好業績を発表し、株価上昇に期待の10銘柄

好業績を発表し、株価上昇に期待の10銘柄

投資情報部 鈴木 英之 栗本奈緒実

2024/11/06

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好業績を発表し、株価上昇に期待の10銘柄

10月相場が終わりました。市場別の月間騰落率は東証プライム市場が1.9%上昇したのに対し、同スタンダード市場は1.6%下落、同グロース市場は2.9%下落となり、中小型株が劣後する月になりました。

この月は、米国株(S&P500)が10/18(金)に過去最高値を付けたものの月後半は伸び悩み、結局、月間では1.0%下落しました。しかし、堅調な米国経済を背景に米長期金利が9月末3.78%から10月末4.28%と急上昇、それを受けてドル・円相場も同期間に1ドル143円から152円に急速な円安・ドル高が進展し、日本株に追い風となりました。

ただ、米長期金利の上昇はグロース株には逆風となり、東証グロース市場指数は冴えない展開となりました。チャート的にも同市場指数は昨年6月を当面の高値に、徐々に高値が切り下がる「弱気市場」の様相を呈しています。

そうした中、東京株式市場では24年7~9月期の決算発表がスタートしました。11/6(水)はトヨタ自動車の決算発表予定日であり、決算発表は佳境を迎えつつあります。発表された業績数字と事前の市場予想等の比較で株価が動くことにベットする「決算トレード」を積極化させる投資家も多そうです。

一般的に、決算発表直前の銘柄に投資することは、高いリターンを期待できる反面高めのリスクを背負うことにもつながり、注意が必要です。一方、決算発表が終了した直後の銘柄は、当面の業績変動リスクが後退し、好業績銘柄であれば徐々に評価が上がる展開も期待できそうです。ただ、すでに株価上昇が進んでいる銘柄もあり、その点は注意が必要です。

そこで、今回の「新興株ウィークリー」では、決算発表後間もない銘柄の中から、四半期(3ヵ月)大幅増益を確保し、今後も市場での評価上昇が期待できる銘柄を抽出すべく、以下のスクリーニングを行ってみました。

(1)東証スタンダード市場またはグロース市場に上場

(2)11/1(金)まで20営業日の1営業日当たり平均出来高2万株以上

(3)10/15(火)~11/1(金)に決算発表を実施

(4)直近四半期(3ヵ月)の売上高・営業利益がともに前年同期比10%超増加(営業利益は黒字転換も含む)

(5)取引所または日証金、当社による信用規制・注意喚起銘柄を除く

図表の銘柄は、上記(1)~(5)の条件をすべて満たしています。掲載は(2)の平均出来高大きい順です。

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【参考】 日経平均株価と東証グロース市場指数の推移

【参考】 10/29(火)~11/5(火)で株価上昇が大きかった東証グロース市場指数構成銘柄

■図表 好業績を発表し、株価上昇に期待の10銘柄

取引 チャート ポートフォリオ コード 銘柄名  株価
(11/5終値)
20営業日の平均出来高(~11/1・株) 直近四半期(3ヵ月)営業増益率
7908 7908 7908 7908 KIMOTO 323 1,557,125 202.6%
2428 2428 2428 2428 ウェルネット 879 200,210 62.0%
6093 6093 6093 6093 エスクロー・エージェント・ジャパン 139 196,085 42.2%
9168 9168 9168 9168 ライズ・コンサルティング・グループ 676 177,740 14.3%
4107 4107 4107 4107 伊勢化学工業 20,120 103,970 103.6%
2216 2216 2216 2216 カンロ 2,957 81,555 73.7%
4413 4413 4413 4413 ボードルア 4,330 52,310 51.0%
6505 6505 6505 6505 東洋電機製造 1,088 37,155 黒字転換
1430 1430 1430 1430 ファーストコーポレーション 813 31,435 166.8%
6663 6663 6663 6663 太洋テクノレックス 261 31,055 黒字転換
  • ※Bloomberg、会社公表データをもとにSBI証券が作成
  • ※営業増益率は前年同期との比較による

一部掲載銘柄を詳細に解説!

