株価好調で、今後も活躍持続期待のグロース銘柄7選

株価好調で、今後も活躍持続期待のグロース銘柄7選

投資情報部 鈴木 英之 栗本奈緒実

2024/10/30

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株価好調で、今後も活躍持続期待のグロース銘柄7選

東証グロース市場にとって、厳しい状況が長引いています。

米長期金利が上昇し、高PERの銘柄が多い中小型グロース株に買いが入りづらい状態です。9月半ばの米長期金利は、23/5以来となる3.6%前半まで低下する場面がありました。しかし、その後は堅調な米経済指標の発表が相次ぎ、FRBによる急速な利下げ予想が後退。長期金利は4.2%台と約3カ月ぶりの高水準まで回復しました。9/18*-10/28における日経平均の騰落率+6.1%に対し、東証グロース市場指数は-4.5%と、影響の大きさが明らかです。 

*現地時間9/17、米長期金利が直近で底を示現。9/18はその直後の東京株式市場の営業日。

また、日米における政治の先行き不透明感や中東情勢の悪化懸念など、株式市場全体にとっての悪材料も多々発生。決算発表前の様子見姿勢が強まり、東証プライム市場の売買代金は10/25(金)に本年最小の3.1兆円台となるなど、商いもしぼんでいます。

今回の「新興株ウィークリー」では、ファンダメンタルズに恵まれない中にもかかわらず、悪材料を跳ねのける程の力強さで、株価推移が高パフォーマンスとなった銘柄を抽出してみました。なお、今後の一段高にも期待するため、堅調な業績見通しかつ、11月-12月に決算発表予定の銘柄に限定しています。スクリーニング条件は以下の通りです。

(1)東証グロース市場に上場

(2)時価総額が50~2,000億円

(3)売買高移動平均(25日)が1.5万株以上

(4)株価上昇率(9/18~10/28)が5%以上 ※東証グロース市場指数は同-4.5%

(5)今期会社予想増収率が10%以上

(6)今期会社予想経常増益率が増益

(7)次回の決算発表予定日が11月~12月

(8)取引所または日証金、当社による信用規制・注意喚起銘柄を除く

図表の銘柄は、上記(1)~(8)の条件をすべて満たしています。掲載は(5)今期会社予想増収率が大きい順です。

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【参考】 日経平均株価と東証グロース市場指数の推移

【参考】10/22(火)~10/29(火)で株価上昇が大きかった東証グロース市場指数構成銘柄

■図表 株価好調で、今後も活躍持続期待のグロース銘柄7選

取引 チャート ポートフォリオ コード 銘柄名  株価
(10/28終値)
株価騰落率
(9/18-10/28)
今期会社予想
増収率
2160 2160 2160 2160 ジーエヌアイグループ (11/14) 2,962 18.8% 52.1%
147A 147A 147A 147A ソラコム (11/7) 1,390 14.9% 25.0%
2986 2986 2986 2986 LAホールディングス (11/14) 4,555 11.0% 23.5%
4264 4264 4264 4264 セキュア (11/13) 1,806 12.9% 20.4%
5621 5621 5621 5621 ヒューマンテクノロジーズ (11/14) 1,506 6.7% 18.8%
151A 151A 151A 151A ダイブ (11/8) 3,220 12.7% 18.1%
5070 5070 5070 5070 ドラフト (11/12) 545 7.5% 12.1%
  • ※Quick Workstation Astra Managerデータ、会社公表データをもとにSBI証券が作成。
  • ※銘柄名横のカッコ内は決算発表予定日。

一部掲載銘柄を詳細に解説!

■ソラコム(147A)~IoTプラットフォームを30,000社以上に提供。第1四半期の進捗は順調

★日足チャート(6カ月)

★業績推移(百万円)

IoTプラットフォームを30,000社以上に提供

あらゆるものがインターネットにつながるIoT(Internet of Things)のプラットフォーム(基盤環境)を提供している会社です。2014年に設立された若い会社で、KDDI(9433)の持分法適用会社(24.3末保有比率40.68%)になっています。

IoTの活用が世界的に加速する中で、企業がこれを導入するには、ハードウェア、ソフトウェア、通信、セキュリティ、生成AIなど多くの要素技術が複雑に絡む様々な課題に対処する必要があります。顧客企業は当社のプラットフォームを利用することで、迅速かつ効率的にIoTサービスを立ち上げることが可能になります。

