は赤字)を実現しました。「金融インフラストラクチャ」では、「投資一任」において3件の新規パートナーを獲得。「ビッグデータ解析」では、生成AI関連プロジェクトを複数獲得しました。

25.3期は売上高76.2億円(前期比41%増)、営業利益6.8億円(同236%増)が会社計画です。

主力の「金融インフラストラクチャ」では、パートナー数を22社から30社へ増やす計画で、売上高は49%増加を見込んでいます。「ビッグデータ解析」では不動産領域でテナント出店分析パッケージの拡販を図ります。「フィンテックソリューション」では大手金融機関向けにソリューションビジネスの獲得を狙います。

なお、収益はやや下期偏重型になっています。過去2年間はおおむね上期4割・下期6割前後で、今期も同様の傾向が続くとみられます。

高値は上場直後に付けた1,110円ですが、時価はそこから2割程度下押した水準にあります。今期会社が想定数するような大幅増益の確度が高まれば、十分回復可能かもしれません。

■藤倉化成 (4620)~BtoB化学系メーカー。業績回復・大規模自社株買いの実施が好感。割安水準

★日足チャート(6カ月)

  • ※データは2024/5/22 (日足)9:30時点。
  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

★業績推移(百万円)

  • ※当社Webサイトの業績表示ツールをもとに、SBI証券が作成。

■塗料・樹脂が主力のBtoB化学系メーカー

フジクラ(5803)系の流れを汲む化学系BtoBメーカーです。

塗料や樹脂など、最終製品に使用される素材・中間材料を主要製品としています。

1938年に藤倉工業株式会社(現藤倉コンポジット株式会社)から分離独立。現在でもフジクラ(5803)は、持分法適用会社であり、20%超の株式を保有する筆頭株主です(23.9末時点)。

北米やアジア、英国等を中心にグローバル事業を展開。海外売上高比率は年々上昇傾向で、24.3期には51%と過半数を占めるまでになりました。

自動車向け塗料を中心とした「コーティング事業(24.3期の売上高構成比率56%)」が主軸です。

他には、住宅などに使用される建築用塗料を扱う「塗料事業(同21%)」、PC・スマホ向けの電子部品やセンサー基盤などを販売する「電子材料事業(同6%)」、「化成品事業(同8%)」や「合成樹脂事業(9%)」の5事業を展開しています。

■業績回復・大規模自社株買いの実施が好感。割安水準

24.3期は売上高526億円(前期比3.5%増)、営業利益12.9億円(同270%増)と大幅増益を達成。大幅減益となった23.3期のの前となる22.3期と同程度の営業利益まで回復しました。コーティング事業の営業利益が13.1億円(同477%増)と全体を押し上げた形です。

主力製品の自動車向け塗料は、国内・中国では販売が軟調でした。一方、北米・アセアン諸国では好調に推移したとしており、円安が利益を押し上げた要因の1つとして想定されます。24.3期期初の想定為替レートは1ドル128円、営業利益も見通しは13億円であったのでほぼ計画通りの結果となりました。25.3期計画に関しては、売上高57億円(前期比8%増)、営業利益19億円(同46%増)と堅調な見通しを示しています。継続的なコスト削減などを行う方針で、想定為替レートは1ドル135円としています。

また、本決算発表と同時に発行済み株式数の3.24%にあたる大規模な自社株買いの実施を発表しました。業績回復のほか株主還元策が好感され、株価は5/21(火)時点で1カ月超ぶりの高値水準まで回復。PBRは0.38倍、配当利回りも3.7%と割安株といえる水準に位置しています。

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