相場底入れ?株高期待の好決算中小型株

相場底入れ?株高期待の好決算中小型株

投資情報部 鈴木 英之 栗本奈緒実

2024/08/14

信用取引において必要となるその他諸費用の詳細は信用取引のサービス概要をご確認ください。

相場底入れ?株高期待の好決算中小型株

東京株式市場がようやく落ち着きを取り戻しつつあります。

日経平均株価は7/11(木)の42,224円を過去最高値とし、8/5(月)の31,458円まで25.5%下落(終値ベース)しました。7月最終週の中銀ウィークを通じ、日米金融政策の方向感の相違が明らかになったことが大きな要因です。その後は、自律反発に加え日銀・内田副総裁によるハト派的発言もあり、値を戻す展開になりました。日経平均株価は8/13(火)時点で、下落幅(7/11→8/5)の44.3%を戻した状態となりました。

中小型株も東京市場の荒波をかぶる形になりました。東証グロース市場指数は7/17(水)高値から8/5(月)終値まで29.4%下落し、8/13(火)までに下落幅の46.5%を回復しました。同スタンダード市場指数は7/16(火)高値から8/5(月)終値まで18.5%下落し、8/13(火)までに下落幅の55.9%を取り戻しました。

依然としてボラティリティが大きく、東京株式市場では乱高下が続く可能性が残ります。ただ、追加利上げ観測は後退しており、外為市場が安定すれば、株式市場も次第に落ち着きを取り戻すことが期待されます。折しも、決算発表がピークアウトし、好業績銘柄が買われるケースが目立っています。

そこで、今回の「新興株ウィークリー」では、決算発表が終わった銘柄の中から、好業績銘柄を抽出すべく、以下のスクリーニングを行ってみました。

(1)東証グロース市場またはスタンダード市場に上場

(2)時価総額1,000億円未満

(3)3月決算銘柄

(4)7/22(月)~8/9(金)に25.3期1Qの決算発表を終了

(5)24.3期1Q(23.4~6月期)および24.3通期の営業利益が黒字

(6)25.3期1Q(24.4~6月期)の営業利益が以下の条件をすべて満たしていること

 ・営業利益が2億円超

 ・前年同期比で50%超の増益かつ通期会社予想営業増益率を上回る

 ・25.3通期会社予想営業利益に対する進捗率が25%超

 ・同進捗率が前年同期の進捗率(24.3期1Q営業利益/24.3通期営業利益)を上回っている

(7)25.3通期会社予想営業利益が増益予想

(8)取引所または日証金、当社による信用規制・注意喚起銘柄を除く

図表の銘柄は、上記(1)~(8)の条件をすべて満たしています。掲載は、25.3期1Q営業利益の前年同期比増益率の高い順となっています。

WEBリクエスト募集中!

気になる投資テーマ等がございましたら、こちらにご意見お待ちしております。

【参考】 日経平均株価と東証グロース市場指数の推移

【参考】 8/6(火)~8/13(火)で株価上昇が大きかった東証グロース市場指数構成銘柄

■図表 相場底入れ?株高期待の好決算中小型株

取引 チャート ポートフォリオ コード 銘柄名  株価
(8/13終値)
24.4~6期
営業増益率
25.3期会社予想
営業増益率
4113 4113 4113 4113 田岡化学工業 816 17969.3% 11.6%
8844 8844 8844 8844 コスモスイニシア 747 2088.5% 7.8%
6023 6023 6023 6023 ダイハツディーゼル 1,497 245.0% 15.5%
5285 5285 5285 5285 ヤマックス 1,223 221.6% 9.6%
4972 4972 4972 4972 綜研化学 2,852 167.0% 12.3%
6777 6777 6777 6777 santec Holdings 6,950 160.6% 4.2%
9067 9067 9067 9067 丸運 574 135.9% 65.0%
9828 9828 9828 9828 Genki Global Dining Concepts 3,460 72.9% 1.7%
5013 5013 5013 5013 ユシロ化学工業 1,692 63.8% 1.7%
9158 9158 9158 9158 シーユーシー 1,515 60.8% 7.0%
7235 7235 7235 7235 東京ラヂエーター製造 682 60.4% 0.2%
8596 8596 8596 8596 九州リースサービス 1,017 56.2% 4.3%
6226 6226 6226 6226 守谷輸送機工業 1,488 55.1% 7.6%
  • ※Bloombergデータ、会社公表データをもとにSBI証券が作成。

一部掲載銘柄を詳細に解説!