顧客企業は内外30,000社(24.3期グローバル売上高比率36%)を超えています。スマートメーターの活用・自動検針(日本瓦斯)、設備の稼働状況確認(セコム)、空調・暖房システムリモート管理(三菱電機)他、多くのサービスが当社サービスを利用し、稼働しています。

一般的なIoTプロジェクトでは顧客がSIMやデバイスを購入(当社にとっては商品販売他)し、PoC(概念検証)を経て、サービス開始へと続いていきます。その後当社には、通信サービスや、ネットワークサービス、アプリケーションサービスを顧客が利用することで、安定的・継続的な収益(リカーリング収益)が生じる構造です。

■第1四半期は計画を上回る進捗

8/14(水)に発表された25.3期1Q(24.4~6期)決算(※)では、売上高18.9億円(前年同期比33%増)、営業利益0.94億円(同12%増)と増収増益になりました。会社説明資料によると「業績予想に対しては売上・利益とも計画を上回る進捗」とのことです。25.3通期の会社計画では、売上高99億円(前期比25%増)、営業利益9.2億円(同27%増)が見込まれています。

※当社は24.3期には連結決算を採用していなかったため、決算短信上は前年同期との比較はなく、ここでの比較数値は会社説明資料をもとにしています。

安定収益源であるリカーリング収益(1Q売上構成比81%)が堅調に伸びる一方で、デバイス販売も大きく増加しました。グローバル売上高も前年同期比42%増と力強い成長を継続しました。大成建設の施工管理カメラシステムに当社製品(ソラカメ)が採用されるなど、大型案件も順調に推移しました。

IoTなしでは語れないコネクテッドカー(ICT端末としての機能を有する自動車)の分野は当社の注力分野であり、スズキやKDDIと戦略的提携を行っています。当四半期には車両管理システムを提供する会社に出資し、コネクテッドカー分野の強化を行っています。

25.3期2Qの決算発表は11/7(木)に予定されています。1Q同様に順調な進捗が示されれば、株価(足元はやや上昇一服)が反発に転じる可能性もありそうです。

■ダイブ (151A) ~「リゾートバイト」に特化した人材サービス事業。訪日外国人の増加が追い風

★日足チャート(6カ月)

★業績推移(百万円)

■「リゾートバイト」に特化した人材サービス事業

観光地や施設に特化した人材サービス(いわゆる、リゾートバイトのマッチング)で成長を遂げている企業。同サービスを行う「観光HR*事業」は、安定成長の基幹事業であり、全売上高の95%超に上ります(24.6末時点)。24年3月に、東証グロース市場に上場を果たしました。

*Human Resources(ヒューマンリソース)→ 人的資源全体に係る業務

■取引実績は多数。事務オペ複雑で、参入障壁は高い

リゾートバイトのプラットフォームを運営し、全国から人材を集客。取引実績は、47都道府県4,600施設以上に上ります。観光地の有名ホテルや、スキー場等の観光施設、具体的には会員制リゾートホテルのエクシブを擁するリゾートトラスト、大江戸温泉物語ホテルズ&リゾート、星野リゾートなどが取引先です。

繫忙期・閑散期に応じて人材ニーズが変動する点が特徴。人材の流動性が高く、勤務地の異動が多いため、事務手続き等のオペレーションが複雑かつ高頻度で発生します。そのため、通常の人材サービスと比べ、参入障壁が高いといわれています。

■訪日外国人の増加で、観光業の市場規模は拡大見込み

日本における2019年度の旅行消費額は26.8兆円でしたが、2030年度は37兆円(政府目標)と、観光市場は規模拡大が見込まれています。訪日外国人の旅行消費額が成長をけん引してゆく見通しです。24年9月の訪日外客数(JNTO調査)は、前年同期比31.5%増、8カ月連続で過去最高を記録。宿泊施設などへの需要が増しています。

一方で、少子高齢化や都市への人口流入から、観光地では人材確保が課題となっており、同サービスへの引き合いは強いと言えそうです。近年では、シニア人材や外国人人材等の獲得強化でも、就業者数の拡大を図っています。

■業績は堅調、流動性上昇が課題?

旺盛な観光地での人材需要を背景に、前期(24.6期)は過去最高の売上と各利益を達成。今期(25.6期)も更新する見通しです。グランピング施設の運営等を行う、地方創生事業(25.6期)も今期から黒字転換となる計画です。

業績見通し自体は明るい一方、今回の新興株ウィークリーで紹介した銘柄の中では、売買高移動平均(25日)が最も少なかったです。株式の流動性の上昇が課題と考えられます。

1Q(7-9月期)決算発表予定日は、11/8(金)です。

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