中小型株反発で、有望銘柄を見逃すな!好決算銘柄10選
投資情報部 鈴木 英之 栗本奈緒実
2024/07/17
当ページの内容につきましては、SBI証券 投資情報部長 鈴木による動画での詳しい解説も行っております。東証グロース市場・スタンダード市場の中小型株を中心に、好業績が期待される銘柄や、投資家の皆様が気になる話題についてわかりやすくお伝えします。
新興株ウィークリー
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中小型株反発で、有望銘柄を見逃すな!好決算銘柄10選
7月第2週(7/8~12)の東京株式市場は週末に波乱となりながらも、週足ベースでは3週続伸となりました。日経平均株価の週末(7/12)終値は前週末比0.7%上昇しました。
米国では景気・雇用指標等の鈍化が目立ち、インフレ懸念が後退し、金利低下期待が強まりました。そうしたなかで、テック株を中心に上昇基調が継続し、東京株式市場もその恩恵を受けました。日経平均株価は7/11(木)に史上初めて42,000円台まで上昇しました。しかし、一部テクニカル指標の過熱が指摘され、7/12(金)には下げ幅が1,000円を超える波乱になりました。
そうした中、7月第2週の中小型株市場では、東証グロース市場指数が週足ベースで2.6%の上昇となり、日経平均株価をアウトパフォームしました。米国で金利低下観測が強まる中、同国小型株の中心的指標である「ラッセル2000」が週間で6.0%も急騰し、日本の中小型株も追い風を受けました。日経平均株価が大きく調整した7/12(金)には、東証グロース市場、スタンダード市場ともに逆行高となっています。
日本時間7/16(火)時点では、米国が9/18(水)結果発表のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利下げに転じるとのシナリオがほぼ確実視されています。米国の金利上昇局面は終わった可能性が強く、今後は金利低下局面で強いグロース銘柄が相対的に強くなる可能性もありそうです。米国で「ラッセル2000」の上昇が本格化し、日本の中小型株指標も活気を取り戻すかもしれません。
ただ、ここで注意点がひとつあります。7月下旬以降2024年4~6月期の決算発表が始まり、個別企業レベルで業績変動リスクが高まるためです。特に流動性が相対的に乏しい中小型株は、「業績悪等で株価が急落」というケースも多くなるとみられ、銘柄選択に細心の注意が必要な時期になりそうです。
ただ逆に、決算発表が終わった銘柄であれば、当面業績変動リスクは小さくなるとみられます。実は、6月下旬から7/16(火)までは、年度末を2月、5月、8月、11月とする銘柄の24年3~5月期の決算発表シーズンでした。この時期に好決算を発表した銘柄は、これから決算発表を迎える銘柄を買いにくい分、値動きがよくなる可能性があります。
そこで今回の「新興株ウィークリー」では、東証グロース市場および同スタンダード市場に上場する銘柄のうち、直近の決算発表で好業績を示した銘柄を抽出すべく、以下のスクリーニングを行いました。
(1)東証スタンダード市場またはグロース市場に上場
(2)時価総額1,000億円未満
(3)7/12(金)までの20営業日で1日当たり平均出来高2万株以上
(4)決算期末が2月または5月、8月、11月の銘柄で6/24(月)~7/12(金)に決算発表を実施
(5)直近四半期(24年3~5月)営業利益が1億円以上、かつ前年同期比で黒字転換または50%超の増益
(6)「継続企業の前提」に疑義が生じていない
(7)取引所または日証金による信用規制・注意喚起銘柄を除く
図表の銘柄は、上記(1)~(7)の条件をすべて満たしています。掲載は、直近四半期の営業増益率が高い順(ただし黒字転換が最上位)としています。
掲載銘柄の中には、業績予想が上方修正されたものもあり、決算発表直後に急騰しているケースが多くあります。「好決算を発表したものの反応していない」銘柄は逆に不自然とさえいえるでしょう。ただ、中小型株は好業績を機に、上昇基調が長期化する場合もあり、押し目買いを図るには好対象と考えられます。
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【参考】 日経平均株価と東証グロース市場指数の推移