■コスモスイニシア(8844)~業績好調。株価下落で割安感も

★日足チャート(6ヵ月)

  • ※データは2024/8/14(日足)10:30時点。
  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

★業績推移(百万円)

  • ※当社Webサイトの業績表示ツールをもとに、SBI証券が作成。

■大和ハウスグループの不動産会社

1969年6月に「リクルート映画社」として設立され、74年2月には事業目的を不動産に変更しました。85年3月「リクルートコスモス」に商号を変更し、86年10月に株式を店頭登録しました。

2005年6月にMBOの手法でリクルートグループから独立し、06年9月に現社名に社名変更しました。13年6月に大和ハウスグループ入り。現在は同社が38.2%、学生寮・社員寮・ホテル等を運営する共立メンテナンスが25.0%を保有する大株主です。

現在の事業とそれらの売上構成比(24.3期)は以下の通りです。

(1)レジデンシャル事業(35%)・・・新築マンション、分譲マンション、新築一戸建て住宅、リノベーションマンションの販売等

(2)ソリューション事業(39%)・・・毎月一定収入を見込める収益不動産の販売、不動産賃貸・管理等

(3)宿泊事業(18%)・・・ホテル施設の開発・販売他

(4)工事事業(8%)・・・オフォス移転・内装工事、建築・リノベーション工事、マンションギャラリー設営工事等

■インバウンド関連の側面も。割安感は強い印象

8/6(火)発表の25.3期1Q決算では、売上高273億円(前年同期比45%増)、営業利益26.7億円(前年同期は1.2億円)、経常利益25.8億円(同0.3億円)と大幅増収増益となりました。

レジデンシャル事業が前年同期比で7.2億円増益になった他、ソリューション事業が同4.4億円、宿泊事業が14.9億円等全事業が増益になりました。特に宿泊事業は旺盛なインバウンド需要を背景に大幅増益になり、調整前営業利益に占める構成比は69%と稼ぎ頭になっています。

25.3期通期会社計画は、期初の数字から変更がありませんでした。売上高は1,340億円(前期比7%増)、営業利益80億円(同7%増)の予想です。中期経営計画では27.3期に営業利益100億円を見込んでいます。

25.3期の配当計画は上半期末に1株9円(うち2円は創業50周年の記念配)期末に17円、年間で26円となっています。8/13(火)終値747円で計算される予想配当利回りは3.48%と高めになっています。24.6期末での純資産は469億円ですが、時価総額は253億円(8/13)でPBRも0.54倍と割安感が強くなっています。

不動産株ということもあり、金利上昇懸念は株価に逆風となりますが、直近の株価急落でむしろ日銀の追加利上げ観測が後退したことは、割安感の見直しにつながるチャンスとなるかもしれません。インバウンド需要が収益に貢献している銘柄としての認識は市場にはあまりないとみられ、再評価の余地も小さくないとみられます。

■Genki Global Dining Concepts(9828)~「魚べい」、「元気寿司」、海外に強いすしチェーン。国内も好調!

★日足チャート(6ヵ月)

  • ※データは2024/8/14(日足)10:30時点。
  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

★業績推移(百万円)

  • ※当社Webサイトの業績表示ツールをもとに、SBI証券が作成。

■グローバル展開の寿司チェーン。海外店舗数、業界トップ!