■KIMOTO(7908)~各種機能用フィルムに展開。1Qに続き2Q発表時も予想利益を上方修正

★日足チャート(1年)

★業績推移(百万円)

■各種機能用フィルムに展開

フィルム事業が売上高(24.3期)の92%を占めている会社です。素材としてのフィルムに様々な加工を施し、多様な機能を付加して工業用材料として販売しています。

代表的な製品はスマートフォンやタブレッドなどのタッチパネルに使われるハードコートフィルムや、それらの機器のカメラレンズ遮光フィルムで、おのおの世界トップ級のシェアを有しているとみられます。

建築用飛散防止フィルムや、景色が良い場所のガラスに貼る曇り防止フィルム、ガラス装飾フィルムなど、多様な用途に使われています。

その他、サイバー空間でリアル空間を再現するデジタルツイン事業が売上高(24.3期)の4%を占めています。地域別売上構成比(24.3期)は国内が88%で、北米・欧州にも展開しています。

■予想営業利益を再び上方修正

25.3期は1Q決算において、売上高27.6億円(前年同期比30%増)、営業利益3.5億円(前年同期は2.6億円赤字)と、増収・黒字転換となりました。10/29(火)発表の2Q決算(3ヵ月)では、売上高30.1億円(前年同期比20%増)、営業利益4.5億円(前年同期比202%増)と好調を持続しました。

会社側は2Qの好決算を受け、25.3通期の予想営業利益を、1Q発表時(5億円→8億円)に続き上方修正し、10億円(同365%増)としました。自動車や情報通信機器向けに高付加価値製品が伸長したことが貢献しました。

■低いROE改善が課題

財務体質は堅固とみられます。25.3期2Q末総資産228億円に対し、現金預金は129億円に達し、有利子負債は見当たりません。時価総額176億円(11/5)に対し現預金残高が73%を占め、PBRは約0.8倍と割安状態に放置された状態です。

業績予想上方修正後の純利益7.2億円を25.3期2Q末純資産186.35億円で割って仮に求めたROEは3.8%で、資本効率の改善には課題がありそうです。

株価は業績予想上方修正後に上昇し、本年高値のみならず、21年高値318円を上回り、上値が軽い状態になっています。次の上値目標はチャート上、2018年高値476円が目安になっています。

■エスクロー・エージェント・ジャパン (6093)~不動産や金融の複雑な手続きをワンパッケージ化する、「エスクロー(第三者預託)」

★日足チャート(1年)

★業績推移(百万円)

■米国で一般的な「エスクロー(第三者預託)」を、日本でも。不動産や金融の複雑な手続きをワンパッケージ化

不動産に関する手続きと決済の DX(Digital Transformation)をサポートする会社(会社資料より)です。

社名にも入ってる、「エスクロー(Escrow)」とは、買い手と売り手との間に第三者を仲介させる仕組みやサービスなど、中立的な第三者預託を意味しています。

エスクローは、発祥の地米国では広く利用されており、不動産取引決済に係る手続きを一括で行う専門サービスとして拡大してきました。

日本の不動産取引では、金融機関、専門家(司法書士や土地家屋調査士等の資格者)等との分業体制が進んでいるため、それらを連携する関係事業者の業務は増加する見込みです。また、オンライン取引(非対面)の増加も追い風となり、複雑な手続きをワンパッケージ化した同社サービスへも堅調な需要が続くされています。

■ネット系金融機関の拡大と、日銀の方向転換で、住宅ローンの取り扱い件数が増加

顧客セグメント別売上高(24.2期)は、住宅ローンのバックオフィス業務も行うことから金融機関が44%とトップです。次いで士業事業者30%、不動産事業者が16%、建築事業者11%という構成。特に、足元ではネット系金融機関のシェア拡大や、日銀の金融政策の引き締め加速を見越し、住宅ローンの取り扱い件数が増加。前期(24.2期)は過去最高となりました。

■業績は堅調だが、、

25.2期の会社計画は減益見通しですが、人材・DX(システム投資)の強化といった投資を要因として挙げています。今後の受託件数のさらなる増加を見越してのことであると言及しており、成長期待を残した格好です。

2Q(3-8月期)までの業績推移は好調で、通期業績計画の上方修正を行いました。会社業績や事業分野の今後の見通しは堅調な一方、売買代金は低調気味で盛り上がりに欠ける印象です。株価が上昇基調になるためには、IR等を通じさらに市場の注目を集めることも必要な要素であると考えられます。

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