【参考】 7/9(火)~7/16(火)で株価上昇が大きかった東証グロース市場指数構成銘柄
■図表 中小型株反発で、有望銘柄を見逃すな!好決算銘柄10選
取引 | チャート | ポートフォリオ | コード | 銘柄名 | 株価 (7/16終値) |
24年3~5月期 営業増益率 |
今期会社予想 営業増益率 |
4176 | 4176 | 4176 | 4176 | ココナラ(8) | 397 | 黒字転換 | 黒字転換 |
3168 | 3168 | 3168 | 3168 | 黒谷(8) | 801 | 935.0% | 326.9% |
8244 | 8244 | 8244 | 8244 | 近鉄百貨店(2) | 2,316 | 320.9% | 46.0% |
4015 | 4015 | 4015 | 4015 | ペイクラウドホールディングス(8) | 593 | 225.6% | 65.0% |
2735 | 2735 | 2735 | 2735 | ワッツ(8) | 731 | 214.1% | 68.9% |
6093 | 6093 | 6093 | 6093 | エスクロー・エージェント・ジャパン(2) | 148 | 62.5% | -25.7% |
2354 | 2354 | 2354 | 2354 | YE DIGITAL(2) | 790 | 82.4% | 7.5% |
9369 | 9369 | 9369 | 9369 | キユーソー流通システム(11) | 926 | 71.5% | 34.0% |
4413 | 4413 | 4413 | 4413 | ボードルア(2) | 4,105 | 64.2% | 45.0% |
1434 | 1434 | 1434 | 1434 | JESCOホールディングス(8) | 926 | 54.2% | 163.3% |
- ※Bloombergデータ、会社公表データをもとにSBI証券が作成
- ※銘柄名右横カッコ内の数値は決算月を示しています
- ※24年3~5月期営業増益率は前年同月比、今期会社予想営業増益率は前期比で計算されています
一部掲載銘柄を詳細に解説!
■ココナラ(4176)~サービスをECのように売買。「収益性を意識した経営」への転換に期待
★日足チャート(1年)
- ※データは2024/7/17 (日足)10:00時点。
- ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
- ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。
★業績推移(百万円)
- ※当社Webサイトの業績表示ツールをもとに、SBI証券が作成。
■多種多様なサービスをECのように売買
主力事業である「マーケットプレイス」(24.8期3Q累計の売上構成比76%)では、スキルのマーケットプレイスである「ココナラ」の運営を行っています。
「ココナラ」では、出品者が自らのスキル・知識・経験を生かしたサービス・役務を提供し、購入者は多様な出品サービス(前期末・79万件)の中から希望するサービス・役務を購入することになります。取引代金は購入者から当社が受領し、手数料を控除後に出品者に支払う仕組みです。
「メディア」(同売上構成比11%)では、法律相談を行っています。ユーザーは自らの悩みや法律相談を、当社に登録する弁護士に行うことができます。有料プランでは所定の料金体系に基づき固定制になっています。また弁護士からの広告収入も当社の収益になります。
その他、エンジニアやデザイナーを中心としたITフリーランスと企業の業務委託案件を結びつける「エージェント」事業にも展開しています。
■業績は好調。主力「マーケットプレイス」に新機能も追加
7/12(金)に24.8期3Q累計決算を発表し、売上高42.2億円(前年同期比26%増)、営業利益2.9億円(前年同期は2.2億円の赤字)となりました。
主力の「マーケットプレイス」では「ココナラ募集」というサービスにおいて、1回限りで案件を依頼できる「単発役務」に加え、業務委託を継続して依頼できる「継続役務」の機能を拡充(24年4月)しました。また、みずほ銀行との合弁会社(みずほ銀行の法人顧客をココナラに紹介し、専任コンシェルジュが最適サービスを提案)も5月下旬から本格的な営業を開始しました。