回らない寿司として高速レーンでリーズナブルに寿司を提供する「魚べい」、海外をメインに展開する回転寿司「元気寿司」、高級業態の「千両」、3つの寿司ブランドを運営。

8/1(木)、さらなるグローバル化を目指すため、商号を「元気寿司」から「Genki Global Dinig Concepts」に変更。同時に、発祥地の栃木から東京に多数の本社機能の移転し、2本社制を開始しました。

1993年、日本の回転寿司業界としてはじめて海外進出して以降、着々と拡大。世界9カ国・地域で426店舗(日本185店舗、香港95店舗、中国53店舗、インドネシア31店舗、シンガポール23店舗等)です(24.3期末時点)。日本と米国の一部では直営ですが、アジアはフランチャイズで展開し、業界随一の海外店舗網を構築。日本の回転寿司業界では店舗数国内5位ですが、海外店舗数ではNo.1を誇ります。前期(24.3期)は販売増に加え円安効果も相成り、海外事業が全営業利益の36%を占めました。

■利益率改善し海外・国内ともに好調!PERも同業より割安

従来は、国内事業の赤字を海外事業が補填する形で業績は推移してきました。

24.3期は店舗運営におけるコストの削減などにより国内事業が黒字転換。通期の最終利益が期初の8億円(前期比20.1%減)見通しから一転、32億円(前期比222%増)と大幅増益なった格好です。営業利益は中計最終年度の26.3期目標値を超えており、会社側は再策定を行うと言及しています。

25.3期1Q(4-6月期)は、売上高163億円(前年同期比8%増)、営業利益18億円(同73%増)と増収増益。通期計画に対する各利益の進捗率は、押しなべて約36%と順調です。テレビ番組での露出増加や海外店舗での営業サポート等が奏功し、国内事業とグローバル事業、いずれも過去最高の売上高とセグメント利益を更新しました。

7/30(火)の同決算発表以降、株価は過去最高値の4,110円に迫る形で急騰したものの、4,000円を節目に推し戻された形です。また、全面的な株安に連れ、同決算発表前の水準まで急速に値段を調整しました。

予想PERは8/13(火)時点で18.5倍と20倍を割り込みむ水準まで低下。スシローを運営するFOOD & LIFE COMPANIES(3563)が同20.1倍、くら寿司(2695)が同40.8倍、カッパ・クリエイト(7421)が同61倍と比較すると割安と言えるでしょう。新たな中計目標策定や今後の業績計画の上方修正による株高に期待感が募ります。

また、株主優待銘柄としても人気です。100株以上から株数に応じ優待食事券が発行され、3年以上の継続保有をした株主には優待食事券が追加発行されます。

新着記事(2024/08/14)

口座開設・管理料は
無料!

信用取引口座開設

信用取引を行うには、信用取引口座の開設が必要になります。 WEBサイト上でのお手続きだけで「最短翌日」口座開設完了!

※信用取引において必要となるその他諸費用の詳細は信用取引のサービス概要をご確認ください。

ご注意事項

※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
※NISA口座で上場株式等の配当金を非課税で受け取るためには、配当金の受領方法を「株式数比例配分方式」に事前にご登録いただく必要があります。詳細はこちら

免責事項・注意事項

・本資料は投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたもので、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。万一、本資料に基づいてお客さまが損害を被ったとしても当社及び情報発信元は一切その責任を負うものではありません。本資料は著作権によって保護されており、無断で転用、複製又は販売等を行うことは固く禁じます。

【手数料及びリスク情報等】

SBI証券で取り扱っている商品等へのご投資には、各商品毎に所定の手数料や必要経費等をご負担いただく場合があります。また、各商品等は価格の変動等により損失が生じるおそれがあります(信用取引、先物・オプション取引、商品先物取引、外国為替保証金取引、取引所CFD(くりっく株365)では差し入れた保証金・証拠金(元本)を上回る損失が生じるおそれがあります)。各商品等への投資に際してご負担いただく手数料等及びリスクは商品毎に異なりますので、詳細につきましては、SBI証券WEBサイトの当該商品等のページ、金融商品取引法等に係る表示又は契約締結前交付書面等をご確認ください。