主力の「マーケットプレイス」では売上高が前年同期比9%拡大し、営業損益が前年同期の1.85億円赤字から3.42億円黒字へと大幅改善しました。
なお、24.8期通期は売上高65.7億円(前期比40%増)、営業利益2.7億円(前期は1.26億円赤字)が会社計画です。5月に同計画を上方修正(旧予想営業利益は0.1億円)を行いました。3Q累計(23.9-24.5期)時点で営業利益の進捗率(対修正後予想営業利益)は100%を超えていますが、会社側では新規事業への投資を4Q中に見込んでいるとのことです。
株価は3Q決算発表の翌営業日に当たる7/16(火)は、強弱感が対立する展開になりました。好決算ではあるものの、予定通りとはいえ、業績予想の上方修正がなかったことが影響したとみられます。
ただ、会社側は今期以降、年率20~30%の売上成長を目指すとともに、収益性も意識した経営に転換(前期までは売上重視)する方針です。株価は2月高値585円から3割超下げた水準にあり、値頃感は強まっているとみられます。
■キユーソー流通システム (9369)~「食品」の総合物流で国内トップ級。今期大幅増益へ
★日足チャート(1年)
- ※データは2024/7/17 (日足)10:00時点。
- ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
- ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。
★業績推移(百万円)
- ※当社Webサイトの業績表示ツールをもとに、SBI証券が作成。
■キユーピー発、国内トップ級の食品物流総合会社
「食品」の総合物流会社。1966年にキユーピー(2809)の倉庫部門から分離・独立して誕生しました。現在もキユーピーは、同社株を43%を保有する筆頭株主です(24.5末時点)。
全国150カ所以上の事業拠点、グループ及び協力運送会社にて約7,000台の車両を擁するリーディングカンパニーです。取引先は、食品メーカーや外食チェーン、コンビニエンスストアなどで、その数は1,000社以上に上ります。
■3事業を展開。インドネシアで拡大期待
★共同物流事業(売上高構成比68%、営業利益構成比38%)
メーカーとの共同配送や原料輸送などのサービスを行う事業です。マヨネーズの原材料である油脂・食酢等のローリー輸送も行っています。
★専門物流事業(同21%、同34%)
チェーンストア向け物流センターの運営など、コンビニやスーパー等の物流を包括的請け負っています。
★関連事業(同10%、同27%)
中国やインドネシアなどの海外事業や、車両・燃料等の販売行う事業です。前期(23.11期)の海外売上高比率は10%に達しませんでしたが、中計目標の一つに「海外展開の基盤拡充」を掲げています。2020年に4社を子会社化しスタートしたインドネシア事業では、前期に約56億円を投資し地方拠点の拡充を進めている最中です。前期の会社全体の設備投資実績は83億円で、うち海外が41億円と、社を挙げて注力していることが窺い知れます。
■上場来高値水準で上値軽い?
前期(23.11期)は上期が鶏卵供給不足や電気代上昇が重しとなりましたが、下期で持ち直した格好です。海外での新規・既存取引が増収をけん引しました。
本年1月に今期(24.11期)の増収・営業増益見通しを発表後、株価はジリ高で推移。その後、1Q(23.12-24.2月期)決算で営業利益が前年同期比82%増、2Q(23.12-24.5期)も同75%増と大幅増益。2Q決算発表時には同時に今期計画も上方修正が行われ、各Q決算発表時に一段高し、現在も高値を維持した状態です。
コストアップが営業利益の重しとなるものの、鶏卵供給不足の回復、適正料金施策、海外での新規・既存の取引の拡大などが増益に寄与するとしています。上場来高値水準にも位置しているため、価格帯別売買高では1,800円付近を抜ければ上値が軽い展開も期待されます。7/16(火)時点のPBRは1.08倍と割安感が解消された状態ですが、今後も好調な業績見通しや増配実施を示した場合、更なる株高にも期待できるでしょう。
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